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シングルスピードに乗る。-序章-

さて、今週も始まりました
EBSのバイクチェック。
といっても、なぜか序章になりました。
今日のご紹介はミニベロシングルなんだけど、
書いてるうちに自分のお話になってしまったので。笑

まずはG.W明けでの天気の良い週末、これまた最高でしたね。
両日とも早朝から自転車に乗ったり、
パン屋さんに一番乗りしてみたりと
僕自身かなり充実した週末、仕事ぶり(自分で言うな)でした。

やっぱり緊急事態宣言延長、ってこともあって
新作フレームのローンチをしようと思ってた
イベントが延期になったり、

いよいよ大手メーカーでも
パーツの入手が困難になってきたりしていて、
僕たちに今一番必要なできることってなんだろう?
というのを話し合ってみたり。

前者に関しては発表自体はできそうなので
とりあえずそっちに向けて思考も巡らせていますが
こちらはしれっと、別口から発表できそうです。
グラベルツーリング系なフレームなので
気になっている方はチェックしといてください。

後者に関しては
僕たちのチームに
EBS、Tobira、GROWNといろんな表現がある中
全ブランドに共通する思想をもとに、
各ブランドで育ててきたフレーム設計から
一つの考え方をこちらも一台発表できるんじゃないかな、と思います。

気づけばどのブランドも値上げしていて、
完成車買うのも一苦労。
しかも今年はもう手に入らないときたもんだ。
少数ながら、本当に欲しい人たちに届けば。


本日のOwner’s Bike Checkは
特別製作シリーズからHorizontal 451を。(続きにて)

系譜を継ぐカスタムシリーズでは
もしかしたら一番派生が多いかもしれないおなじみホリゾン451。

今回は「TRACK」
そうです。シングルスピードです。

僕はやっぱりシングル、
ピストバイクから自転車好きであるということを
自覚したし、いろんな自転車に乗る今でも
最高にリスペクトしていて、いつでも帰ってこれる、
カスタムの故郷のような存在です。

シングルを語るには
まず自分を語らねばなるまい。(飛ばしてOKです。笑)


───時は遡り、
まだ10代だったMASN少年は

5800円の中古で買ったママチャリを乗っていて、
(今だったら中古でも絶対この値段で買えないよね)
当時の家の近くのパンク修理の相場は
1500円くらいだったと記憶してます。

途中で300円、とか500円、とか価格破壊されたけど、
当時の僕は「それやったら買い換えるわ!」と。
むちゃくちゃな考えだったな、と。
これを経てきた自転車屋さんってあんまいないんじゃないでしょうか。笑

みんな生まれた時から自転車好き!って感じで
そのだいぶ後、輪界の門を叩いた当時は
とても意識の高い方ばっかりで圧倒されていた。

話を戻してまた10代。
アメ村に毎日いた僕は
毎日の行き来に折りたたむことが
一回もなかった20インチの折り畳み自転車を購入することになる。
確か12000円くらいだったと思う。

これがかなり軽いギア比(今思えば)で、
でも余計なものがついてないシングルで、
今までよりしんどかったけど、
楽しく十三〜心斎橋間を毎日こいでた。

で、3ヶ月くらいで漫画みたいな空中分解をして壊れる。笑
あれはまじで焦った。
十三大橋を十三側に漕いでる坂道で、
立ち漕ぎ中にチェーンが切れて、スポークが折れて、
思いっきりロックして派手に転ぶという。

その時に、自転車アホらし。
って思って乗らなくなったんだけど、
それと同時くらいに運命的に
「ピストバイク」に出会う。

めちゃくちゃお洒落だった先輩が
めちゃくちゃ奇抜な自転車に乗っていた。
ピンクのラメの入った、意味わからんくらいハンドルの短い自転車。

いままでも乗っていた人はいたのに、興味がなくてみてなかった。
今もストリートの最前線で
スニーカー屋さんとサングラス屋さんになっているその人たちの
「自転車」を認識してしまってからというもの、
アメ村のガードレールに思いっきりずらっと並んでいることに気がついた(まじで)

そして帰り道、
いろんな人が、いろんなかたちの自転車に乗っていることに。

それまでスポーツ系の自転車は
全てロードバイクだと思っていた少年はかなり衝撃を受け、
とてもトガっていて格好良かった先輩に
少しでも近づくためにリサーチしまくった。
(それが何なのか先輩に聞くのが無知すぎて恥ずかしかった)

まだネットに情報なくて、雑誌片っ端から読んで、
公園前の自転車のブランド名を全部メモった。
今考えたらだいぶやばいやつだけど、
どんどん吸収されていくのが楽しくて、かなり充実していた。


そうするうちに、どうやら
NJSのフレーム(競輪の自転車)が最高にかっこいい、
ということがわかってきた。

思いっきり流行りに乗って、そしてファッションで。
当時のハードコアな人たちから見ると目も当てられないような
わかりやすい図だけど、これは今もこの考えのままきてるので
良い入り方してるな、と思ってます。
まだ乗ってるわけだから。

そしてNJSを手に入れようと計画する。
調べる。
多分できたばっかだったブルーラグのオンラインサイトで
理想のパーツをカートに入れて、値段を計算してみる。

どうやらあんな感じにイケてる組み方をするには
最低でも25万くらいかかるらしい。なんてことだ。
チョコチップスティックを1日1本
大事にかじって生活していたMASN少年には到底無理な金額だった。

そして代替案を模索。
似た形のピストが55000円で売っていた。
このあたりから金銭感覚がバグってくる。
どっちにしろ買えないので貯めながら悶々とした生活をする。

すると、なんとその先輩が買い換えるから要るか?と。
主要なパーツは全て剥がしてあったがどうでもよかった。

間に紆余曲折はあるけど、
秘密裏に水面下で動いていた僕の思惑とは裏腹に
一気に歩が進む。

とりあえず自転車工具セットを買う。
結果的に必要のない工具だらけ(精度もよくなかった。。)
だったけど、あの時あの工具セットを買ってないと
今僕が人様の自転車を組ませてもらえるなんてことはなかった。

だいぶはしょるけど、
その後わりとすぐ盗られるという事件が発生する。笑
当時のアメ村はFixが流行りすぎてて
右向いて左向いたらピストは失くなる状態だった。
NJSのフレームはそれまで競輪選手がつかったお下がりは
タダ同然の価格で取引されていて、そこから高騰して
いまでいう転売みたいなことが起きていた。


シングルしかなかったMASN少年は
それでどこにでも行った。
今は死ねるけど、100キロも200キロも全然余裕だった。

憧れの自転車を手に入れ、そして一瞬で失くす。
運良くその都度返ってきたりして、
なくなったフロントホイールだけ買ったりする。

高い自転車なので
盗難対策もちゃんとするようになる。
高い自転車なので
壊れないように整備する。

今となっては壊れないチョイスや組み方ができるけど、
その時はピーキーな速さを求めていて、
BBにめちゃ軽いオイルを乗せて
毎日BBを調整するとかいう完全に無駄なことをしていた。
熱中していた。かなり。

かっこいい自転車に乗ってアメ村を流す自分が気持ちよかった。
これも今も生きている思想で、
さすがにそこまで思ってないけど、
自転車は靴の延長線上で、やっぱ洒落てるの乗りたい。

せめてEBSいいね!って行って来てくれる方には
ド渋いバイクを届けたい。
車も単車も、乗り物自体が好きではあったけど、
意外にも熱中しっぱなしで、
気づけば同じ乗り物に5年乗ってる自分に気づく。

「ああ、愛着ってこれかあ」

このあたりから
今に繋がる、「長く使えるものを長く使うって素晴らしい」
みたいなところに返ってきて、EBSに出会う。


端折りがひどいけど、書いてたら5万文字になるので
このあたりで。

要は、自転車ってちゃんと使えば
ずっと乗れるぜ!ってこと。
特にシングルは当時の僕でも学びながら整備できたので
ちょいと工具を揃えればみんなできます。

その時に、
あれが良い、これは後悔した。
だからこれが良い、などの
プロならありえない失敗談があるのが僕の強みだと思ってるので
おすすめ工具トーク、輪行袋トークや恋話までなんでもご相談下さい。


そこから続々紹介してゆく
EBSのシングル700C、Kamogawaや
TobiraやGROWNのシングル、
そして今回のミニベロピストに繋がってゆき、
今日もご紹介。

それではまた夜に。

MASN



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