後編までたどり着いた皆様、
本当にありがとうございます。笑
毎週のオーナー様のバイクチェックをがっつりおやすみしてまで
伝えたかったこの限定版。
数が少ないのでどれだけ早くお伝えできるか、ってところでしたが
このお盆でも実車をご覧いただく機会もたくさんあり
とても嬉しく思っております。
お盆はどうしてもご予約集中してしまい、
お断りするお客様も出てしまい大変申し訳ない。
やっぱり、ランチ前、ランチ後が一番多くなるので
早めのご予約、もしくはゆったり時間ズラしてきてくだされば最高です。
台風も来ていたけど、今これを書いてる瞬間は
なんか一過して晴れに向かってる感じ。
明日の月曜日もやってるので
お待ちしておりますね。
さて、今週で終わってしまうのが少し悲しいくらい良い
グラベルばっちこいなツーリングバイク、STUFF 44。
2種類のジオメトリで展開し、今回はSHIMANOからお声がけ頂いた
グラベルバイクとしての設計もしっかり考えた
軽量高強度国産クロモリではかなりまとまってるスタイリングを
是非手に取っていただきオーナー様となっていただければと思います。
Engineerd Bike Service (EBS)
STUFF 44 (Gravel geometry)
グラベル区間から
ビワイチのようなオンロード区間多めの路面まで幅広くカバーする
オールロードなスタイルなのに、
骨太な「グラベルやってます!」感のないスタイルを意識して組ませていただきました。
僕は純粋なスポーツマンではなく、
インドアもアウトドアも満遍なくこなしたい欲張り野郎なので
こうした結果的にオールマイティーな存在には結構惹かれます。
特に最近ぐるっと海辺を回った時
幅広サイズのタイヤでめちゃくちゃ楽しめたので
最近では自分で一台買い増ししようか迷っているレベル。
何台置くねん!ってなるけど、欲しいもんはしょうがねえよな。
来年に向けて開発中の新作ミニベロも
自分で欲しい形考えてるからすでに欲しい、というかもう乗るから
さすがに何台も買えないけど、
今改めてアドベンチャー系バイクもう一台検討しているMASNです。
今週はサイド、リアからご紹介。
このSTUFF、戦闘力高すぎてほんとおすすめです。
サイドビュー。
もうばっちりのトータルコーディネート。
この仕様にオーナー様独自のカラーを入れてもらって、
細かい部分決めていくだけでも激推しできる間違いない仕様です。
ちなみにENVEのフォーク以外も今回用意しているので
価格的な調整もバッチリです。
使ってみてよかったものだけ紹介させてもらうので
性能的にも信頼の置けるパーツたちで
安心してグラベルに向かえるし、
通勤ロードとしても上質で長く使えるパーツたちです。
フレームカラーはRAW Finish。
まずはフレームの仕上げから。
EBSの展示車は僕が今このカラーが渋い!って思ってペイントしたものもありますが、
基本は選んでもらう時に変に引っ張られたりしないように
サフェーサーのようなグレーやこうした鉄の素地を活かした仕上げなど
あえて溶け込む系のカラーをセレクトしています。
そして逆に人気の出たRAWという仕上げ。
パーカライジングという防錆方法がクロモリに適しており、
これをしておくと表面にサビが出てくることをかなり防げる
手軽で綺麗なやりかたなんだけど、
敢えてその上に色を塗らずにそのままいく、っていうかなりナチュラルな仕上げがRAW。
塗らないってことはその分安価なのでは?
って思うかもだけど、倍の量磨きが入るので塗るより割高です。
その分、溶接している部分がそのまま見れたり、
塗ってない分傷が気にならなかったりとMTBやATB、こうしたグラベルやツーリングでは
人気の仕上げです。
ブロンプトンなどがそうですが、
RAWは限定で出してたりもしますよね。
隅々まで見れてしまうRAW仕上げは
ある種、見せても良い自信の表れかもしれませんね。
今回はその中でもより光を吸収する
Matt RAWでつや消しに。
つや消しは少しポップに仕上がるのですが、
RAWだとより無骨に仕上がるので
極限までシンプルに攻めたい方はおすすめです。
ただ、せっかくなので
カラーを入れてオリジナル追求しても良いかもですね。
サドルはカンビウム、C15のテスト用。
サドルはオーナー様の好みがあるので
テストサドルを取り付けているので
一度またがってみてください。
テスト、って書いてあるだけで
完全に販売されてるものと同じです。
ピラーはNITTO S65。
今回はシルバーエディション、ってことで
シルバーパーツベースで選んでます。
その中でも間違いのないNITTO S65を。
S65を使っている理由は
リアバッグサポーターにありますが、
それでなくとも間違いないです。
精度は抜群、アノダイズの仕上げもめちゃくちゃ綺麗で
一回購入すればまあずっと使えるでしょうね。
GROWNシートクランプ。
しっかり切削で作られていて、
差し込みも深くて固定力抜群。
シートクランプは正直固定できればその役目を果たしますが、
細かいカットなどが全体の印象に左右してくるので
パッと交換できるのにカスタムしがいのあるパーツですね。
やっぱクランクは自転車の横顔。GRXがめちゃ良い。
今回このお話をいただいた時に
シルバー、って言ってもグレー系とかで
光沢ないんじゃないの?って僕が一番思ってたかもしれない。笑
最近はシルバーパーツが少なくなってきていて
黒いパーツばかりか、安価な仕上げで逆に安っぽいシルバーだったりとかで
最新パーツでクラシックに見せたい!ということはもう不可能なのか?
と思ったりしていましたが
SHIMANOさん、ほんとすみません、ナメてました。笑
まさかの一番手間のかかるポリッシュ仕上げ。
しかも国内ポリッシュらしい。
まじで?ってなったもんね。
今は作ってメッキかけたり、シルバー風のアルマイトかけておしまい、
みたいなことになってる中、
磨いてシルバー出すっていうやりかた。
黒のパーツの10倍くらい手間が入ってるので
(黒の方が手間のかかるパーツもあるんだけどね)
正直これだけで僕は買いを決めています。
GRX自体は散々触って、戦闘力知ってますからね。
あとはシルバーが復権したらなー、って思ってたからまじで待ってた。
これからシルバーがまた増えてきたら嬉しいけど、
このタイミング、ご時世に磨きのシルバーだしてきた超大手にリスペクト。
これがぼくたちみたいな少数製作なら「お、スタイルだしてきたねー」で終わるんですが、
世界で戦うメーカーがこれはほんとにレアケースなんです。
シャドーロゴもいい感じ。
確信したチームでこれが作られてるのがわかります。
この、インナーが黒、ってのもめちゃくちゃグッときた。
ここもついでにポリッシュで仕上げることになんの問題もないだろうし、
そっちの方が多分メーカー的には綺麗だと思うんですが、
このカスタム感が純正で出てくるのはなかなかないですよ、まじで。
ギア構成は通常版と変わらず48-31Tのコンパクト。
とはいえ、グラベルだけでこのギア比を独占するのは勿体無い。
今は少しコンパクトなギアでどこでもいける、ってのが良いし、
そもそも全速力で回し切れるギアなんてそこまで使わない。
700Cや650Bで組む時に
このちょうど良さは確実にハマってくれると思いますね。
FDももちろんシルバー。
ここに関しては白系アルマイトですね。
105系のシルバーの派生系だと思います。
SRAMなども上位グレードだけにシルバー系用意してたりと
銀で高級感出す方向性になってるので
こういうトータルコーディネートは
やっぱりグループセットの良さが出ますね。
スタンド台座付き。
ここまでやってあって、フレームにセンタースタンドが取り付けられるのがEBS。
山でも街でも自立することにメリットしかない。
邪魔に感じるシーンがあれば取り外せば良いしね。
ペダルはMKS。
今回は展示用ですが
GAMMAをセット。
ラムダの派生版で、ピンが装備されより食いつきが増しています。
フラットペダルでどこでも行っちゃう僕は
食いつき良い系好きで、同じMKSだと
XCやALLWAYSなども大好きです。
ラムダを受け継いでいるので
反射板も装備されていて、あえてのその感じが調子良い。
ドロッパー内装穴。
グラベルジオメトリのSTUFF 44はドロッパーシートポストの内装化に対応しています。
別にあってもなくても、って感じに思うかもですが、
街乗りでもドロッパーあるとめちゃ便利です。
トライアングルの内外でスリーボトル。
ツーリングバイクはどれだけ気軽にものが積めるか、
になってきますが、
ボトルは全部で3つ載るようになってます。
まずは内側にはふたつ、
ダウンは3穴で大型のケージもOKでナルゲンなどのデカボトルもばっちこい。
シートは2穴でスタンダードに。
あとはダウン下に2穴。
ボトルはもちろん、ツールや重心を低く持たせたいものを
バンドで縛ったりして持ち運んだりも。
ちなみにケージはVelo Orange。
いろんなボトルにフィットするので個人的に好き。
ボトルはSim Worksのものを。
なんか、エグめのプリントが逆によかった。笑
リアビュー。
リアビューも良いよなあ。
結構迫力のあるサイズのタイヤ履いてるんですが、
走ると全然デカくない。
タイヤの進化がすげえ。
バッグ類やラックもガンガン載せられるけど、
その時に応じて容量を変えて
バイクに持たせて楽しく動き回りたいですね。
バッグサポーターはOAC。
このバッグサポーターは従来のシートポスト締結式ではなく、
NITTOのシートポストと合わせることで
上部で保持可能な画期的なサポーター。
特に、シートポストぼ出しろによってはそもそも取り付け不可だった
バッグサポーターをここで噛ませる、ってのは天才のそれです。
Ocean Air Cyclesってバイクショップが
NITTOに別注したサポーター。
どうしても手に入りにくいアイテムではあるけど、
S65やS83ユーザーは使ってみたいアイテムであり、
これ使うためにシートポストカスタムしても良いくらいです。
サドルバッグはSwift Industries。
バッグなどは車体に直接関係はないけど、
こんな使い方、良いと思います、というご提案。
サポーターがしっかり入ってるので
適当に必要なもの放り込んでもしっかり保持、
もしくは旅先やお買い物でサクッと入れていく、なんてのも。
バッグとしてはシンプルな作りですが
形が良いから何も入れなくてもカッコ良いですね。
もちろんもっと大型のバッグにも対応。
必要な大きさ何点か持ってても良いですね。
ちなみにSwiftのこのバッグはハンドルバーバッグにもなるので
前に取り付けも可能です。
RDももちろんSHIMANO GRX。
このRDもめちゃくちゃ配色バランスよし。
しっかり輝きのあるシルバーパーツ。
RDは34Tまで引くことのできるワイドなやつ。
ギア比で言うと0.9あたりまで下げることができ、
まあまあの登坂もしっかり登っていくことができると思います。
僕が乗ってるVOKKAは0.6まで下げられるのですが、
ロードで、純正の公称でここまで下げられるのは良いですね。
フロントシングル全盛でしたが、
僕はこのGRXのセットが出たことにより
またダブルでグラベルの流れが来ると勝手に思ってます。
フロントシングルのトラブルのなさはやはり魅力ですけどね。
いろんな方向からお話して煮詰めていきましょう。
ちなみにワイヤーはNISSEN。
油圧だからケーブルは基本黒ですが、
シフターは遊べるよ!
リアブレーキももちろん。
GROWNローター×GRX Limited。
この組み合わせも間違いないね!
油圧キャリパーでシルバー、ほんとにないから
これは画期的ですよ。
正直これだけで推せます。笑
リアハブもGROWN。
GBというブランドでパーツ展開を決めた時、
このパーツで一台組めば良い感じの性能で、良い感じの価格で組める、
っていうちょうど良さに限界までこだわったものつくりをイメージしてたんだけど、
やっぱり少し価格あがっちゃった。
お盆明けにはあるメーカーではかなり大きな値上げも発表されており、
またひとつ、長く使える自転車、ってジャンルへのご要望が増えそう。
正直、これからは買い替え前提で消耗品としてフレームを買うなんてことは
もうなくなるでしょうね。
いくらなんでも消費的すぎる。
ハブとしての性能は確実にお値段以上。
これは使うとすぐにわかるレベルで良いです。笑
最後にクロモリ番手のご紹介。
STUFF 44はKaisei 019を使用しています。
日本製の自転車専用クロモリパイプでは
国内で一社のみのKaisei社。
過去には他にもあったんですが、
コスト面で合わずに生産を海外に。
僕たちEBSも日本の京都で、主に日本を走るための自転車を作っているので、
この環境に製作段階で順応したものを使いたかったり、
やっぱり日本を応援して、僕たちも応援されたかったりと色々あるけど、
やっぱ「良い」から使いたい。
Kaiseiのパイプはマジで良いです。
Kaisei 019。
クロムとモリブデンを添加して
自転車に適した強度を出したパイプ。
この「クロモリパイプ」というもの自体は
めちゃくちゃ一般的で、かなりたくさんの自転車に使われてる。
4130、とか書いてあるとクロモリですね。
それが全てのパイプに使われているか?
という点においては信用問題だけど、
だいたいフルクロモリって書かれてるものはフレームはクロモリです。
フォークはまた別途。
EBSでは指定やオーダーでない限りKaisei社のパイプを使用し、
より上質な素材セレクトをしています。
昔はこの019がスタンダードだったんだけど、
今は価格の問題などから022がスタンダードになってますね。
ランドナーやツーリングバイクに採用されている
019パイプは
強度が必要な溶接面などは厚みを持たせて、
しなりが欲しかったりその部分には負荷がかかりにくくより肉薄にできる
薄い部分と一本のパイプで厚みが可変しており、
厚→薄→厚と2回変化するパイプを
「ダブルバテッド」と呼びます。
これが厚みの変わらないパイプだったら、
一本まるまる使えるんですが、厚みが変わっているのは
真ん中だけなので、その部分だけを贅沢に使用することで
強度と軽さを実現できる、と言うわけですね。
パイプの薄さ。
厚みのある部分で0.8mm。
これでも十分薄いというか、その薄さでOKなのかと疑いたくなるような肉薄。
が、これがクロモリの良さなんですね。
クロムモリブデン鋼はその加工のしやすさ、素材自体の寿命(70年)から
これ以上に自転車に合う素材はないと言われている素材ですが、
この薄さで25.4mmの1インチパイプで組んで
最も細身なクラシックを作っても現代で長く使っていけるという
強度が魅力です。
ちなみに薄い部分は0.5mm。
よく使うシャーペンの芯くらい。
この薄さになってくると
しならせてパワーを伝えたり、逃したりということができ、
それが乗り味に直結します。
EBSのチーフビルダーは長らくクロモリに乗ってますが、
硬さをうまく調整するのがめちゃくちゃうまい。
ガンガン走りたい人は硬めに作ることができるし、
乗り味重視の方や、ゆったり乗りたい方、
がっちり乗ってきたけど膝など労りたい方などにも
しっかり長く楽しめる設計が可能なのがクロモリの魅力です。
僕も当然鉄フレーム好きでEBSにいるのですが、
正直入った時は細身な見た目が好きなだけ、それで良いと思ってましたが
僕もチーム内で歳を取り、
しなやか、かつ乗り心地が良い自転車がいかに大切か理解できてきています。笑
腰をちょっとやってしまったり、
家族が増えてそっちに割く時間が増えて
スポーツの中でもかなりライトな乗り方に変わって行ったりと
この短い間でもほんと色々ありましたが
これにフィットしてよりそうクロモリフレームはやっぱり好きですね。
チタンやステンレス、アルミやカーボン、
全部好きだし全部持っていたいけど、
やっぱ強烈に惹かれるクロモリフレーム。
日本には競輪などもあり、
クロモリ素材のフレーム技術はかなりのもの。
世界に誇れる自転車作りしたいですね。
その中でも019はかなりバランスが取れており、
今回のようなグラベルツーリングなSTUFF 44も、
完全クラシックツーリングなHOBOも019、
純粋なディスクロードであるNEEDLEも019。
パイプ内径なんて出来上がったら証明不可能なので
ちゃんと使った分だけ供給されるKASIEIステッカーが
和牛のA5みたいな証明になるんだけど、
EBSはばっちり、フルクロモリフレームです。
いやー、三週間に分けて長くご紹介させていただきましたが
STUFF 44、EBSのカタログラインナップ外ながら
かなり良い出来です。
グラベルロードやツーリングロードだけの使い方だけではなく、
店頭にはコミューター的ポジションでグラベルも楽しめる仕様も
作ってあるのでそちらもご覧くださいね。
STUFF 44のグラベルジオメトリーは
各サイズ2本限定の製作でしたが、
あとはSサイズとMサイズが各一本、
これ以後はこの設計での販売はフルオーダー製作となり
価格がグッとあがってしまうので今回だけの限定制作だと思ってください。
来年の春に向けて
ツーリングジオメトリ版も製作予定で、
こちらは一旦通常販売(1ロット5本くらいですが、、)しますので
ホリゾンタルフレームで現行のグラベルフォーク使いたい!
って方はこっちもよろしくです。
GRX自体が個数限定なので
オールコンプリートで組める数はより限られてしまいますが、
特別なモデルとなることは間違いない、ってのと、
何でもかんでも値上げして、何でもかんでも納期未定の今、
すでにコンポを持っている、ってのはかなり強いです。
最短で2ヶ月ほどで納車可能ですので
スポーツの秋、紅葉グラベル散策などしたいかたは是非、です。
来週も店頭販売車紹介するかも、なんで
オーナー様はいましばしお待ちいただければ、、
ではでは。
MASN
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