G.Wは1日だけなぜかオフィシャルのウェブページが飛んでいてめちゃくちゃ困った挙句どうしようもなかった、ってことがありましたが無事復活、その日につながらない、って思ってた方すみません!
で、無事ばっちり復活し、今こうして書いているわけですが、今年のGWは色々ありすぎて楽しすぎた。
闇鍋ならぬ、、な山と平地の複合エリアをまあまあ走るのに当日に乗る自転車を知らされるというなかなかファンキーな企画に加え、BIKE&FISHで普段の僕ではまずない組み合わせでライドさせていただきマジで感謝。
乗ったのは某有名メーカーのクロスバイクだったんだけど、めっちゃ良かったわ。
わざわざこんなニッチなハンドメイドビルドのページでこんなこと言っても、だけど、価格追求、狙いたい装備感、全て伝わるナイス構成。
その日の晩、なんで高い自転車が要るのか?とかどういった違いが?というまるでお仕事中のようなお話になりましたが、今回のライドは得るもの、めちゃ大きかったです、多分、僕のこれからのバイク作りにも何かしら影響するはず。
さて、そんな今日のバイクチェックは超ナイスカラーで新しい色見本に追加までしたオールドMTBライクながらしっかりモダンなVOKKA。
同じカラーをサンプルで残したくてオーナー様にお願いして新たな調色としてラインナップされているので、探して来られた方、偶然エンカウントしてしまった方までご相談お待ちしております!
いよいよ2021年オーダーくらいのバイクチェックが全て終わりますが、2023年も真ん中にさしかかり、この何年かで急激に流行るだけ流行ったものがやはり勢いを同じくして廃れていきます。
その中で流れに乗り続けた人がそのシーンを担うわけですが、どうしても日本にいるとこのすげえ消費的にコンテンツを扱うの、しょうがないけど悲しいよね。
音楽も、飲食も、全部ね。いけるってわかったら全部いくとこまでいっちゃうこの感じ、タピオカは他国ではしっかり文化だけど、日本じゃなぜか過去になるし、今日のかっこいいは明日のダサい、になるくらいの高速感。
僕はそういうシーンにいたこともありますが、これがなかなか嫌いで、常にタイムレスであること、交換の効く部分は最新を使ったりして遊ぶ、ってことにかなり注力していて、こうして2年前のバイクを見て「間違ってなかった!」と言ってもらえたりするときが一番嬉しい時です。
それは、一見オーソドックスを貫くことにも見えて面白くなさ、を感じることがあるかもしれないんだけあるかもしれないんだけど、今、ご自身の年齢から10年経った時、値上げやそういうこと関係なしに、「あの頃の俺GJ!」ってなるように、大人が乗って満足できる自転車をこれからも作りたいですね。
そんじゃ、今週のご紹介は…
Engineered Bike Service(EBS) VOKKA O’s Custom!
今週のバイクチェックはEBS KYOTOのご提案する4つのバイクスタイルのうちのひとつ、クランカースタイルに属するVOKKAを。
クランカースタイルってめちゃくちゃ曖昧だけど、「その空気」から派生してればOK。
とっても人気のスタイルだけに、より細分化されてきたけど、基本は土臭さを感じるラフなライディングスタイルです。
VOKKAってどんな人におすすめなの?
EBS のラインナップとしては低床設計で、幅広いご身長に対応しています。
VOKKAはSサイズでCT480というサイズ感になるんですが、これはご身長で言うと155cmくらいからのイメージ。
最低地上高は85cmくらいかな?めちゃくちゃ小さい!ってわけではないんですよね。
ペダル地上高でいえば72cmくらいまでかな。ここはパーツ次第である程度。
逆にLサイズでもそこまで大きな形ではなく540くらいです。
ばっちりセットアップして、バッキバキのポジションで乗ってね!みたいな類の自転車ではないのでゆったり、ざっくり乗りたいラフなスタイリングのライダーにぴったりです。
オールドマウンテンバイクとか、アメリカンなクラシック好きに贈る現行機。
オールドマウンテンバイク、ここに極まれり、ってくらい流行りましたね。
放置車両で、ほぼ価値のついてなかったフレームが10倍くらいの値段になって、それでも売れたりしていて。
そもそも価値で乗るもんじゃない、ってのはわかってるんだけど、僕も昔のフレーム好きだしわかるんだよなあ。
でも、どうしても今のパーツが使えなかったり、オールドパーツにお金がかかりすぎたり、アクが強すぎて全体的にエグすぎる組み方になってしまったりと難しさもあるジャンル。
VOKKAは、もともと26インチのATBとしてその歩みをスタートしたんですが、その頃から今ドンズバのオールドマウンテンバイクのような佇まいを持っていました。
現行のVOKKAは27.5インチで「クラシックなホリゾンタルに近しい設計感」+「スルーアクスルなど現行規格」というオールドとニューの完全なハイブリッド機なので、ルックスは昔、走りはモダンに、って方にぴったりです。
荷物を載せるのが得意。
やっぱりVOKKAは名前の語源が歩荷、なだけあってガンガン荷物を積んでもへこたれません。
載せるか載せないかは自由、だけど、太めのタイヤに丈夫なクロモリパイプ。その素性は確かなのです。
変則的だけど、子ども乗せなどもおすすめですね!
フレームカラーはオリジナル調色。
この奥行きのあるフレームカラーは「モンテカルロブルー」という名前です。
「ブルーモンテカルロ」という色もあるんですが、全く違う色です。笑
これはある車からサンプリングしてきたカラーなんですが、もう良すぎて。
僕も車からのサンプリングはめちゃくちゃするけど、これは特に良かったですね。
VOKKAを前から見る。
このバランシング、たまんないですね。
オートバイ的なキャラクターを持っていて、実際にルックスとしても若干意識しています。
パーツ構成としてはクルージング系のBMXバーでアップライトになりすぎないクランカースタイルを表現。
BMX規格でクルージング。ステムで魅せるスタイル。
SURLYが色々出してくれている、のは言うまでもないけど、このバイクの肝、かなりポイントとなっているのはこのトップロードのステム。
SHADOWだから、とかではなく、今、このスタイリングでトップロードのステムを使ってスタイルを出しているところにグッときますね。
11段変速のインデックスサムシフターでレトロなんだけどしっかり現行パーツが使えるような形で、長く使う気満々のCHRIS KINGのロゴラインが最高に映えてる。
KINGはやはりKINGだった、とわからされる存在感ですね。
この何年かで1.5倍くらい価格の上がったパーツではあるけど、これは今からでも買っておくべきアイテムのひとつ、長く使うなら、ね。
積載に強いマルチマウントフォークにボリュームのあるタイヤサイズ。
このVOKKAはQRモデルの最後の一台で、今は全てスルーアクスルのものに移行していますが、フォークに取り付けられるもの、でいうと変わらずのマルチさを発揮しています。
現行機では大体のフロントラック、マルチケージならなんでも取り付けが可能。
VOKKAのMAXサイズのタイヤ推奨値は2.30(58Cくらい)なんだけど、そこに迫る2.20サイズを採用。
MAXXISはめちゃくちゃ良いタイヤだけど、その中でもこのIKONはめちゃくちゃ使いやすくて山ではもちろん、街でも割とぐりぐりいけて楽しいですよ。
このブラックのタイヤにしか設定のないこのイエローのブランドロゴが最高に効いてます。
VOKKAを横から眺める。
安定感のあるバイクに乗りたい、とか、山が、街乗りで、とか、そういう目的すらぶっとばす「これに乗っている自分」をスタイリングしたくなるグッドルッキングバイク。
クランカースタイルはなんでもありなジャンルだけど、このVOKKAはひとつの解ですね。
僕たちがNITTOさんに製作をお願いしているクランカーバー、EBS-40とはまた違った形で、めちゃくちゃいい。
昔からあるハンドル、昔からあるステムなのに、今またこの現代に、これからのスタイルをご提案された形。
サイドビューではあえて色味を際立たせるような工夫がされていてこれまたグッと。
オールシルバーで構成したWhite Industries クランクセットが輝く。
基本的にオールブラックで構成されているパーツ構成の中、ここだけバッキバキのポリッシュ持ってくるのがニクい。
見ないようにしても確実に目に飛び込んでくるピカピカのクランク。
バイクの横顔では最重要パーツですが、ここまで視聴率が高いクランク配置はナイスセットというほかなし。
チェーンリングにはナローワイドのTSRギアを。
街乗りベースのセットアップであるものの、しっかり京都で山遊びもできちゃうような組み合わせです。
ペダルは個人敵に好みで自身でも散々使っているMKS ALLWAYS。
「オールウェイ」っていうくらいだから、当然こうしたATBやMTBなどの地形走破系バイクにはドンズバです。
僕はピストに取り付けていて、半分ピンを抜いてストラップで運用していますが最高に調子いいです。
最近Sim WorksからTaco Pedalってのが出たけど、あれもかなり良いだろーなー。
便利装備の拡張性も当然のように。
センタースタンド台座は標準装備で、太めのタイヤやダブルレッグスタンドを取り付けた時にもクリアランスが保てるよう、オフセットが可能な台座を用意しています。
BB周りももちろんホワイトで固めてあり、とても高効率で走ることができますし、やはりなにより高級感がたまりませんね。
KAISEI 022クロモリをフルセットで使用している素性の良いフレーム。
EBS KYOTOではKAISEIクロモリがベースとなっていますが、これは日本最後の自転車用クロモリパイプなので、日本の道具を使いたい方にはぴったりで、微力ながら応援にもなると思っています。
サドルはBROOKSを使用しており、本革を大切ん扱って育てる、という楽しみも同時進行。
バイクと同じくして歴史をスタートさせた革サドルですが、バイクよりは長持ちしない。
BROOKSのB17だと、本気で使って10年くらいかな。
でも、10年同じサドルを使うってすごいことなんですよ。
長くものを使える人、それだけでかっこいいと思ってます。無駄もないしね。
VOKKAを後ろから楽しむ。
横の空き缶、拾って帰りました。笑
京都が好きで、京都を背景に写真を撮らせてもらうかわりに、、というか普段から割とゴミは気になる方なんですが、自転車を撮る時ってやっぱり壁際が多い。
そうなってくると必然溜まってるゴミは気になっちゃうんだよね。
ゴミの話はいーや。笑
なかなかに迫力のあるハンドル幅なんですが、VOKKAのボリュームはしっかりと収めてますね。
深すぎる青色と、イエローのばっちりロゴ。
最近またごちゃごちゃ系も見るようになってきたけど、ブランドロゴ、ドーン!みたいなのは大手ですらナシの方向になってきましたね。
でも、このMAXXISのロゴなんかはむしろほしい。マキシス最高!ってなる。
スーパーワイドレンジで登坂ばっちこい。
街乗りで使うところはそこまで多くない。
だいたい、小さいところから6枚くらいまでかな。
それ以上は奥の手ギア。
たまにあるエグめの坂道や、思い立って行ったらどこかで必ず遭遇する激坂。
ロードバイクみたいに自分の限界に合わせてギアをセットするのも楽しいけど、特にトレーニングとかしていない僕とかでも、何も考えずにその日出会う坂道全て立ち漕ぎせずにクリアできるレベル。
このギア比の軽さになってくると林道で立ち漕したら空回りするレベルだから、自然と前後荷重のバランスも取れるようになってくるので街乗りシーンでもとっても安定しますよ。
このタイヤは街乗りで使えるギリのところを美味しく使えてる。
もちろん、ただ舗装路走る、街乗りで、ってなるとスリック系が最高に調子いい。
VOKKAにもよく取り付けるけど、TERAVAILのRAMPERT 650×47bとかね。
でも、スタイルとしてちょっとデコボコしたタイヤが欲しけりゃもうそっち優先だし、入れてりゃ気が向いた時にチャレンジしたくなる時もあるかもしれない。
EBS KYOTOに来たことある方は知ってるかもだけど、VOKKAの試乗車に同じタイヤが入ってます。
僕たちもガンガン使うバイクなんですが、街乗り、ヨユーでいけます。
不思議だよね、この感じで転がりいいの。
リアの拡張性は前と同じくフェンダー、ラック、なんでもOK。
大型のラックが似合うので、せっかくなら荷物もガンガン載せてやってください!
このバイクの製作秘話。
EBSのLEAF LONGにも乗ってくれていて、ちょっと渋めのカスタムでいい感じ。
で、自分メインで乗る自転車がほしいね、って言ってくれてスタート。
渦中も渦中、なかなか製作も、調達もうまくいかなかった時期のオーダーで、かなりお待たせしちゃいましたね。
完成してからもなかなかパッと段取りして納車、って訳にもいかず、かなり長くお店でお預かりしていたんですが、もう大好評で、これください、みたいな感じに何度なったかわからんレベル。
当然、納車時は寂しくなるわけで。笑
サンプルとして別サイズでもう一台作ったくらいでしたね。
ちなみにこの自転車はまだ完成ではありません。
自転車って販売したものが完成、ではなくて、乗っていただいて、乗り慣れてくる。
それなりに軽くて、楽しくて、自転車に長く乗れる体になってくる。
そこくらいのタイミングで、「自分が自転車に合わせてるなー」って思う部分をもうちょっと擦り合わせる。
体型も変わるし、通勤エリアだって変わるし、腰も曲がってくるかもしんない。
そこを細かく設定できた時。生きてりゃ設定は変わるけど、毎回完成が待ってる。
これが一番面白いところかもしれない。
ラックの製作も進んで、より良くする一歩がすでに進行中。
シフター位置の変更のお話もまたできれば。
EBSオーナー様、完成、という言葉は毎回使ってもいいです。
気になるところはいつでもご相談くださいね。
Engineered Bike Service/MASN
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