カーゴバイクに上質を持ち込む。
EBSではセール真っ只中のこのG.W前、いかがお過ごしでしょうか。
僕のG.Wはこれまでの人生で最も遊ぶ時間が取れるG.Wになりそうです。
今ちょっと諸事情ありで自転車屋にあるまじきマイバイクがない状態なんですが、残念ながらG.Wには間に合わず、、
春とか、秋とかに間に合わせたい!ってオーナーの気持ちはとってもよくわかってるつもりだったけど、さらに沁みました。笑
でも、せっかくのお休みがある、というより毎年あるんだけど、今年はめちゃくちゃ久しぶりに仲のいい連れと同じタイミングで休みが取れたんだよね。
ってことで、EBS以外の自転車に乗ってトレイルライド行ってくるのでまた違うフィードバックが得られそうです。
トレイル+平坦舗装路50km〜という色々できるバイクで行く必要があるんですが、僕は車種を知らされていません。笑
初めて見るバイクであれこれしてこい、は
YOUTUBEとかあったら結構面白い企画だと思うけど、EBSではそれに割く時間を設けていないので残念ながら。
経験が今後EBSでの組み上げに強烈に影響してくる可能性がありますが他社さんのバイクは確定なので非公開です。笑
今週はセールをより掘り下げた記事を書こうか、って思ってたんだけど、オーナー様のバイクチェックを書かせてもらうことにしました。
来月で2021年の製作は全部紹介が終わると思うんだけど、いくらなんでも時間かかりすぎだろ、ってことで。笑
そんじゃ、今週のご紹介は…
Engineered Bike Service(EBS)/ I’s TURN -Super Cargo Custom-
このバイクはご夫婦で組んでもらったバイクのもう一台。
後ろのNEEDLEは紹介済みで、納車も早かったんだけど、TURNは時間がかかるのと、かなり色々手を入れたので余計に、、でしたがばっちばちに仕上がっております。
NEEDLEに惹かれてしまった方はこちらもどうぞ。笑
ちなみにこの仕様のNEEDLEはラストバッジを終えていて、EBS KYOTOにMサイズがあるのみのラスト1本です。
フレームサイズ展開。(2023/4現在)
フレームサイズはワンサイズ展開で、かなり幅広い方に乗っていただけるような設計です。
具体的に言うと、153cmくらいからかな。
180cmの方にも乗っていただいているんですが、セッティング次第でばっちり出ます。
が、よくオーダーいただく夫婦共用などは極端なセットアップができない可能性があります。
フレームカラー。
TURNは日本的な感性のカーゴバイクだったり、子どものせ自転車だったり、ワンちゃん乗せだったり、飲食店の看板バイクだったりと製作イメージが前提にあって製作するバイクであることが多い。
ロード!からのグラベル!とか、ミニベロ!からの小径シングル!とかはお話の中で変わっていくのは必然、だけど、「じゃあTURNにしようかな!」ってことは数少ない。
キャラが立ってる自転車だけにそれは当然っちゃ当然ですが、今回はバッチリ、カーゴバイクとして。
前提条件としてポップな方向性になりやすいこともあって、明るめのカラーでビビッドに!ってことが多かったけど、今回は艶ありのシャンパーニュカラー。
そこからのブラックのパーツでグッと締めて、海外SUVのカスタムのようなスポーツMIXの高級感。
これが家の前に停まってるとかなり渋そう。
シャンパンゴールド系は個人敵に好みで色のレシピしっかり置いてるのでどの車種でも再現可能です。
TURNを前から見る。
安心感のある太めのタイヤ、なんでも載せられそうな前後ラック、アップライトなポジション、と、乗りやすさに振ったバイク、、と思われる中に強烈に走るパーツや長寿命ハイグレードパーツ、カスタムカラーなど抜かりなしな仕上げにグッときますね。
しっかり幅のあるタイヤで安定、積載も得意なナイスセット。
タイヤはBMX用のもので、CULT×VANSのWネームタイヤをセレクト。
あの靴の裏側、として馴染みしかないけど、このワッフルパターンが表面に出てくるとめちゃくちゃ可愛いですね。
タイヤの性能そのものはしっかり蹴り出せるような感覚で、長年人の足を支えてきた実績をすぐに感じ取ることができます。
ブラック×ブラスゴールドの絶妙な相性。
足回りではしっかり幅広いタイヤを受け止めるVELOCITYのリムに日本を代表するスポークメーカー「星スポーク」とSim Worksのコラボで生まれた絶妙な色合いのスポーク。
このスポークは基本的な性能は変わらず、処理をする過程でこのような色に反応する、ってのをそのままにしたいわゆる「RAWカラー」みたいな仕上げ。
結構派手に見られがちでみんながみんな欲しい!ってスポークではないけど、高級感をしっかり出せて、かつ日本製のスポークってのはかなり良い選択肢の一つだと思いますね。
ダイナモハブはいつものシャッタープレジションのものを。
EBS KYOTOではSONよりも圧倒的に着用率高いですね。
TURNオーナーはぜひここにフロントライトを。
TURNはトップチューブがズドンとまっすぐ入っていてかなり特徴的なフレームワークです。
通常、ライトを取り付ける台座はフォークの中央か、ラックの下とか、簡単なものでいえばゴムバンドで留めたハンドルマウントなどが通常。
でも、TURNはこの形状だからこその「先頭にライトをマウント」できる。
やるしかないよね。笑
ちなみに、TURNのフロントラック取り付け方式は「フレームマウント」という形で、一般的な「フォークマウント」とは違います。
この写真のように、ハンドルを切ってもラックは真ん中にあるまま。
ママチャリがフォークマウントだから、慣れてるだけにはじめはクセありだけど、慣れれば荷物の重さでハンドリングの具合が変わらずいつでも同じ乗り味、重さも感じづらく楽しく乗れますよ。
ライトはBM社のDoppo。
オーダー当時、ダイナモライトの中ではかなりリーズナブルで1万円を切るナイスライトだったんですが、今は1万円余裕で超えます。。
今回のバイクのテーマにしっかりハマっていたのはこれだったのでセレクト。
ダイナモライトは本当におすすめなので、ライトを綺麗に収めれるバイクなら入れて損はないです。
ロードバイクなどの用途では回転効率は流石に下がるので、より回るハブをセレクトしたり、そっちの方向性を切ることでより良いものになったりするのでそれはオーナー様それぞれ。
いつでもご相談くださいませ!
ブラック×本革パーツのこなれた大人自転車感。
今回使用しているハンドルバーはNITTOとEBSのダブルネーム、「EBS-20」のオールラウンダーを。
ライズのない幅中広ハンドル、その上で長めのグリップ、シフトレバー、ブレーキレバーがしっかり収まるように設計しています。
かなり形状の似たハンドルがあるんですが、それは26.0mmクランプなので、ノーマルに使える25.4mmクランプを採用しています。
ステムは同じくNITTOのテクノミックの280、TURNなら皆様使っておられるステムですが、この長さにブラックの設定はないのでアルマイトはこちらで黒染め。(実はあるんだけど、ある車種専用の純正品になっていて手に入らない)
TURNを横から眺める。
2023年前期のEBS KYOTOオフィシャルウェブサイトの表紙になっているこのTURN。
ランダムスライドにしようと思ってるんだけど、クロップがバラバラで全然進まない。笑
今回は別注でリアにバスケットを載せられるようにしているんですが、かなりバランスいいですね。
絶妙に落ちないようなセットアップにするの苦労しました。笑
ダブルレッグスタンドをセンターに入れているんですが、写真がなぜか撮れていないのでここで紹介。
今回のようにセンターのみで構成する場合はいつでも取り付けが可能なんですが、オプションの両立スタンドを指定する場合は事前のご相談と注文が必要です。
これはフレームの構造そのものに関わってくるため、ですが、チャイルドシートなどの運用が想定されなければ無くてもOKです。
サドルもしっかり本革のBROOKS。
スポークのなんとも言えないブラスゴールドとの相性抜群なBROOKSのSP版に採用されているカッパーメッキ。
そのほかにも銅の鋲だったり、サイドカットが手作業だったりとハンドメイド満載なBROOKSですが、ここにしっかり着目してカスタムされているのはグッとくるポイントですね!
GBのシートクランプはどんな車種にもしっかりマッチしていて最高にいい。
オールブラック×ハイグレードで長く使えるセットアップ。
現在ではちょっと価格めちゃくちゃ上がってしまっているSUGINOクランクですが、丈夫で、精度が高くて、ってのは間違いない。
当然、価値があるから価値がついていくわけですが、リーズナブルに組みたい場合は少しセレクトが難しいクランクになってきました。
クランクは自転車の横顔であることは間違いなく、できるだけいいものを使いたい、ってのはあるんですが、ブラック、シルバーともにいい感じのクランク見つけてきているのでしっかり選べる幅があります。
今回はチェーンリングガードをセットして衣服のスレのストレスをちょっぴり低減。
ペダルは三ヶ島ペタルとSim Worksとのコラボ、Bubblyペダルを。
踏み面が大きいので漕ぎやすい、トリプルシールドベアリングでメンテナンスフリー、そして何よりカーゴバイクの¥ボリュームに負けない迫力はやはり大型ペダルをセレクトする第一理由になりますね。
TURNを後ろから愉しむ。
リアバスケットがかわいさも表しているナイスバイク。
このバスケットはフロントでは横向きにセットすることが可能で、アイデア次第でいろんな使い方ができます。
フロントは2段の枠を設けてあるので高さのあるものも載せられるし、バスケットを入れて安定感抜群のカゴにも。
リアはバスケットバンドを併用して使いやすくなるようなイメージで組みました。
特注の縦型ラックでリア積載をUP。
リアのラックは別注品。
強度を保った上で前後共用にすることが若干難しかったですが、ばっちり同様のサイズで縦横共用に。
リアラックは標準品が用意されているのでそちらもおすすめですが、こうした形がお好み、使い方に合っている、という方は別注製作いたしますのでお気軽にご相談下さい。
しっかり高水準な制動、回転、変速性能。
今回は夫婦のもうひとつのバイク、NEEDLEとお揃いに。
油圧/機械式のハイブリッドブレーキであるJuin TechのオールブラックにWhite Industriesのハブでホイールは抜群によく回るし、しっかり停まることができます。
変速機はチェーンステーの長いTURNやLEAF LONGではめちゃくちゃおすすめしていたSHIMANO ZEEのものを。
これが至高、ってわけではないんですが、20インチの406規格のホイールは最低地上高が低くなるメリットがある分、RDの取り付け位置もかなり下にマウントされており、大きな歯数で軽くセットアップしたい時などは36Tまで飲み込めてSSゲージのこのZEEが最高に使いやすかったんですよね。
なぜチェーンステーが長いバイクでZEEなのか、と言う点についてはクラッチ付きであること。
MTBのRDなどでは採用されているチェーン暴れを少なくできる機能なんですが、これがTURNやLEAF LONGにめっちゃハマっていて乗り味UPがわかりやすかったから。
残念ながらもう手に入り辛くなっていますが、これはあくまでカスタムで、ロードのRDでもばっちりセットできるようにしてありますのでご安心を。
今、ZEE使ってる方は大切に。
TURNの製作状況。(2023/4時点。)
2023年のTURN製作は終了、次回は2024年のどこかで製作する予定で、現在予約受付中です。
どこまで多くても3本くらいしか作らない車種で、個人敵にはこの「人とかぶらない」「ごく稀にかぶるとむしろ嬉しい」みたいな部分は僕が自転車で最も大切にしていることのひとつで、オーナー様にはその巡り合わせを楽しみにしてほしいバイクでもあります。
京都や大阪、東京ではそれなりの数を組ませてもらってるのでエンカウント率はほんの少しだけ高いけど、はぐれメタルよりよっぽどレアな台数ですし、見かけても逃げないし、別に経験値がもらえるわけじゃないけど、街で同じ服着ていて(うわ!)って思っちゃうあれにはならず、(あなたもこれに響いたんですね!)という仲間感が出ること間違いなしなバイクです。笑
このバイクの製作秘話。
このバイクはご夫婦同時にお話進めさせてもらってたんですが、圧倒的にこのTURNの方がお時間かかっています。
時間をかければ必ずいいものができるわけじゃないし、短いと手抜きか、というと全くそうではないのですが、旦那さんのバイクはこれとこれ、これを入れてバッチリ組んでくれや!
というほぼお任せのオーダーに対して奥様のTURNはしっかり実用的なライン、どこを走るという想定までされていて合計で6時間くらい喋ったと思うけど、ほぼ奥様のバイクに時間を割かせてもらってとっても奥様想いのお時間でした。笑
こんなこと言うと「そんなことないわい」と多分言っちゃうタイプの方ではありますが、仲良しのご夫婦で、タイプは違えど自転車散歩ができる環境、僕もずっとできればな、と思っております。
TURNもパーツセレクトはお任せいただきましたが、配色、スペックと間違いないものができたと思います。
確実に長く使えるので、ガンガン使い倒して、またメンテナンス、来てくださいっ!
来週からは僕も製作集中期間に入るため、ブログもスタイルが変わってきたりするかもだけど、どんどんレベルアップも感じる日々なので、どんどん僕にご相談ください!
ではまた来週!
Engineered Bike Service/MASN
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