至極の大人ミニベロ。道具で遊び、道具と暮らす。Horizontal 451 Disc TH。

さて、今週もはじまりました
EBSオーナーズバイクチェック。

秋らしい気候、やっぱりみんな乗りたい。
その上宣言明けってことで(徹夜明けみたいに言ってんな)
県外のお客様が続々オーナーとなられており、
これまでメールでのやりとりばかりだった遠方のお客様が
店舗に来てくださりとても嬉しいです。

と、同時にオーバーシーからのツーリング野郎もたくさん来てくれて最高だぜ!!
が、英語力皆無の僕は「予約が優先であんまり喋れねえんだ」
というお断りすら満足に伝えられない体たらく。笑

コロナ前はもっと喋れたんだけど、
やっぱ言葉っていっぱい並べてなんぼだな!
本当に身に沁みました。笑

そんで、今週のバイクチェックは
特別製作シリーズより。
その中でも年に1回くらいしか製作期間を設けない、
オリジナルなバイク作りたい!ってオーナー様向けの
カスタムモデルです。

いつでもご相談、受付できるけど、
製作スケジュールを整える時にしか製作に入れないので
時間がかかります。

急ぎじゃなくて、じっくり待って、
それすらも楽しめるオーナー様向けであります。
とはいえ、このコロナ禍、1年待つパーツ構成もまだある現状。

ある種、どうせ待つなら!とオーダーくださる方もいらっしゃいます。
やりたいこと夢や理想と、ご予算や期間、入手難度などの現実問題を
じっくりミックスしてお話しましょう!



それでは今週からのご紹介は…

Engineerd Bike Service(EBS)
Horizontal 451 Disc/TH

うーん、かなりイカれてますね〜(褒め言葉)
フェンダーにブルホーンという
街乗りではかなり強い組み合わせをしたい!というイメージからふくらんできた
副次的な産物たち。
この「え?そんなにカスタム感ありませんけど?」みたいな顔して
佇んでるのがThe EBS!という感じで最高。
実際そう見せれてると思う。

オーナー様はミニベロを駆るサイクリスト様ですが、
オーダーは初めてで、パーツ構成を細かく決めていただいたのも初めてです。
なので、途中嫌になるくらい型番のお話をさせていただく道のりもありましたが
そうじゃないと産まれなかったミニベロです。

走行に関する細かい整合性はざっくり何速仕様、こんな感じで〜などの流れで
お任せいただくことが多いですが
もちろん自分で乗っていただくバイクなので細かく決めたい!という場合
がっつりお付き合いしますので
嫌にならずに付き合ってくださいね。笑

フレームオーダーって、
実はこのアッセンブルの部分がガッツリおまかせになることも多くて、
例えばこのロードにはオールカンパでしょ!とか
この写真の感じで、色はこれ!だけで終わることもある。
それはそれで最高のものにしますし、ビルダー冥利に尽きますが
せっかくなのでこの際お勉強、って感じで思いっきり参加してもらってもOKです。

この感じでちょっとずつ積んでいく感じは
EBS京都ならではというか、僕のやり方なので
非効率な部分もありまくるので好みはあるかもしれませんが、
「1から決めたい」というご要望は大歓迎です。

このバイクのオーナー様とは
お話の期間だけでもかなり長いお付き合い。
というのも、初めての緊急事態宣言とガッチガチかぶっていて
もう動乱も動乱、パーツない、自転車ない、大手メーカー全部売り切れ(これは今もか…)
電車ガラガラ、散歩すらすんな、息すんなみたいな空気感の中
一歩一歩進めていったオーダーです。笑

そんなこともあったなあ。
と、あのあたりにオーダーされたオーナー様はみんな思ってると思う。
現在進行でお待ちいただいてる方もそうですが、
渦中の中で産まれたバイクはより特別なものになります。
ぜひ、末長く使い倒してやってください。

そんじゃ、フロントビューからいってみよう!

フロントビュー。

スポーツスタイルのミニベロ。
オーソドックスに見えるんだけど、
これ、実はとても軽い。
ディスクブレーキ化の唯一のデメリットは重量増ですが
全く気にならない、むしろ軽さが強調される第一印象。

ちなみにブレーキ位置を可変できるように
先端、フラットどちらでも使えるようにしています。
今は先端のスタイルになってるんだけど、
(UPに時間かかりすぎてるな。笑)
それはそれでより走りに寄せれてとっても良い。

ハンドルまわり。

個人的に好きなブルホーンバー。
牛のようなツノに見える、ことからその名前はもちろんきていますが
強めのクワガタを感じさせる。

トンボ、カマキリ、となぜか日本でのハンドルの通称は虫が多い。笑

このブルホーンは
絶妙な緩やかさでドロップしており、
握ると自然に体にグッと力が入り走る気にさせてくれるハンドルです。
今回は敢えてオリジナルのままハンドルを使用しましたが
EBSではカットして使うことが多いです。
このあたりはご相談の際に
なぜカットするのか、しないのか、ということと共にご説明しますね。

NITTO RB-010ブルホーンバー。

この先端に向かうにつれ緩やかに下がる感じ。
僕は自転車屋さんになる前、10代の頃、
初めてカスタムと呼べるカスタムを自分でしたのはハンドル交換で、
ブルホーンバーが初めて。

それまでトラックハンドルで、それはそれで乗りやすかったんだけど、
アメ村で見た青色ラメのNJSがとても強烈なショートブルで
それがしたくて、でも誰にも聞けなくて探して買ってきた。
単車と同じテンションでハンドル曲げてもOKだと思ってたし、
ブレーキレバーのクランプ径は合ってなかったし、
コカコーラの缶切ってシムにして無理矢理つけてたし(この判断は悪くなかったね)と
まあなんとも「はじめて」の感じ満載でしたね。笑

そして初めてのロングライドで途中ブレーキレバーは外れるわ、
ハンガーノック初体験するわでもうむちゃくちゃだったな。

なのでブルホーンは思い入れがあります。笑

バーテープはBROOKSレザー。

肩下がりの調子はこっちの方が見やすいな。
この形、さすがNITTO、といえばそれまでですが、考えた人ほんとすごいと思う。
めちゃくちゃ乗りやすいからね、これ。

水平のB266aaとかも好きだし、定期的にうおー!266最高!となって
自分のやつ交換したりもする(ブルホーン6本くらい家にある)から
最高はひとつじゃないんだけど、
傑作の一つに確実に入る。

バーテープはお馴染みのBROOKSの革テープで。
カラーはブラウン、使い込むと色素が抜ける部分と締まってくる部分がわかりやすい、
味の出しやすいバーテープです。

ステムはNITTO。

ステムもNITTOで。
ステムってノーブランドのものでもちゃんとつくってるやつであれば問題ない。
でも、1500円くらい足すと日本製、NITTO製のものが手に入る、絶妙にこだわれる部分なので
このあたりは楽しんで選んで欲しいですね。

その1500円ってステム単体で見ると価格的には手頃だけど、
じゃあ、ピラーもNITTO、となるとここもNITTOだなー、となると
まあまあの金額になってきます。笑

そのあたりの絶妙な高級感の出し方はお任せください。
これも最高はひとつじゃなくて、
僕たちで集めている良い感じのパーツ、ありますので。
セルフのカスタムでは
ピラーなどは交換しやすいので、
その辺りの細かいところを
ゆっくりカスタムしていくのも手、なのです。
完璧を求めて乗らない日々よりも
まずは乗り出した明日こそが自転車ライフなのです。

が、一つ言えることは
NITTOのNP(パールステム)は傑作であることは間違い無いのです。

で、その下で赤く目立つレバーは…

Micro Shift サムシフターをコラムマウント。

赤色のレバーはロード用。
このご時世、シマノインデックス互換で11Sまで作ってくれている稀有なブランド。
もう、マイクロシフトってだけでレア感ある世の中になっちまいましたが
このレバーはハンドル用。
もちろん7/8ステムに装着可能です。

SISの右を移設することもギリできる(滅多にやりませんが)けど、
フリクションの左を移設し10枚を引いています。
少しクセのある構成ですが
このフレームカスタムにはこのくらいのクセがないとやられちゃう。
クランプのシルバーの質感も良し。

Chris King Grip Nutヘッドセット。

ヘッドセットはKING。
こちらも1インチヘッドセット界では最高と言われる一つ。
「KING」のロゴが良い!という人も、それこそがなんかいや!って人もいるから
これこそが至高!とは言えませんが
中身に限った話をするなら確実に1インチヘッドではNo1と言えるでしょう。

交換の効くスモールパーツ類が充実しているのはもちろん、
その交換パーツを使うことはほぼ無いという丈夫さ。
クラウンレースなんか硬すぎてまあまず壊れないでしょう。

回転の滑らかさなどはもう文句なし。
ヘッドはかなり重要パーツなので、こだわっても損はないです。
カラーも結構選べるのでワンポイントアクセントなどにもぴったりです。

ちなみに、常に売り切れていましたが
最近やっとシルバーのKINGがリストックされました。
EBS京都ではオーナー様のみのご購入となりますが、
ヘッド打ち替えようかなー、って思ってたオーナー様はぜひ。

オール内装式。

今回のフレームはリアオール内装で。
整備もしやすく、中に導管仕込みで。

引きで見た時に「オーソドックスなミニベロ」に見えるように、
ガチすぎない感じで、というところでしたが、こうして寄りで見ると変態的ですね、やっぱ。
こんなカスタムもOKです。

クランク的にもフロントシングルのみでカスタムが終了すると思わなかったので、
敢えてW分を残して溶接。
グロメットをひらけばすぐにロード化できます。

フラットマウントディスクブレーキミニベロ&スルーアクスルミニベロカスタム。

このカスタムがされているミニベロってそうそうありません。
あってもフラットマウント/QR。
と、いうことは、「先いきすぎて自分で作るしかない」問題が発生し、
何するにも手組みやカスタムが必要になります。

ミニベロってかなり保守的。
これはとてもメリットで、新型がコロコロ変わって出たりしない。

レース機材として使われることはよほどのひねくれ者(褒め言葉)しかおらず、
むしろどれだけひねくれれるかというところも同時に競うので
それはそれでハンドメイドのミニベロの立ち位置としてはありがたいんですが
ことメーカー車にとっては変わらないことは購入側からすると前述した通りメリットです。

2021年モデル!などといったいわゆる
「イヤーモデル」という売り方は今は主流ではないんですが
(もとから廃れつつあったけどコロナ禍により完全に破綻した)
2022も、2023も基本構成が変わらないのがミニベロ。

これは何故か?
・日本の住環境、道路事情にマッチしすぎてて
製造時に海外向けの販路に気を使う必要がないこと。

これが大きな理由ですね。
いろいろ他にもあるけど、これは政治的なお話により
コンプラ入るんでまたいつか。笑

変わらない、ということは
いつでも買い時ということです。
選ぶべきは気に入った色が出てるか、など。
でも、過去カラーがよかった、とかもあるから
やっぱ思い立ったが吉日、なんだよね。

特にここから1年〜くらいのマスプロ車は数がないから、
「タッチパネルで注文できない、一回しか流れてこない回転寿司」
みたいになってる。

サイズ、カラーがハマれば確実に取っておくべき。
もう一周してくるけど、その時はみんなが取ったあとです。

これ、全くEBSと関係がないな。笑
EBSは欲しい人に欲しい数しか作りません。

脱線が過ぎる。笑

PAULのディスクブレーキ。

このフレームは
F100mm/12mm
R142mm/12mmのスルーアクスルで制作しています。

ミニベロは小径ゆえ高回転なので
シャフトが、ベアリングが、ローターが安定することはメリットだらけでした。
走りもシャッキリしてかなり楽しいです。

が、やはり
「20インチスルーアクスルの完組など存在しない」こと(あっても謎メーカー)
が理由で、どうしてもオールカスタムとなりご予算が上がってしまいます。

QRが悪い、デメリットがある!ということではないので
このあたりは使い方などを吟味し、最良のご提案をさせていただきますね。
でも、やっぱロマンあるカスタムなので、
最強の自己満足を求め、世に出回ってないタイプのフレームを作りたい方は
是非ご相談ください。

シャフトはPAULで
ブレーキもPAUL。
機械式ディスクブレーキの最高峰で、
何よりかっこいい。
で、調整が簡単でがっちり効く。

ちなみにフレットマウントのPAUL Kramperは
現在一時生産中止(再生産の予定なし)で
スーパーレアパーツとなりました。

あの時、フルポリッシュでいこう!
ってオーナー様が言ってくれた時の国内入荷予定が最後。
こういうことがあるからカスタムって面白い。
大切に使ってやってください。

ディスクローターはTRPのスリットで。
僕はミニベロディスクを制作するとき
140mmディスクを推奨しています。

160mmがスタンダードサイズですが
十分過ぎる制動力が140で得られますし、
コンパクトですっきり見えるので。

White Industries CLD。

ホワイトインダストリーのCLDハブ。
こちらも最高の一つ。

先ほども言った、ミニベロは高回転である、ということ。
だから、ハブはよく回るにこしたことがない。

ミニベロを作る時に
「軽けりゃいいってもんじゃない」とよく言ってますが、
ミニベロは小径ゆえ、遠心力でゴロゴロ回していくというやりかたが
決定的に苦手です。

そこを解決するのはホイールで、いかにゴロンとまわすか。
そして一度まわり出したパワーをロスせずに伝え続けるか。
ここ意識するだけですぐに走るミニベロになります。

軽いホイールのメリットはもちろんありますが、
ミニベロにおいてはここ、かなり重要。
しっかり組んでおきました。

これはレースとか関係なく、
街乗りで使うなら楽な方がいいじゃん、っていうシンプルな考え。
楽しいことは大前提で、移動にかかる負担をすこしでもなくして、
移動先で遊ぶ、職場でフルパフォーマンスを発揮するための
相棒であり道具なのです。

薄型フェンダー、クラナ。

フェンダーは後編で詳しく紹介しますが、
まずはフロントだけさっくり。

「ドロヨケっぽくないドロヨケ」で、しっかり高級感もある。
綺麗ですね。

いやー、前編だけでかなりやってんなー、という内容でしたね〜。
こんなカスタムもやっぱ良いです。

今回ご紹介のフレーム。

ベースフレーム:EBS Horizontal 451
フレームマテリアル:Kaisei 022 ダブルバテッドフルクロモリ
フレームサイズ:CT520(Mサイズ)約168cm〜
ヘッドサイズ:1インチ/ITA
BBサイズ:68mm/BSA
シート/クランプ径:27.2mm/31.8mm
拡張性:F/Rシングルアイレット、Rキャリア糸巻き台座
ボトルケージ:2個

フレームカスタム

・フラットマウント
・140mmローターディスクブレーキ
・F/R 12mmスルーアクスル
・142mmRエンド幅
・Rブレーキワイヤー内装
・F/Rシフトワイヤー内装(Rのみ使用)
・フェンダークリアランスOK

フレーム追加工のご相談やパイプマテリアルの変更など
フレーム製作ご依頼時にお気軽にご相談ください。
構造の大掛かりな変更は特別製作スケジュールに入りますが
ボトルケージ台座の追加、ダイナモコードガイドの追加など
通常のスケジュールに組み込めるものもたくさんあります。

それではまた来週、後編もガンガンご紹介!
ではでは…

MASN