2024 Frame making now Online Store

身長150cm台から乗れるクラシックなロード、グラベルを考える。

身長があんまりない。

でもロードバイクやグラベルバイクに乗って楽しみたい!

そう思ったことはありませんか?

思い立って探してみると、身長150cm以下〜のカテゴリーもたくさんあります。

でも、この広大なWEBの海、ここに泳ぎ着いた方は「できるだけまっすぐのフレームに乗りたい」のではなかろうか。

いわゆる水平な、ホリゾンタルフレームというやつです。

多様な身長に対応するために思い切り前三角を小さくして、限りなくまたがりやすいようにしたり、ジュニアバイクのエッセンスを参考にしたりして自転車として構成するのですが、やっぱホリゾンタルフレームに近いバイク、いいじゃないですか。 

言葉として使いにくいのですが、たどり着いていただくためにはしっかりと身長や体格のお話をしなければなりません。

自身を低身長だと言う方も、一般的に小柄であると言う方も、今回はご協力いただいた女性ライダーにより、クロモリのツーリングバイク、ディスクロード、グラベルロードなどの属性で身長154cm〜の方向けにギリギリまでスローピングを水平に近づけたフレームで乗っていただくことが可能になりました。

今回は「身長の低い方でも限りなくホリゾンタルフレームに近い」自転車が製作できる、という記事です。

今季、2024年後期製作はより考え煮詰めたセットを考案中で、150cmの方から乗っていただけるジオメトリーになるかも、なのでぜひイメージを膨らませてください。

今回のご紹介は…

目次

Engineered Bike Service(EBS)STUFF

このスタイリングで、1番下までサドルを下げて乗ってもいい感じで乗れて、かつバイクバッグも干渉しないスタイルを目指しました。

バイクパッキングスタイルでもばっちり格好良くて、その上でロングライドが楽しくできるようにしています。

なぜ、小さいサイズのフレームはホリゾンタルフレームにならないのか?という点からご説明していきましょうか。

マージンにマージンを重ねないで合わせにいく。

はじめに、このSTUFFはSサイズ、身長目安を決めるに至るフレームサイズの数値としては「510」となり、決して小さいフレームではありません。

これなら間違いなく乗ることができる、という安牌に対してさらに安全策を講じていく、という今の日本のスタイルと完全に反する、実際に乗りなれたあとに「こうだったらよかったのにな」と形に対する思いをはじめに実現しにいく、というオーダー形式、既製品やあるものを買って帰るのではなく、ヒアリングを基に製作を進めることでそれを可能にしています。

154cm、という明確な数字をご用意しましたが、人間は十人十色、手の長さも、足の長さも、乗り方も筋肉のつきかたもみんな違います。

安全にまたがることができるフレームがおすすめな人も、その方が楽しく乗れる方もいらっしゃいますし、この形じゃないとアガらない、って方もいらっしゃるから自転車製作は面白いのです。

なんか、なんか「乗るか乗らないかはあなた次第」みたいな、ちょっと強めの言葉を使いがちになって気まずいけど、小柄であるからといってベースとなるフレームサイズが存在する中で、そこからただサイズを小さくしたフレームは嫌だ、という人のためにこのバイクを紹介させていただいています。

万人受けしないと思うけど、これが刺さる人は僕にお声がけくださればしっかりお話をお伺いして、良いバイクを作らせていただきます。

なぜサイズによってフレームの形が変わるのか?

溶接やパイプの長さで制約がある。

自転車のベースはイギリスやアメリカなど、基本的に外国にあります。

その後、日本でも超級レベルの先人たち、職人の方々のおかげでこのものつくり大国、日本の製品の中に自転車が入ったり、競輪の文化が輸出されたりしていったわけですが、僕たちがよく目にするカタログやルックブックのサイズは基本的に大きなサイズです。

フレームが大きい方が取り付け位置などに制約がなく、スッキリ見せやすいというポイントはどうしても存在します。

たとえば、大きさは変えられてもボトルケージの規格は変わらない、、などです。

小さめのサイズでフレームを作ると、ヘッドチューブやシートチューブが短くなる分、まっすぐに溶接をするとバランスが崩れてしまうということがあります。

あらかじめ決まった縦のサイズがある分、どうしても性能を保つには短くなった部分に溶接するしかない、というわけです。

秒速で作った雑な図によると、身長に合わせるためにパイプを短くしたのに水平に取り付けると、足をのせるペダル部〜クランク(BB)位置はどんどんと上がってしまい、やばいくらい浮遊感のある乗り味になってしまう。

そうなると、ここで車高を制限している長さの変えられないフォーク、タイヤ(ホイール)のサイズを小さくすればバランスは取れるんですが、その考え方そのものは間違っていません。

性能を保ち、ルックスのバランスも破綻しないようにするには、700C(29インチ)などのロードバイクサイズにこだわる必要はないのです。

ですが、24インチなどまで下げるとジュニアサイズだったり、タイヤの選択肢がほとんどない、などなかなか厳しい面もあります。

現代のフレームメイキングは自由度が高いですが、無理矢理ホリゾンタルにしているフレームというものは見当たりません。
スローピングフレームはサイズ展開が容易であることもありますが、このご時世、わざわざ設計はしない。

やはり資金を投入する、しないという判断は必要でありますが、しっかりここにもフォーカスできるのが僕たちのチームの規模感であります。

「150cm ロードバイク」などで調べてみると形状の傾向が見えてきますね。

タイヤやフェンダーのサイズで制約がある。

現代のフレームは結構太いタイヤを履けるようになっているので、タイヤの大きさ分、クリアランスを取らなくちゃいけない。

その上でフェンダークリアランスなども用意していくとなれば、必然的にフォークの長さが伸びていくので、そのままの長さで構成するならばスローピングさせるしかない、というわけだ。

もちろん、その他にもいろんな、複雑で複合的な理由により構成していくのですが、基本的にはこのふたつの理由が大きい。

関係ないけど、GROWNのCODAはこの問題で製作にかなり苦労しています。笑

STUFFが身長150cm台でもホリゾンタルに近い構成を実現できた理由。

緻密なジオメトリ設計。

STUFFは数値的に大きく見える510というサイズをSサイズとして、パイプ1本分のスローピングをどこまで守ることができるか?という部分を精査し、その上で50mmのタイヤを履くことができます。

通常であれば160cmくらいまでを推奨値とする中、ホイールサイズを若干下げることで最低地上高も突き詰めています。

オーダー時にホイールサイズを変更できる。

ホイールは29インチ(700C)と27.5インチ(650B)の二つのサイズから選ぶことができます。

乗り方によって向いているサイズ、というものはありますが、今回のバイクではフレームを大きくとっても足つきを良くするため、650Bのセレクト。

具体的な大きさとしては4cmほどなんですが、これは結構な差かと思います。

現代では短いステムもあるので、ハンドルまでの距離も取れることもポイントですね。

ぼくたちのこだわり。

EBS KYOTOではクラシックな組み方や現行のパーツを使用しているのにビンテージなスタイリングを大切にしています。

チーフビルダーが実業団系出身なので、ロードバイクの設計思想が息付く、しっかりとスポーツバイクである、ということは前提としておいて。

またがりやすいスタッガードやループ形状でのサイジングやスタイル実現はもちろんプロダクトとして商品化していて、そこからさらに、「このカタチに乗りたいんだ」という部分をただ実現するだけでなく、高次元でそれを成立させることを念頭においています。

チームのみんながあまり大きくないこともそれに起因しますが、全員が1番イメージしやすいカタチのなかからしっかり具現化していくという道筋がしっかり取れます。

僕は大きいフレーム、ホリゾンタルフレームに憧れがありすぎてなんとか大きく見せることができるフレームに乗ろう、という想いが強かったからこそしっかりサイジングができるようになりました。

ネット上で見た数値しか信じられない、ならば仕方がありませんが、ダイヤモンド型のフレームでカタログで見たようなものを目指したい、という方はあきらめずに僕にご相談いただければ嬉しいです。

このSTUFFの紹介。

それでは今回のバイクチェックをしていくよ。

身長が低くてもしっかり乗ることができるホリゾンタル系フレームのお話が強かったけど、バイクとしてかなり格好良いのでみんな見て欲しいですね。

乗りやすさを意識したフロント周り。

今回の仕様ではバイクパッキングでのビワイチやアワイチ、しまなみ海道などのロングライド&キャンプはもちろん、ホテルや旅館に宿泊する前提での荷物構成などもバッチリ対応。

ここからフロント、リアともにラックも取り付け可能なので、さらにタフなツーリングも可能です。

アップライトなポジションにセット。

今回使用しているハンドルバーはNITTO×EBSのドロップハンドル、EBS-30のSサイズ、460mmのもの。
このSTUFFにはもうドンピシャサイズでかなりマッチしていますね。

ステムは60mmをセレクトしていますが、35mmくらいまでを最短とできるので、3センチ近くまだ短くできるというわけですね。

クリアランスをしっかり取ってバイクパッキングにも。

ハンドルバーバッグのクリアランスもしっかり取れる幅で、さらに乗りやすいショートリーチにこだわった構成。

ロードプラスサイズでどこでもどこまでも。

ロードプラスというともう少し太いタイヤで周長を合わせたもののことを指しますが、今回はしっかり最低地上高を下げたいねらいと、あくまでオンロードツーリングの目線で製作しているので、あまりグラベル的なところを考えず、安心感のあるロードライフを楽しめるような作りになっています。

もちろん、グラベルのタイヤも履けますのでいつでもカスタム可能です。

フロント画像ギャラリー。

可愛さも、クラシックさも出せるナイス淡色ブルーをサイドから。

今回はかなり淡めのブルーをチョイスいただきました。

あるカラーとあるカラーをサンプリングしているんだけど、これ、名前に出すとダメらしいので想像にお任せします。笑

誰も何も言ってないけど、ダウンチューブのデカールをマイナーチェンジしています。

ちょっと質感UPしているのでEBSオーナー様のデカールセット購入もお待ちしております!

SHIMANO GRX Limitedをフルセットで。

今回の駆動系はSHIMANO GRXの限定版のシルバーをフルセットで。

フルセットで揃うことは流石にもうないけど、改めて、このセットをタイミング良くゲットできた方は大切に、そしてガンガン乗ってやってほしいですね。

SHIMANOという大企業ともなれば、常に進化をしなければいけませんのでこれからも最新のパーツがどんどん出てきて、このGRXも旧型になっていきます。(実際にGRXは12速化し、Di2も出ている)

でも、電動シフトが万人に必要か?専用のフリーボディで12速構成することが万人に必要か?

となればそうではない。

全てのものが変わっていき、陳腐化もするなか、このGRXは燦然と輝くはず。

人ってなくなったあとに気づくので、評価されるのは市場から姿を消しているこの2024年〜2025年からされるはず。

ブラックパーツで作る方が合わせやすい(カーボンフレームなどはシルバーよりブラックが合う)ので、これからシルバーが出るか、はわかりませんが、この規格でシルバー系はほんとないので、ゲットできている方はラッキー!です。

僕たちは常にシルバーパーツのリサーチもしておりますので他の案もあります。
クラシックなツーリングロードを現行パーツで製作したい方はぜひご連絡ください。

輪行や車載に強い脱着式ペダル。

今回チョイスいただいているのはMKS、三ヶ島ペタルのGAMMAというペダル。

街乗りにかなり調子いいRambdaというペダルの系譜を継いだバイクで、Rivendellの別注品のような立ち位置です。

実際、僕も使っていますがこのペダルはマジで良いです。

なぜ輪行や車載では取り外しが有利なのか?

自分の車、レンタカー、そして電車。
輪行といっても色々ありますが、基本は「スリムに、コンパクトに」というところ。

車ではリアゲートから入れた時に「ペダルさえなければ、、」というシーンが結構あること、家族や友達と2台、3台編成になるとうまく載せるにはペダルの取り外しが必須、、ということもあるあるです。

まあ、ペダルレンチでその都度外せば良いんですが、工具が増えたり、面倒だったりとこれにあんまりメリットはない。

電車ではなんせ「人に迷惑をかけないように」ということが前提としてあります。
もちろん、自転車を正規の方法で運搬することは認められたことなんですが、やはり僕たちは少数者であり、僕たちのやりかたが悪ければいつでも禁止になるような脆弱な存在です。

なので、まずはしっかり邪魔にならないことが大切。
それを越えればその「少数者である」という最大限のメリット、「人があんまり経験していないことができる」のです。

実際自分の自転車で知らない土地スタートで走るのめちゃくちゃ楽しいです。

そして、電車の場合、自分にもメリットがあります。
「ふくらはぎにがちゃがちゃペダルが当たらない」ということです。笑
慣れればそのままでも当たるなんてことはないですが、1番出っ張っている部分で、かつペダルって食いつきをよくするために結構尖ってたりするので、(なぜかふくらはぎには良く刺さる、、)安全に、かつ安心して持ち運ぶことができます。

輪行には関係ないけど、ペダルが外れると室内保管でも結構便利です。

玄関に置いててスネ打ったり、壁を削ってしまったりなんてこともないので、意外にマンション住まいの方に人気だったりします。

こんな感じで根元だけ残るような構造になっていて、この根元はしっかり締めて工具がなければ外れないようになっています。

このペダルはMKSのEzyというペダル脱着システムの中でもスモールパーツの取り付けの必要がない「Ezy superior」というモデルです。

SPDペダルなんかも発売しているので、ある日はSPD、ある日はフラットペダル、なんてのをワンタッチで切り替えることもできます。

取り外し方法はツマミを引きながら回して取り外す。
わかりやすい(かは知らない)例えで言えば、ガスホースなんかの「カチット」みたいな感じで外せます。
しっかりカチッとつくまで取り付ければハードなライドでも安心して乗ることができます。

サイド画像ギャラリー。

白のカンビウムがマジで合ってて可愛すぎる。

グラベルロードやオールロードなどでもセンタースタンドが取り付けられます。

これ、オーナー様と話していると意外に選ばれるポイントになっているんだけど、センタースタンドってめちゃくちゃ便利だけど取り付けられない車種もあるんです。

多くの場合、挟み込んで取り付けるんだけど、自転車そのものに噛み込ませるのでちょっと凹んだりするんだよね。

EBSの自転車フレームは基本的にセンタースタンドプレートが溶接されているのでこの穴にボルトを取り付けてすぐにキックスタンドとして稼働できます。

ちなみに、現在EBSでセンタースタンド台座が標準装備されていないのは

・FLOAT 451S/R 700S/R

・NEEDLE

・HOBO

・FARAWAY

・Bird

・GROWN I.G.Y

かな。

FLOAT451シリーズ、HOBO、IGYあたりはオーダー時に追加で溶接が可能です。
その他の車種は設計的にギリギリまで攻めているロードフレームなので取り付けそのものを想定していません。

身長150センチ台でも大型サドルバッグ取り付けが可能なSTUFFをリアから。

サドルバッグってフレームのサイズやシート高にかなり依存するんだけど、このSTUFFは限界まで下げてもタイヤにバッグは擦りません。

そうなるようにサポーターを曲げた、ってこともあるけど、逆に言えばそのくらいで取り付けが可能になるってわけ。

積載量を増やしたいけどこれ以上は何も取り付けられない、フレームバッグパンパンなんだよな〜、みたいなところからしっかり解放され、重量のバランスも取れてハッピーなのです。

しっかり容量のサドルバッグ。

今回はSwift Industriesオンリーで構成。

キャンプライド、というわけではなく、旅やツーリングをしながらホテルや旅館に泊まって、というスタイルなのでそこまで大きい荷物ではなく、着替えや工具、カメラ、フード、ドリンクを入れてお土産スペースを確保できる、くらいの積載量です。

サドルバッグは単体で取り付けると暴れてライドが行程以上にしんどくなるのでしっかり保持してくれるサポーターを取り付けています。

ちなみにバッグはSWIFT INDUSTRIESのzeitgeist pack。12リッター。

ツァイトガイストって読むみたいです。
ドイツ語で「時代精神」を意味し、ある時代の社会や人々の間に広く行き渡り、その時代を特徴づけている精神を指す、らしい。かっけえ。

CARRADICE bagman QRでしっかりバッグサポート。

最近ずっとOACのバッグサポーターに勢いやられがちだったけど、ここに来てやはりの老舗が盛り返してきた。

伝統的なメーカーの出す便利装備は間違いなかったというわけですな。

というか、この方はJack Rackなどで現在フロントでも使われているので(言い出せばTimTasなども出していたけど)やはり間違いない形なんだな、と思う。

このバッグサポーターはQR、クイックリリースの名の通り、指先ひとつでバッグが取り外せるようになっています。

スイフトのバッグはまだ外しやすいんだけど、革ベルトとかだと一苦労します。

で、だんだん痛んできたりするのでこのシステムはかなり有用です。

バッグサポーター自体にこんな感じのアタッチメントが付属していて、インシュロックでしばって留めます。

で、このツマミを内側にピンチすると…

こんな感じでロックが解除されるわけですな。

ここにさっきのアタッチメントを通すだけ。

圧倒的に速い。

バッグを共用していたり、取り付けずにライドする日もあるし、泊まりでこのバッグだけ持ち運んだりしてもいい。

ちなみにこのバッグはストラップを取り付ければ肩かけのバッグにもなるので、ライド中のサコッシュ的立ち位置にも良いですね。

リア画像ギャラリー。

STUFFの製作状況。

STUFFは現在MサイズとLサイズのストックを製作中です。

本数的には2本ずつくらいEBS KYOTO分としてストックできると思うけど、スケジュール次第ですね。

納期としては3ヶ月〜くらいで、今が1番速いタイミングです。

今回ご紹介したSサイズは、ちょっとジオメトリーを変更する案が浮かんでいるので現在は完売状態としています。

構想としてはもう少し身長的に小さい方にも乗っていただけるように、150cmでもグラベルロードやオールロードに乗れる!

無理やり小さくしたサイズでなく、破綻のないサイズを狙う予定です。

実現できるかどうかはわからないけど、あと25mmくらい追い込めればいいな。

もちろん、格好良い自転車を製作したいので、ここが不可そうなら現行と同じジオメトリーで製作します。

MとLは今までどおりです。

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