VOKKAは、
オールドマウンテンバイク×現行規格の自転車。
今週から復活の
EBS KYOTOオーナーズバイクチェック。
ここ2ヶ月くらいでフォローしていただいたり、
知ってくれた方は
このブログ全然更新しねーな!
ってなってたかもですが
今週からまたよろしくお願いします。
オーナーズバイクチェックとは、
私MASNが組ませていただいた
EBSやGROWN、Tobiraなど
EBS製作のバイクを
ご紹介させていただく記事となります。
最高にイケてるバイクを紹介して
EBSをもっと知ってもらいたい!
って気持ちはもちろんあるんですが、
このバイクチェックはそのバイクの
オーナー様のためにあるようなもんで、
「いつでも新車の頃に戻って来れるアーカイブス」みたいなノリです。
自転車とカメラって結構相性が良くて、
多分納車させてもらったオーナー様は
1枚くらいマイバイクおさめてると思う。
そのあの頃の気持ち、
みたいなのにいつでも戻って来れる
ページをなんか用意したくて始めた、というわけ。
バイクのスタイルなんて
日々どんどん変わっていって、
そういやあの時あんな感じだったな。。なんて
思い馳せてくれれば最高、な
オンラインでの納車式みたいな感じですし、
今から組みたい!って方にも参考になるような
ページにもなればまた最高、
という感じなので、
これからもよろしくお願いします。
ちなみに毎週木曜日20時にUP予定です。
ちょっとお腹いっぱいになる文字量かもですが、
毎週見てください。笑
今週のご紹介はVOKKA。
オールドスクールな
MTBやATBを彷彿とさせるスタイルですが、
今回はしっかり街乗り要素と
MTB要素を落とし込んだ
かなりスムーズに街を走る仕様です。
今週のご紹介は…
Engineered Bike Service/EBS VOKKA
ご紹介はEBSオーナーM様の街乗り×MTBなVOKKA。
VOKKAといえばクランカースタイル!ってくらい定着していますが、
こうしたゆったり街乗りなスタイルも可愛いし、
リジッドMTB/ATB本来の走破性、現行のスリック太タイヤのシルキーな乗り味は
山やグラベルのためだけには勿体無い、街乗りでも是非使ってほしいスペックなのであります。
VOKKAの基本仕様。(2023/2時点)
フォーク仕様 | フレーム仕様 | 推奨仕様 |
---|---|---|
15×100mmスルーアクスル | 12×142mmスルーアクスル | フロントシングル |
左右フォークマルチケージ穴 | ボトルケージ穴×2 | 27.5×2.3までのタイヤ |
フォーク中間糸巻きダボ | センタースタンド台座 | |
ダブルアイレット | オーバーサイズヘッド | |
シングルアイレット |
フレームマテリアル | 内径変化(バテッド) | パイプ内径 |
---|---|---|
Kaisei 022 フルクロモリ | ダブルバテッド | 0.9mm-0.7mm-0.9mm |
EBSハンドメイドのフレームたちはKAISEI社、
国産最後の自転車用クロモリパイプ製造メーカーのパイプを使用しています。
このなんでも安価に作る時代、しかもそれが高額化している時代。
ある種、国産パイプという選択肢は贅沢でもあります。
しかし、日本製を応援したい、とかそういったことは完全に置いておいて、
自分が使う時に満足のいく道具か?
本当にそのパイプはクロームモリブデン鋼(クロモリ)なのか?
という自身が思いっきり楽しむためのロマン追求においても間違いのない選択肢なのです。
KAISEI社はその昔から高級パイプの位置付けであり、
その評価は国内外今も変わらずオーダーが入るようですが、
いつまで作ってくれるのか、、というところでもあります。
上質なクロモリパイプで日々を送りたい方は是非、です。
毎週するご説明ではありませんが、
今週は久しぶりなのでパイプ内径のお話でも。
KAISEI クロモリパイプとは。
KAISEI社には多数の自転車用クロモリパイプのラインナップがあり、
EBSで最も使用することの多い番手がこの「KAISEI 022」というクロモリパイプです。
024や022、019や017と番号が振ってあるのですが、
基本的に「番号が若くなれば軽く」なります。
パイプセットを自転車用に切り出して溶接した時に
2400gや2200gにだいたいなる、というのが由来らしいんですが、
これはサイズや作り方でかなり左右されるし、目安で考えてもらえれば。
実用車などのヘビーデューティーな車体には最も丈夫なKAISEI024、
ロングツーリングバイクやタウンユースにはより軽量なKAISEI022、
ツーリングロードやより動きのあるバイクにはさらに肉薄化したKAISEI019、と
フレームや使用環境によってパイプをセレクトしています。
KAISEI 022クロモリとは。
ではこのVOKKAをはじめ、最も多くEBSで採用される022とは?
なぜ022なのか?といいますと、
「軽量で丈夫」という本来相反する部分をかなり高次元で両立しているからです。
10年、20年使えるバイクに乗りたい、作りたいとなれば
ただただ分厚いパイプを使えば良いのですが、
それじゃ楽しくない。
やはりスポーツバイクとしてしっかり楽しめること、これが大前提で
必要な部分に強度を、しなりや軽さの欲しい部分には削り込みがしっかりされているのが
「KAISEI 022」なのです。
ダブルバテッドとは。
このダブルバテッドという工程にとても手間がかかっており、
外から見ると一本のつるんとしたパイプなのですが、
中を覗くと[厚い→薄い→厚い]と内径に違いがあります。
それこそがクロモリフレームの「しなり」などを生み出すとても大事なもの、バテッド。
ダブルバテッドとはその内径変化が2回あるものを指します。トリプルとかシングルもあるよ。
なんで厚みに違いを持たせるか、ってのは
溶接強度の必要な端部はしっかり厚みを、
少しでも軽くしたい部分は削り込んで軽量化するためです。
結果的に前述の「しなり」が生まれて、うまく振動吸収してくれたり
(これだけでそうなる訳でありませんが)
鉄なのに「軽い!」と感じる乗り味に仕上がるという訳です。
EBSではたまにパイプマテリアルを変更した特別なモデルを製作していたりするので、
より軽いものが欲しい!などのご相談はいつでも、です。
全車種で、なのでレアリティは高いですが、
年間で5本くらい特別モデルの製作があります。
というより、KAISEI022自体がかなりハイグレードなので、
人生に一度はやばいクロモリを、というところです。笑
VOKKAのフレームサイズ展開。
フレームサイズ | シートチューブ長 | 身長目安 |
---|---|---|
S size | 480mm | 155cmくらいから |
M size | 520mm | 165cmくらいから |
L size | 545mm | 173cmくらいから |
フレームサイズ展開は3サイズ、
2022年より待望のSサイズを加えた展開です。
適応身長は目安となりますが、うまくサイジングしますので
お気軽にご相談くださいね。
フレーム価格 & コンプリート価格。(2023/2時点)
コンプリート設定 | 価格(税込) | 主な仕様 |
---|---|---|
Frame & Fork set | ¥132,000- | フレームとフォークのみ |
Basic Complete | ¥294,800- | 1×8 Speed/クランカーバー/ハイグレードタイヤ ペダル、グリップ、サドル選択可能 |
Custom Complete | ASK | 11、12速化や ハンドル、ラック、フェンダーなど1から組みたい方。 |
コンプリートの仕様はこんな感じ。
ベーシックから少しカスタムされる方も、がっつりカスタムされる方も、
一番お得な方法を探してきますので、じっくりご相談ください。
ちなみに、2023年のVOKKAの製作残り本数は早くも残り3本となりました。。
製作開始時期は今夏、秋頃の納車を目指せるスケジュールの予定です。
仕様表。
部位 | ブランド | パーツ |
---|---|---|
Frame | E.B.S | VOKKA |
Fork | E.B.S | VOKKA |
Handlebar | BEAM | Promnade |
Stem | Veno | Hi Stack |
Grips | GB | Made ITALY |
Brake Levers | Diacompe | Tech-77 |
Shifter | SRAM | X5 9s |
Head set | TANGE | TG36 |
Brake | Avid | BB5 |
Seat Post | N/B | |
Saddle | Velo ORANGE | touring saddle |
Frame Protector | GROWN | very short |
Seat Clamp | N/B | |
Crank | Sugino | RD2 Limited |
Chainring | Wolf Tooth | Drop stop 38T |
Pedals | MKS | Rambda |
Wheel set | SHIMANO | MT series |
Tire | TERAVAIL | Rampert 650-47 |
Fenders | HONJO | Smooth 62 |
Cassete | SHIMANO | CS-HG90 |
RD | SRAM | X5 9S |
Wire | NISSEN | Clear Black |
Front rack | NITTO | M-18 |
Basket | WALD | 137Basket |
フレームカラー。
フレームカラーは十数年続いているスーパーロングセラー、
メタリックのかなり効いた奥行きのある「EBS Purple」。
このカラーはFLOAT シリーズで多く採用されてきたカラーですが、
もちろんVOKKAにもOKだし、めちゃくちゃ似合ってて最高。
夜はブラックかのような光の吸収加減もあるので
1日で2スタイル楽しめるし、
全体の調和を大切にした目立たせすぎないオーナー様のチョイスが光ってて、
街での駐輪、佇まいもレトロなオールドMTBを街乗り仕様にカスタムする、という手法を
現代の新車で表現した長く使える一台だと思います。
VOKKAを前から楽しむ。
改めて前から。
このバイクを組ませてもらった時はフェンダー(ドロヨケ)の入荷が遅れていて、
フェンダーレスのスタイルも写真に収めてるのでそちらもご紹介。
うん、こっちも良いですね。
すっきり見せるフェンダーなし、、と思いきや
フェンダーありでもブラックのタイヤにブラックのフェンダーを載せることで
見た目の重さを出さずに野暮ったさもなく、高級感のあるナイス仕様。
ゆったりプロムナードバーで街乗りMTBをスタイリング。
フロントはゆったりハンドルの構成なんだけど、
今メーカーからよく出ている焼き入れの硬めの素材で幅広のプロムナードバーではなく、
片側5cmくらいぐっと内側に入ってくるタイプのハンドルバー。
これが狭い、ってわけではなく、
グラベルなどにも使えちゃうようなハードで幅広のものが多くあるからそう見えるだけ、で
このくらいの幅が駐輪場などで抜群の取り回しやすさを発揮します。
あえてチープなPVCグリップはイタリア製。
とってもリーズナブルなんだけど、これにしか出せない存在感です。
フロントラックはNITTO。
今はパッと気軽に購入できる数ではなく、入荷即完売のNITTOさんのアイテム。
さすが!といいたい部分もあるけど、やっぱバスケットって急に欲しくなるから、
つけたいと思ってすぐに買えちゃう世の中、またきて欲しいね。
上に載せたバスケットはWALDで
やっぱり本当にちょうど良い形。
オールドMTBなどをカスタムする時も定番となりますが、
VOKKAには足を短く、すっきり見せられる穴が標準装備で、
2023年のモデルにはさらに取り付け穴が増えているので
まあ、だいたいなんでも取り付けOK、という柔軟性があるので
まずは何もつけずに乗ってみる、ってのも間違いないです。
VOKKAをサイドから見る。
このオーソドックスな形がやっぱいい。
昔からあるけど、素材や規格は新しい、ってのが最高!みたいな方、多くいるはず。
例えるなら、iPhoneは昔の形が好きだけど、
中身はハイスペックに入れ替えれたらなあ、みたいな。違うか。
MTB的にハードにも組めるVOKKAにまるみを持たせる。
マウンテンバイク的な要素を多く含むVOKKAだけど、
荷物を載せたり、駐輪場の環境に配慮していたり、
雨の日でもOKだったり、最小限のギアで軽さを出したり。
EBSのフレームは「絶対にこうしてくれ」という制約はないので、
こうしてオーナー様のスタイルが色濃く出ますね。
今回はVelo ORANGEのサドルが色濃く効いてて、
しっかり扱いやすいダブルレッグのスタンドで街乗りばっちこい。
ですが、そうした山の自転車、全地形な側面もしっかり残していて
山や林道のでこぼこでもチェーンが外れにくいナローワイドギア、
どこでも走れるオールロードタイヤを太め、スリックで、
走りに行こうと思えば林道ライドなんて余裕だし、
そうしたエリアで力を発揮する装備は街でも活躍。
チェーンなんてできれば外れない方が良いし、
太めのスリックなんてまじでシルキーライド。
このタイヤは歴史上確実に名作入りすることでしょう。
例えば京都なら鴨川の砂地エリア、御所の砂利エリア、
雨の日のグレーチング(注意は必要ですが)なども安心感があり、
このVOKKAが全地形自転車だ、ということが改めて感じられると思います。
VOKKAを後ろから眺める。
僕は、この3方向からだとリアビューが一番好きです。
車は前からが好きなんだけどなあ。そういや単車もそうだわ。
なんでだろ?笑
自転車って並走気味に走る機会が結構多い乗り物で、
後ろからのルックスに馴染みがあるのかな。
いや、この考察いらねーわ。笑
ダブルレッグでバチン!と正立するこの佇まい、最高。(まだ言ってら)
ちょうど良い変速段数に、安心感のあるブレーキ。
荒地走破系のバイクは
そのピーキーな道を越えていくために結構極端なセットアップになりがちなのですが、
街乗りMTBなコーデでは不必要な装備は重量増。
同じ重さならより丈夫に、より便利になった方が良いですよね。
KAISEI 022の証もばっちりで、
このステッカーはパイプセットにつき何枚、という送られ方をしてくるので
無駄に貼ったりすることは厳禁、というか足りなくなるので
牛で言えばA5とか、果物で言えば、、みたいな
どれにでも貼ってあるわけではない、認められた証となります。
変速機の構成は9段変速。
このSRAMとSHIMANOの組み合わせはリーズナブルですが秀逸で、
カセットは軽量なハイグレードなもの、それでいて若干のワイドレンジで坂道にも強く、
8段や9段のパーツはどこでも手に入りやすく、それでいてお手頃なので
ランニングコストも抑えられるナイスチョイスなのであります。
このあたりはその時一番良い!と思ったものをおすすめしていますので、
ご相談時に使い方などお伺いしますね。
ブレーキ規格はディスクブレーキ。
個人的には制動力には結構こだわって欲しいところで、
(最近制動力不足を感じた出来事がありました。笑)
やはりどこでも走れる、と言うからには雨だ、雪だと関係なく
安定して停まれることが最重要。
どれだけ速くて軽くても停まれないのはファイナルデッドコースター。
ディスクブレーキにも色々あるけど、
昔使えねえ!と酷評されていたアイテムやブランドは
今かなり良くなっていたりするので
情報に惑わされず、良いものをご予算に合わせてチョイスしていきましょう。
最後になっちゃうけど、フェンダーは本所、メイドインTOKYOのハンドメイド。
こちらも泥除け専業としては日本最後のブランドで、
世界中で評価されていて、マジでナイスな作りなのでみんなで取り付けましょう。笑
取り付けには加工が必ず必要になっていますが、
裏をかえせば何にでも加工で取り付けられる可能性があるってこと。
日本のクラフトマンシップ、火を絶やさずにいきたいもんですね。
このバイクの製作秘話。
このバイクは、
めちゃくちゃビンテージな自転車に乗っておられたオーナー様に
新たに製作させていただいたバイク。
今は直してそれも乗っておられると思いますが、
いよいよ限界か、、ってくらいギッシギシだったことを覚えています。
修正不可くらいホイールが歪んでいて、取り急ぎフェンダー無理やり叩いて直した記憶。笑
リアラックの取り付け相談もあったんですが、
昨今、イケてるラックが高額になりすぎておすすめしにくかったりと
なかなか悩ましかったですね!
メンテナンス、カスタム。またいつでもご連絡くださいね。
VOKKAの製作状況。(2023/2現在)
2023年製作のVOKKAは
なかなかの製作台数だと思っていたのですが
残り本数は3本です。
この3本で今季は終了となり、
時期製作は2024年となる予定です。
製作としてかなり近しいところにいる
GROWNのHey JoeはEBSやGROWNの販売協力ディーラーショップにお任せしていますが、
EBSやGROWNのハンドメイド専門店であるEBS KYOTOも何本か取って来れそうなので、
VOKKAかHey Joeかで迷っている方もご相談ください。
EBSのオンラインストアでも受注状況が確認できますので
こちらも併せてよろしくお願いします。
コンプリートもカスタムもご相談ください!
VOKKAはこんな方におすすめ!
・水平なデザインのフレームでスポーツしすぎないものが欲しい!
・レトロな佇まいだけど、よく見ると最新規格なものにグッとくる!
・オールドMTBを探していたけど、古すぎたり、レストアそのものにお金をかけるのは嫌だ。
・クランカーハンドルの似合う自転車が欲しい。
・前後にラックを取り付けてキャンプツーリングがしたい!
・安心感のあるスポーツバイクが欲しい。
・通勤路やエリアに非舗装路がある。
・林道や里山をゆっくり楽しんでみたい!
これが全てではないけど、VOKKAやHey Joeのオーナー様に
ご相談聞かせてもらって、多かったご要望の根幹がこんな感じです。
一番大切なのは、好きな自転車に乗ること。
これが最も重要で、
忘れがちだけど自転車ってかなり多くの人に思いっきり密接している乗り物。
ビニール傘みたいに普及しているだけに、「なんでもいーや」ってなっちゃうけど、
そこまで、ここまで行く、という行程には自分が蓄えてきたエネルギーを使用します。
年間で、人生で幾千と訪れるその機会、
ギッシギシの錆びたチェーンで、100出したパワーが20しか使えてなくてめっちゃ疲れてる、
みたいなのは、自転車に乗る人それぞれにある「これがしたい」みたいな
最終目標にとってなかなか無駄なのかな、と。
よく例えますが、人生寝ないといけないから、寝る時間は上質に、みたいな感じです。
まあ、思いっきり拡大してお話ししていますが、(笑
長く使える自転車を長く使っていく、ってのは、自転車が必要な多くの人にとって
1日がちょっぴり良くなると思って日々ご紹介、お話させていただいております。
私EBSのMASN、週に2回しか店頭に立っておりませんし、
ご相談自体がご予約制という生意気に見えてしまうスタイルなのですが、
「自転車が好き」で、「別に選手じゃない」なだけのただの男なので、(笑
街乗りや遊びで使う自転車にはかなり寄り添えると思っています。
メール、いつでも大歓迎です。毎日、いつでもご相談くださいね。
それではまた。
Engineered Bike Service/MASN
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