ナイトライド日和がキタ!
この時期の若干だけひんやりする、でもまだ虫とか多くない(個人的には虫は気にしないけど)し、いくらでも漕げちゃうみたいになるのがこの時期と秋の夜長の時期。
僕はサイクリスト、というには怠惰すぎるけど、自転車乗るの大好き。
最近、まだまだ長い人生だけど、自転車とこれから先、どう付き合っていくか、みたいな考えがかなりのトラフィックで頭を駆け巡ってる。
僕の人生を彩る自転車を何本か選ぶ、みたいな話になると裕福な育ちではなかったので多くはないんですが、人生の一本、みたいなのがだんだん決まってきて、バラで持っておくか組むかは別として「これは一生所持し続けたいな」というフレームが何本かできてきました。
そんな中で、逆に断捨離しなければいけないものも数多くあり、僕が組みもしないのにこれを保持しているのはある種、自転車界にとって損失だな。
って思ったものがいくつかあったので、最近全て売却しました。
転売しようと思えば余裕でできる価格で売ったのでそういうことがないことを祈りますが、自転車愛に満ちてるな、って人の手に渡ったのでいつか、組まれた姿をインスタなどで見られたら最高。
その人が特定されるので車種は明かしませんが、スーパーミントコンディションでした。
もし、逆にめぐりめぐってこのブログに辿り着いたら「あの時の、、!」ってなってください。笑
さて、そんな本日のご紹介はEBSよりKamogawa。
「人生の一本」がもし本当に一本しか選べなくて、どのジャンルでいく?となれば僕ならばやっぱり「シングルスピード」。
スポーツバイクとの出会いはピストバイクで、10代の頃、空前のピストブームがあって、そこから。
ブルーラグがちょうどできたくらいの頃で、実店舗、オンライン問わずめちゃくちゃ買い物したなあ。笑
実は、その頃にもEBSというか、うちがやってたショップとニアミスしてるんだけど、やっぱ好きな属性って勝手に惹かれてるんですよね。
当時、たまたま出会ったとはいえ、ファッションとしてかなりイケてたピストバイクは10代の僕には相当な衝撃で、お金とか、レアだとか、何にもわからずに衝動で買って、なんだかんだありすぎて今、オーダーバイクの人。笑
趣味が仕事になっためっちゃベタなパターンだけど、あとにも先にもここまでハマった遊びってなかなかない。
車も単車も好きだったし、その時はなんだったら自転車なんかなんでもええ!くらいだったのに、今じゃ自転車もこだわって、なんでも良くない、スタイルの出てる自転車で毎日バリバリ生きたい。
いつの間にか「人生の一本」なんて言い出しちゃって、こんな記事を書いてるけど、あの時、真夜中のアメ村、憧れてたDJがバカみたい(褒め言葉)にハンドルチョップしたピストに乗ってこなかったら。当時働いてたクラブの前にめちゃくちゃ雑に10台くらい、これまた雑な鎖(チェーンロックじゃない、あれは鎖だった)で連結してガチャガチャ停めてたあの空気に触れてなかったら。
多分、人生の〜、なんてこともなく、「は?チャリに○○万?!」「原チャリ買えるやん!」とか言って笑ってたかもしれない。
原チャリも最高だし、当時はあんまり大切にできなかったけど、ママチャリも最高。
でも、今、こうして、いろんなことを経て、こう思えているメンタル、「長く使える自転車」そのものの価値が上がったこの現代。
やっぱりシンプル、だから長く使える自転車。
長く使うために、シンプルにまとめる自転車。
今だからこその一本に選びたいのです。
そんじゃ、今週のご紹介は…
Engineered Bike Service (EBS)Kamogawa
女性オーナーが圧倒的に多い京都はレペゼン鴨川な「Kamogawa」。
もちろん男性にも乗っていただきたいバイクで、Sサイズは女性にテストしていただき、Mサイズは僕ともう一人別の女性にしてもらってローンチしたので老若男女ばっちりです。Lサイズはあるオーナー様に手伝っていただきました。笑
今回のKamogawaはMサイズ。
最も芯を突くサイジングでかなり多くの方に幅広く対応するサイズです。
バスケット、プロムナードでクラシックなコミュータースタイルからこのように’00ノーティーズストリートカスタムまで。
Kamogawaの基本仕様。
フレームサイズ、素材。
フレームサイズは3サイズで、S、M、Lの展開です。
サイズ表記 | シートチューブ長 | おおまか身長 |
---|---|---|
Sサイズ | 470mm | 158cmくらいから。 |
Mサイズ | 520mm | 168cmくらいから。 |
Lサイズ | 560mm | 175cmくらいから。 |
Kamogawaは国産ハンドメイドフレームを国内最安で出し続けてやる!という裏テーマがあるんですが、素材やジオメトリー、組み付けやベーシックパーツセレクトには一切妥協していません。
その中でやはり、なEBSといえば、なKAISEI 022フルクロモリ。
軽量で、丈夫な素材。
設計、溶接で速く走らせ、よく停まる自転車にする。
これ以上はいらない、って言わせるワールドスタンダードハイグレード。
今回のフレームカラー。
Kamogawaは今の所フレームカラーオーダー無料なので(2023/6現在)純正カラーなどの設定がなく、幅広いカラーチャートから選ぶことができます。
なのでオーナー様のオリジナルでOK。
今回は粒度粗めのマットガンメタル。
オールブラックのパーツコーデと相まってストリート感ばっちり出てますね。
ベーシック完成車価格。
価格は僕がセレクトしたベーシックパーツを組み込んで、好きなフレームカラーに塗って
「税込184,800円」です。(2023年6月現在)
前述した「国内最安の国産ハンドメイドフレーム完成車」を掲げるEBS KYOTOのKamogawaですが、価格を頑張るからパーツグレードもガンガン下げます、じゃお話になんない。
僕はシングルはそれなりに乗り込んでるので「このラインを超えてきたら採用」ってのが明確にあります。
完璧なパーツセレクト、なんて正解がないけど、個人的にいいセレクトができていると思う駆動構成。
いいタイヤ入ってるし、ハブとかもよく回る「楽しいスポーツバイク」の本質つけてると思います。
ハンドルとか、サドルとかは好みで。
いつでもお話聞くので言ってくださいね。
フラットバーの写真のバイクの仕様、好きなフレームカラーに塗れるセットで「税込184,800円」。
これがEBSで最もリーズナブルな破壊的価格です。
価格はこれから確実に変動します。それはたしかに「値上がり」なんだけど、僕は「長く使えるアイテムの価値が上がっている」んだと解釈しています。
僕は十数年同じフレームで乗っていて、当時、まあそれなりのパーツで組んで30万円くらいだったかな。
年齢ももちろん若かったからその時も高いと思ってたし、今も変わらず同じ価値観です。(それはそれでどうなんだ…)
でも、ノントラブルです。今同じ組み方すれば40万円はします。
消費税率も違うし、そもそも色々状況も違うけど、10万円くらいのスポーツ自転車、この10年で3回くらい買い替えてる人、いると思います。
それがダメなんじゃないです、こんなこと言うと燃える要素がありますが、ノルマのあるスポーツバイク屋からしたらむしろありがたいまであるはず。あるだろ?
そして、長く使ってるのが偉い、とかでもないです。
でも、そういう自分歴を大切にする人のために自転車を作りたくて、でもマジでスポーツバイクって高いから、そういう人のためにこのバイクを企画しました。
ものを大切にする人に共通する、「イイモノ」が欲しい欲求。
Kamogawaはそれも満たしていて、自転車に精通している人でも「これええやん!」って言ってもらえる内部構造にしているのでそのあたりも安心して10年、20年と修理して、交換して使ってください。
こんな感じでプロムナードハンドル(ゆったりしたハンドル)で、ラックやバスケットを取り付けてもイイ。
革パーツを使ったてイイ。
2本足のスタンドも使いやすい。
好きにカスタムして、自分仕様でいきましょう。
そんじゃ、本編紹介いってみよう!
シングルスピードでシンプルに。Kamogawaのフロントビュー。
2010年代、ストリートで絶大な支持を得てそのままスタンダードになったワイドライザー×ピスト。
それまではショートすぎるくらいのハンドルが主流だったんだけど、超有名なあのチームが突如動画で長いハンドルで走るもんだからびっくりしたよね。
MTBの流れからきているやつらだから当たり前に格好良かったし、今もやっぱイケてる。
やはり極まるワイドライザーの安定感。
ワイドライザー、っていっても街乗りでちょうどイイサイズに調整済み。
説明不要のBLUE LUG×NITTOライザー、25.4クランプも用意してくれているので1インチでクロモリの細身なKamogawaのようなシュッとしたフレームにばっちり合います。
よく走るホイールにしっかり停まるブレーキ。
今回は純正仕様とは違ってカスタム仕様。
一番大きな理由として「ブラックパーツを使いたい」というご要望があったので純正仕様はシルバーのため、ご予算もしっかりお伺いしながらイイ感じのブラックパーツを選定。
ホイールはオールグランコンペ。シールドベアリングハブ、アイレットリムでばちばちで組めてガンガン走る組み合わせ。
ブレーキはちょっとアップグレードしてSHIMANO 105のR7000を採用。
投資としては10000円くらいですが、やっぱ乗り物は停まって曲がってなんぼ。
足回りから固めておくと安心感マシマシです。
水平なホリゾンタルフレームにグッとくる。Kamogawaのサイドビュー。
KamogawaはM、Lサイズがホリゾンタルです。
スローピングはメリットたくさんなんですが、水平フレームに惹かれる方はやはり多いですね。
トラックバイクや純粋なピストフレームはもっと詰まった設計なんですが、詰めると街乗りしにくい。
でも、あれ、いいんだよね。。
ってことでその限界ギリギリを狙っています。
かかりヨシ、反応性ばっちりだけど転回など安心してできるナイスジオメトリー。
ガンメタ×ブラックがとっても精悍。ピストらしいカスタム。
このマットガンメタルとブラック、マジで相性良くて最高。
写真では伝わらんのですが、ちょっとざらざらしてて質感もイイ感じ。
本革のトップチューブカバーはGROWNのもので、EBS KYOTOで最も売れるサイズはこのベリーショートです。
黒と黒を繋ぐワンポイントの空間アクセサリーですが、立てかける時に使ったり、すでに傷が入ったバイクの化粧的につかったりと割と便利なアイテムです。
サドルはRitchyのものを。
ロードバイクのサドルですが優しめの乗り味でこれも好きだったサドル。
今は形が変わってしまったけど、それも結構好きです。
黒にゴールドチラ見せ。パッと見わかんないのが洒落てる。
サイドもブラックパーツで統一。
ワンポイントで真鍮系のゴールドが入ることが確定していたので遊び心的にゴールドカラーを追加。
横から見たらブラックのチェーンだけど、チェーンリンクがゴールドになってるやつ。
チェーンピンがゴールド、ってやつもあったりします。
こんな色の構成にしたい!ってご相談があった時、そこの色が変更できるなんて思わなかった!みたいなお話、結構あるのでもし差し色とかで遊びたいときは言ってくれると探してきますぜ。
ペダルストラップはシンプルな無地のもので。
なんでか、っていうとこれ、「めっちゃ痛むから」です。笑
高いのだとまあまあの金額で、ポンポン買い換えるのなかなか、で結局モッケモケになっても使ってて汚れもひどい、みたいになりがちなんですがこれなら買い替えもまだ許せる金額です。
金属だと古くなってくるのも味なんですが、化繊だとボロボロのいいやつより安くても綺麗なやつが最高です。
輸入していた張本人が言うんだから間違いない。笑
今回みたいにピストバイクスタイルでも。Kamogawaのリアビュー。
やっぱイイんだよね、リアビュー。
ワイドライザーだとリアのボリュームバランスも絶妙で綺麗。
「バランスよく見える」って結構大事で、そう見えてる時は実際乗りやすいです。
シングルスピードでシンプルさが一番際立つ部分。
変速機のあるギアードは進化した形です。
当たり前に便利でその選択がまず間違いないことはわかってるんだけどなんでか惹かれる。
自転車古来から続くこの縦のみのチェーン駆動。
シンプルなルックス、人車一体感を味わいたいならばこれです。
多分、もうかなりレアなSUGINOのFIXIEコグ。
工具一本で固定ギアの交換ができるアイテムで、当時はめちゃくちゃいっぱいカラーがあった気がするけど今はブラックくらいしか手に入らないかも。
今回はびっくりする価格で手に入ったので即ゲット、組み込ませていただきました。
前後異幅タイヤでジャンクストリート感。
フロント25C、リア32Cのスキッド上等構成。
駆動輪太くするってエンジンついてる車両だけかと思ったけどピストの文化にあったわ。
むしろ自転車だとフロント太めはMTBとかじゃある考え方なんだけどね。
今回は計算してトラックエンドぱっつぱつでセットアップ。
ゆったり乗ることもできるKamogawaだけど、限界ギリギリまでリアセンター詰めてピストのかかりの軽さを表現。
できるけどやらない、とできないはかなり違っていて、Kamogawaは純粋なトラックでは全くないけど、そういうところしっかり抑えてちゃんと街乗りできる、スピーカーとエアコン、リアシートついてるサーキット仕様みたいなバイクです。
このバイクの製作秘話。
出会いは大阪。
オーナー様と出会い、お話をさせてもらったのは大阪のショップで。
シングル探してる!みたいなお話からKamogawaを推させてもらって、そのあと京都で改めて。
大阪ではじめにご覧になられていたバイク、見たかったバイクなどお伺いしていたので大体のイメージは掴めてました。
そこから、せっかくなら好きな色に、みたいな膨らみ方をしてどんどん肉付けしてく。
今は大阪でご相談、みたいなスタイルはやってないんだけど、あの頃は毎週移動して府をまたいでいろんな地域の方とご相談させてもらっていて今思えばそれも楽しかったですね。笑
がっつり乗っていてくれればそろそろしっかり整備したいところです。
また、いつでもお持ち込みいただければと思います!
Nオーナー、サンキューです!
Engineered Bike Service/MASN
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