僕の個人的な推しフレームが到着しましたよ〜!
毎年欲しい人だけに特別モデルを製作している限定受注製作。
その中で、ひときわやりたかったモデルをMasn本人が別注、今年はストックをご用意できました。
「欲しい人だけに製作」しているから、逆に言えば誰にでもハマるようなフレームじゃないです。
でも、探している人にとっては絶対に「これだ!!!!!」ってなるフレーム。
後述でもリンクがありますが、過去記事でも製作に触れているのでこちらもご覧ください。

今回別注で製作したフレーム。
今日ご紹介するのは
「ミニベロ」や「固定ギア」
「ミニベロシングル」、「ミニベロピスト」
このあたりが好きな人しかもしかしたらハマらないかもしれません。
市販されているミニベロシングルじゃなく、もうひとつ上質なものを街乗りや輪行に落とし込みたい。
ハイエンドの軽量クロモリで、取り回し抜群なミニベロで、構造をシンプルにして手軽に。
もし、そういった自転車を探しているならば、今日のエンカウントは価値のあるものになるかも。
何が欲しいかわかってきた大人が持ちたい趣味性の高いミニベロ。
今は、「1台でなんでもできる自転車」が必要とされています。
タイヤが太くて、安定していて、それなりに速く走れて、荒れた道も行けて、荷物も載るやつ。
僕もそのジャンルに属するものを持ってます。何も考えずそれに乗れば良いし、実際よく走るし、とても良い。
RPGで言えば勇者ですね。
ほんの少し長く生きてると、何が必要で何が必要でないかわかってくるのかな。
「長く生きている」という言葉など使えない若輩者の僕ですが、「服はこんな感じが好き」「音楽はこのくらいの速さが心地いい」「食べ物はやっぱこれだな」とこだわりとはまた別の、奇抜な服を着てみたり(着るけど..)、オールジャンルなんでも聴いたり(聴くけど…)と、自分のピントが合ってきた、と感じることが増えました。
求められている自転車と相反する「これが欲しい」という想い。
やっぱ、パーティー組むなら先頭には勇者を置きたい。これは僕もそう。
でも、こういうことができて、こういう乗り味で、こういう使い方ができる自転車が欲しい。
逆に言えば、それ以外がしたいなら他を見た方が良い自転車。
それが見えてきて、そしてそれが少しではあるものの、皆様にも同じ想いを抱いている方がいらっしゃることがオーダーを見てわかってきました。
そういった意味では、このバイクは戦士や魔法使い。
役割として特化するかわりに、その一点では勇者を凌ぐ能力を持っているフレームです。
街乗りと輪行に特化したミニベロ。
軽量のクロモリなので、丈夫さと軽さを兼ね備えています。
バスケットやラックの取り付けは想定していませんが、バッグ取り付けが可能で、積載量も手軽に調整できます。
分解や手入れが簡単なシンプルな構造なので、前輪を外す必要がある輪行も簡単で、ハードルが下がる=いろんな駅で降りることができるので、電車とライド、両方視野に入れたスケジュールを組むことができます。
このバイクはシングルスピード、ギアが前後にひとつしかないので、自分で付け替えたりして今の自分、住んでいる土地、これから行く場所に合わせてギアを設定します。
カメラの単焦点レンズみたいな感じ。変速機があって、何枚もギアを選べるのはズームレンズってところかな。
今日はあそこに行くから…あれを撮るから…このレンズだな。と選んで持っていく。
一枚でかなり幅広くカバーできるギア比もあるし、それを撮るなら絶対にそれが必要な超広角、望遠だってある。
まあ、自転車界にはそういう「これしかできない」フレームで色々やったり行っちゃう「縛りプレイ」みたいなことを好む人が多く生息しているのも事実で、このフレームはそれをしたくなる属性も持っているのが魔力のひとつだとも思う。笑
今日は、そんなバイクのフレームが到着したのでそのフレームのご紹介を。
Engineered Bike Service(EBS)Horizontal 451 Single Special

Horizontal 451はすでに10年以上前に完成されている形であり、個人的にはスポーツミニベロのひとつの解、そこまできていると思う。
価格も、仕様も変わってきたし、これからも少しずつ洗練されてくるのかもしれないけど、この設計そのものは後ろからそっと押されるようなクロモリらしい乗り味、走り。
拡大、縮小しただけのサイズ展開でなく、全サイズ、満足いただける形だと思います。
今回は、そのHorizontal 451をシングルスピード専用フレーム、かつクラシックなラグで繋いだスペシャル仕様、Special Single(SS)として製作、販売しています。
Horizontal 451 SS 画像。














フレームの特徴。
スポーツバイク用クロモリパイプとして日本最後の国産クロモリパイプを使用。
EBSでは基本のパイプ構成を全て日本最後の自転車用国産クロモリパイプ製造メーカー、「KAISEI社」のクロモリパイプを採用しています。
高品質なことは言うまでもなく、やはり、「日本で何か作る」ということが失われてきており、製作されたものも海外へ輸出することが当たり前となった昨今、完全国産の自転車フレームを製作することや国内企業を応援、買い支える行動は繋いでいきたいことのひとつです。
このHorizontal 451 SSでは競技用でなく、通常使用できる中で最も軽く、また反応性も良いニッケル添加のハイエンドパイプ、「KAISEI 8630R」のダブルバテッドパイプをフルクロモリ、フルセットで採用。
硬くなりがちな構成の中でもしっかり良いヌケのグングン進むフレームになっています。
純正仕様のTig仕様からLug仕様へ別注オーダー。
純正のHorizontal 451ではTig溶接という、素材と素材をつなぎ合わせる方法が取られており、軽さも強度もTigの方が出せるので世の中のほとんどの自転車はこちらが採用されています。
ではなぜ、こう書くとデメリットしかないように思えるラグドフレームで別注するのか?ということに関しては
最も手間がかかり、採用されなくなった手法にこだわりハンドメイドで製作する、というそこにある熱量が「所有欲」を最も満たしてくれる、それが僕にとって、自転車にとってラグだからです。
EBSにはメインのビルダーが二人いますが、このフレームは全て最年長の佐々木ビルダーによって一本一本製作されています。
EBSオリジナルトラックエンドに変更。
今回の別注オーダーではこれがなければ始まらなかった「トラックエンドカスタム」。
ミニベロでは車輪径が小さいのに大きなタイヤと同じギア比で組まれた「シャカシャカ回さないと走らない自転車」や、大きなギア比で組もうとしすぎてトラブルが多かったり、ギア枚数が使わないのに多い「ずっと1番重いギアで乗ってる」、みたいなことが多発します。
EBS KYOTOではそれを解決するオリジナルチェーンリングなどのカスタムでミニベロロードなどを製作していますが、「そもそも変速機はいらない」という要望、ピストやシングルスピードに乗ってきたからシンプルなルックスに強烈に惹かれる、という想いなど入り混じり、「ミニベロシングル」として特別製作する、ということが年間に数台ありました。
今回はストックフレームとしてトラックエンドモデルをご用意しています。
ラック取り付け台座をオールカットで極限までシンプルに。
これは少し迷いましたが、街乗りで短距離〜中距離を乗る際に絶対にカゴが欲しい、という人はこのフレームは欲しくないだろうし、もっと肉厚のパイプで製作した方が乗り味も丈夫さもしっくりくる。
ならば、スポーツバイク用のサドルバッグやフロントバッグがかなりの選択肢ある現代、ラック系の台座をオールカットし、フロントフォーク、リア三角のシュッと伸びる直線美を演出したい、と思いあえての全カットしました。
街乗りでも、輪行中の分解作業も、スタンドがあると便利なので、センタースタンド台座は採用しています。
ですので、キックスタンド取り付けは問題なく可能です。
フレームスペック。
フレーム素材… KAISEI 8630R ダブルバテッドフルクロモリ
フォーク素材… KAISEI 8630R ダブルバテッドフルクロモリ
ヘッド規格… 1インチITAスレッド(CHRIS KING Gripnut専用設計)
ステム規格… 1インチクイルステム
シートポスト規格… 27.2mm
シートピン規格… 19mm
BB規格… 68mm/BSA
ホイール規格… フロント100mm/リア120mmトラックホイール




ギャランティーのデカールなどが「E B S で す!!!」
みたいな感じでなく、シンプルなフレームに主張しすぎず入るのがEBSのフレーム。
ヘッドバッジはエッジが効いてて渋いし、デカールカラーはフレーム仕上げに応じて好きな色でOK。
KAISEI 8630Rの「R」はGT-Rみたいでめっちゃ好き。
サイズ展開。
Sサイズ
シートチューブ長…480mm
トップチューブ長…505mm
おすすめ身長…155cm~164cm
ホイールベース…960mm
リアセンター…410
シートアングル…72.5°
ヘッドアングル…72°
BB下がり…-11.5mm
Mサイズ
シートチューブ長…520mm
トップチューブ長…530mm
おすすめ身長…165cm~172cm
ホイールベース…985mm
リアセンター…410
シートアングル…72.5°
ヘッドアングル…72°
BB下がり…-11.5mm
Lサイズ
シートチューブ長…545mm
トップチューブ長…555mm
おすすめ身長…173cm~177cm
ホイールベース…1010mm
リアセンター…410
シートアングル…72.5°
ヘッドアングル…72°
BB下がり…-11.5mm
XLサイズ
シートチューブ長…570mm
トップチューブ長…580mm
おすすめ身長…178cm~185cm
ホイールベース…960mm
リアセンター…410
シートアングル…72.5°
ヘッドアングル…72°
BB下がり…-11.5mm
フレームセット価格。
フレーム+フォーク+単色塗装+CHRIS KING Gripnutのセットで税込¥272,800–です。
(2024年2月現在)
クリスキングのグリップナットを専用設計で入れているので、ヘッドの色選択も可能です。
キングは入荷がちょっと不安定なことがあるので、レアカラー指定はお早めに。
※店舗限定入荷のため、フレーム単体での販売は行なっておりません。
※次期製作価格は変更の可能性があります。
完成車価格。
EBS KYOTOのベースパーツ構成で税込¥480,000-くらいからの予定です。
今回はカスタムを前提としているので、厳密には完成車としてご用意するわけではなく、ひとつひとつのパーツを選んで、フレームのカラーや仕上げなども選びながらオリジナルのミニベロを作ることが可能です。
フレームが良いので、できるだけ良いパーツで組んであげたいところですが、僕がセレクトしているスペックと価格のバランスが取れているベーシックなパーツを使用して大体上記くらいの価格になってくるかな、というイメージです。
前回の製作スケジュール時に書いた記事はこちら。

納期。
各サイズ1本ずつの入荷でしたが、現時点でストックはSサイズとLサイズのみなりました。
Sサイズ/Lサイズ
仕様、パーツなどによりますが、最短で2ヶ月〜3ヶ月の納期です。
完売サイズ
オンラインストアで売り切れているフレームは全て次期製作受付、納期予定は2025年です。
来年のスケジュールはまだ出していませんが、購入時の価格で確定なので、早割的な感じでお得です。
仕様書に関しても、確定された仕様書はその時点での入荷未定商品を除き価格が固定されますのでお得です。
次期製作受付。
このシリーズは毎年やりたいと思ってます。
大径車だとKamogawaになるんですが、やっぱりシングルスピードが好きなので、面白がってくれる人に届けば、と思っています。
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