2024 Frame making now Online Store

I’s Custom order / EBS NEEDLE !!

今週は製作本数的にはレアリティの高いNEEDLE。
年間の限られたタイミングでしか製作しないので
少しお時間はいただく、、んだけど、
今回はEBS KYOTOに一本ストックできたので
フレームの成り立ちからスタートしようかな。

NEEDLEって?

E.B.Sは基本的にマルチというか、拡張性の高いフレーム、
取り付け穴がいっぱいついてるとか、
このタイヤサイズまで余裕で〜、とか、
なんでもできる自転車、を推すことが多い。
それは街乗り自転車から始まるツアラーなど、
オーナーそれぞれの生活に寄り添う、ってのがEBSの理念だから。

では、「これしかしたくねえ!」って人はどうしたらいい?
とか
例えば僕。
シングルが好きだ!便利かどうかは二の次だぜ!
みたいなパターンもある。笑

新規のカスタムでそういったフレームを製作することもあるけど
純粋なロードなんかも作ってます。

それがNEEDLE
かなり純粋にロードバイク成分を煮詰めて濾過した
走りのバイクです。

取り付け穴など一切なし、
フェンダー、バスケットやラックなども想定なし。
700×28Cクリアランスで軽めのバイクパッキング、
そんなスタイルで街からツーリングまでこなす
ディスクロードというスタイルですね。

NEEDLEの基本仕様。(2022/11現在。)

フレームマテリアル内径変化(バテッド)パイプ内径
Kaisei 019 フルクロモリダブルバテッド0.8mm-0.5mm-0.8mm
Kaisei 022より一段階肉薄なパイプセットを使用し軽やかに。
NEEDLE/M (520)

今週のご紹介は
I様カスタムオーダーのNEEDLE、Mサイズを。
ディスクロードだ、ってのにシングルカスタム、そういうの好きです。笑

フレームサイズシートチューブ長身長目安
S size500mm165cm〜
M size520mm170cm〜
L size550mm178cm〜
XL size受注製作

サイズ感としてはこんな感じ。
XLは受注製作、だけど基本的にNEEDLEは受注製作みたいな感じなので
規定サイズ以外をオーダーしてもそこまで製作日数は変わりません。
とはいえ、設計を引き直すのでその差はあると思うけど
年間に2回くらい製作するスケジュールです。

コンプリート設定価格(税込)主な仕様
Frame/Fork Set¥170,500-フレームとフォークのみ
SHIMANO 105 Complete Base¥396,000〜105ベース
Custom CompleteASKフルカスタム可能!

コンプリートは大体こんな感じかな。
やっぱりロードジオメトリ、ってこともあって
ロードセットで組まれることが多い。
SORAで組むもヨシ、フロントシングルで組んで下さってる方もいらっしゃいますね。

やはり値上げの波は続きますが、
この種のロード、ディスク、ってのは長く使えると思うので
最新規格、ってよりは1インチの細身なクロモリフレームにディスク、っていう
MIXの良さがわかる、これだよ!ってなる方には強烈にグッとくると思います。
といってもこの型はEBS KYOTOにある最後の一本で終了なのですが、、
特にこのカスタムではこの規格、サイズが必須になってくるので
やはりQRディスクは貴重かつ汎用性高いですね!

細身なチューブなので
クラシックなセットで組むのも良い、というか最高だけど、
ストリートな空気感じるスパルタンな方向も好き。

オーダーの流れ」、
いつも通り長いですが、
ご検討されている方はこちらもどうぞ。

仕様表。

部位ブランドパーツ
FrameE.B.SNEEDLE
ForkE.B.SNEEDLE
HandlebarNITTORB-010
StemNITTONP Stem
BartapeBROOKSLeather
Brake leverTestachAid arm
Bar endNITTOEC-02
HeadsetCHRIS KINGGrip Nut
BrakeJuin TechR1
Disc RotorAshimaAir Rotor
Seat postNITTOS65
SaddleBROOKSSwallow
Seat ClampN/BM6
Frame protectorGBShort
BBWhite IndustriesMR30/Ceramic
CrankWhite IndustriesR30
Chain RingWhite IndustriesTSR 48T
PedalMKSSilvan Stream NEXT
Front HUBWhite IndustriesXMR
Rear HUBWhite IndustriesENO
SpokeDT SwissCompetition
NippleDT SwissCompetition
RimTNI32H
TirePanaracerRACE C EVO 4
TubePanaracerEX
Free WheelWhite IndustriesENO 16T
ChainIZUMIJet Black
WireNISSENClear Black
QRTRANZ X

フレームカラー。

フレームカラーは自転車の歴史としては純粋なブリティッシュグリーン。
あれ?ブリティッシュグリーンってもうワントーンくらい落ちるよね?
って思うかも、だけど、過去の歴史を紐解くとこのくらいの明るさでした。

これは天候だったり、当時の再現でしかないので
なんとも、だけど、Pashleyのグリーンがこのくらいのベースで存在してるんですよね。

今回はカラーはクラシックに、他はちょいと格好良く、
ストリートなスタイルをイメージされていたので差し色込みでこの感じで仕上げました。

ツヤツヤの仕上げは高級感があり、
なによりハニーカラーのレザーと相性が良すぎる。
長く使っていくとより渋さが出てくるので
これからも楽しみなバイク。

フロントビュー。

最近インスタなどでも多く紹介していた
ブルホーンに先端付けの構成ですが、
当然700ロードにも合いますね。

僕もピストにブル、ってスタイルは年間で何回かやりたくなるやつなんで、
このスタイルでガンガン走る!っての、おすすめですし、
実は街乗りもしやすいんですよね。
全体かなりシンプルだけどしっかり主張してくるバイク、最高。

全体的に長寿命なパーツで構成されていて、
ガンガン乗ってもへこたれない強さがある。
黒基調でまとめたパーツ類はハンドル、ステムはNITTO。
この形が好きすぎておすすめしてますが、これじゃなくても良いです。笑

ヘッドセットはKING。
間違いない上にやっぱ渋い。
KINGはメンテフリーレベルで丈夫なヘッドですが、
自分でメンテナンスすることもでき、
年間単位である程度調整しておくと一生使えます。

このバイクを製作した時でたしか17000円くらい、
今は30000円くらいするので、今も昔も高額であることは間違いないですが、
使った方、バイクショップの人間は今のこの価格でも
費用対効果は十分、むしろ適正価格。くらいのセリフが出るレベルです。

長く使うなら、早く導入しておくのが良いパーツの一つ。
リーズナブルなものでも問題なく使えますが、
KINGを入れても、何を入れてもメンテ頻度は大体同じです。
ヘッドを月に一回開ける人はもうそれプロライダーなんで、
やっぱここは1年、2年くらい放っておいても大丈夫そうなものを選びたい。
交換するとなるとフォークを抜く作業が発生するので
まあまあ高額になる、のと、それはパーツ代金ではないので
なんだか勿体無い(お前がいうな)と感じてしまいますね!

バッヂはブラック仕様。
マットな質感で、だんだん剥がれてシルバーが出てくるくらいの感じで仕上げてます。

ワイヤー類はオールNISSEN、
真鍮のアウターキャップなどをチラ見せし、
全体の隠れテーマであるゴールドを細部に。
経年でガンガン変化していくので
くすんできて完成。

ハブはWhite IndustriesのXMR。
ホワイトのパーツは全て圧倒的な精度とその造形美が
人を魅了させるけど、どれもばっちり性能引き出されていて本当すごい。

今回は前後6Boltで構成したかったのでXMRをチョイス。
アダプターもあるし、センターロックのタイプもあるし、
SHIMANOでも、Campagnoloでも、SRAMでもあとからボディ変更ができて、
工具一本でベアリングまでバラすことができる。
3本のビスが入ってるんですが、
緩めて展開、はい、完了、ってのはなかなかできることじゃない。
OHの時間が短くなる、ってことはメンテがラクだし、
僕にお任せしてもらう時でも工具を二つ以上つかうハブに比べて圧倒的に安価です。

初期投資は確かにちょっと高いですね。
車軸にこんなに?!ってなる。今もなる。
けど、かなりおすすめなんです、使えばそれがわかる!
みたいな胡散臭いかんじになるけど、マジです。笑
今は結構リードタイム長い(120-200日)ので
気長なオーダーよろしくです。

ブレーキはジーンテック、っていう台湾のブレーキを。
内部油圧のハイブリッドなんですが、これ実測Equalに匹敵する軽さなんですよ。
別に軽さにこだわってるわけじゃないけど、
価格、セッティングの容易さ、性能、かなりハイレベルです。

結構カラー設定もあるので
運が良ければポイントカラーにもできそう!
ローターはエアータイプで。
NEEDLEは140mmローター設定なんですが、
この小型ローターがめちゃくちゃ良いんです!

ラグドフレーム、Kaisei 019、1インチヘッドにディスク規格。
これ、探してもまずないというか、昨今の流れにがっちり逆らってるので
良いと思える方に届けば最高。

サイドビュー。

このバランス最高すぎる。
フレームカラーだけ好きな色でオーダーして同じ仕様で!
って言ってもOKなくらい愛される黄金比でできてると思います。

ラグフレームなので
ラグだけメッキしても良し、メタリックなカラーで表現しても良し、
思いっきりクラシックな塗り分けで構成しても良し、です。
ドロップハンドルももちろん似合う、というかそっちが正統派なんで
ロードスタイルもオーナー様には試していただきたいですね。

サイドからはまずはBROOKSのサドル。
バーテープと同じく本革ですが、
受注停止となってもう一年位経つのかな?
EBSではBROOKSかなり、というか鉄板パーツなので
かなりの数確保してましたがやはり人気の形、カラーは完売してきてます。
これも昔1万円くらいで買えたものが今3万近くなってるので
長く使えるパーツは早めに入れて、自分と過ごした歴史を楽しむのが一番です。

多分、BROOKSを一回使い切ったことがある方はまた買われると思うんですが、
その時に仮に4万円だったとしても7-10年くらいは使えると知ってる方は
そこまで高くない、とも思えるはず。
いや、高いか。笑
でも、もう下がったりしない。リアルレザーじゃなくなる可能性はあるだろうけど、、
動物の革にまたがるなんてことは先の未来ではないのかもしれないけど、
馬から自転車へ。この時代の先端を生きる僕たちは
機能性と装飾性を併せ持った
本革のサドルに乗っていたストーリー、僕はこれを推します。

クランクセットもWhite Industries。
やっぱホワイトはクランクが一番有名だし、憧れてる方も多いはず。
これも値上げしているパーツですが、このクランクが一番
「僕にとっての長く使える」を体現していると感じます。

クランクなんて正直回ればなんでも良い、その気持ちもめっちゃわかるし、
安いのつけてても10年くらいで折れたりしないです、
というか事故でも折れたりそうそうしないです。

じゃあ、なぜこのクランクなのか?というと
「時代に左右されない」からです。
ホワイトのクランクの考え方はずっと基本的に変わっていなくて、
良い素材で、高精度に。基本これだけです。

毎年買い替えを促し、
自分が儲けるために地球にゴミをばら撒いたりする売り方にはうんざり。
再生可能なアルミや鉄ならまだしも、ですが、繊維系となるとかなり厳しい問題です。
で、そんなことを気にしている時点でもしかしたら負けかもしれませんが、
やはり向こうも(誰と戦ってんだこれ?笑)プロであり、めちゃくちゃ良い製品作ってます。
新製品が出た瞬間に自分の持っているグレードが陳腐化する、それを一番避けたい。

例えで言えば、僕はApple大好きで、
最新を追いますが、これどうなん?
ってなるくらいペース早いし、えぐい高額になってきてます。
もちろんリサイクルなどの考えは日本の2億倍しっかりしていて、
自分たちの征く道が正解となるよう本気で取り組んでるのを知ってるから応援できますが、
日本の自転車はビニール傘レベルで棄てられています。。

いつからこうなったんだ、はここでは語りませんが、
ホワイトにはそれがない。
当たり前に丈夫だし、来年も、再来年も「間違いないもの」として使えます。
プラス、古いモデルが「渋い」に変化する稀有なブランドで、
一個前のENOとか使ってるの見るとうお!ってなります。
傷だらけかもしれんし、泥だらけかもしれんけど、
長く使うことそのものが格好良いとなるブランドはマジで推しです。

歯数構成は48T。
シングルでは最もスタンダードな構成にしてあります。
BBはセラミックベアリングでかなり調子良い。
差し色でゴールド、BBは目立ちにくいのですが、
ある方向から見た時にカスタムしているのが一発でわかる渋いポイントです。

レバー台座もしっかりブロックで目隠し、
ペダルは使いやすいラットトラップのネクスト。
長く使えるアイテムだけで構成されており、
10年、20年後が楽しみです。

リアビュー。

テストライドしていても思うけど、
NEEDLEはマジで軽やか。同じラグで019のHOBOとはまた違う
短距離間でのパンチみたいなものも感じることができます。

このセットアップだと
2、3キロの短距離から50-100あたりまでの中長距離ライドまでしっかりこなします。
シングルなんで山にそこまで向いている訳ではないけど、
例えば京都〜大阪間はサイクリングロードで往復ちょうど100キロくらいです。

登坂もなく、自分のペースで休憩もでき、
どこから外れても街があるので練習にも、遊びにも。

モデルチェンジしましたが、
Panaのロードクリンチャータイヤがめちゃくちゃ良いので
楽しみながら使いまくって欲しいですね!

リアは少し特殊なカスタムを。
EBSはフレームビルダー、工房なので、本来こうしたトガったオーダーは
「ないものは作る」精神でそれ専用のフレームを製作したりすることが多く、
今回のカスタムもそっちにかなり近かったのですが、
個人的にどうしてもいつかロードスタイルを試して欲しい空気感を纏っておられるオーナー様で、あえてお願いして純正に近いスタイル、フレームに追加工を入れずにパーツで持っていきました。

やはり特筆すべきはエキセントリック機構のハブとブレーキ。
本来、ショートドロップエンド規格のフレームは
チェーンにテンションをかける機能をRDに任せているので
シングル化はチェーンテンショナーを使う、もしくは
全くお勧めしない半コマ詰めなどがありますが、
どれもメンテ性、ルックスと満たすものではありません。

これを解決するにはBBもしくはハブに偏心機構がついているもので
円弧でテンションをかける、という方法ですが、
これを可能にしているのがWhite IndutriesのENO eccentric(Disc)。
ディスクブレーキかつシングルフリー、という規格に対応。
NEEDLEのシンプルさを活かしたままシングル化。

フリーギアも同じくホワイトの16T、ENO。
これはフリーギア界では最高峰のフリーで、高級感のある音色のラチェット、
結構壊れやすい場所なんですがしっかり高耐久です。

ブレーキはフロントと同じですが、
リアは偏心しているので当然偏心させなければいけません。
これ、外国からめちゃくちゃ問い合わせがくるんですが、
このパーツもホワイトです。

今回はマジでギリギリの高さでマウントクリア。笑
ここ改変するとカドが目立たなくなるのでよかった。

チェーンはIZUMI。
リンクだけゴールドを採用、ばっちりマッチしてますね!

NEEDLEはセンターのフェンダーホールなどもないので
何も取り付けはできませんが、だからこそ生まれる後ろ三角の美麗さ。
このストンと落ちるリアが好みの方は多いのでは。
僕も競輪フレームなどが好きなのでめちゃくちゃ気持ちわかります。笑

このバイクの製作秘話。

ご家族でご来店、ご夫婦で2台のオーダーだったんですが、
ご主人のこのバイクはなんかある程度ノリで決めてもらった気がする。笑
奥様に思いっきり時間を割いてもらって、これはある程度お任せいただきました。

ノリ、っていってもバランスは選んでもらっていて、
各部をこのくらいで!みたいな一番嬉しいけど、
ある意味一番緊張するオーダーでもある。

全員のバイクがそうなんですが、
納車前夜とかめちゃくちゃ緊張してますからね。笑
自信満々で作ってますが、
ダメ、って言われたらそれはダメ、ってのがオーダーなので。

ゴルフの談義をしながら(僕は無知識ですが)
すぐに乗れるやつないの?ってなって良品の中古ミニベロを一緒に探したり。笑

僕はEBSに所属していますが、
ただのイチ自転車好きなんでそのあたりはくだけたご相談大歓迎です。
もちろん商売なので、さすがに一切の利益をとらない中古市場などのお話は
オーナー様のみのご相談となりますが、
こんな自転車を予算安く、自分で組んでみたい!などは自転車好きだったり
大切にしていくと必ずある欲求なので、
そこの味方であり続けたい、ってのがスタンスです。

オーダー、ハンドメイドなどのワードが好きな方は
まず工具とかにもこだわりたい方が多いのでそれはそれは沼ですが、
めちゃくちゃ楽しいと断言できます。

現在のNEEDLE フレームストック状況。

サイズカラーフレームカスタム販売方式フレーム価格(税込)コンプリート価格(税込)
M(520)サンドグレーカスタムなし・フレームセット
・オーダー組み付け
¥180, 000-¥350,000〜
S(500)未塗装状態カスタム可能・フレームセット
・オーダー組み付け
¥170,500-オーダー受付中
M(520)未塗装状態カスタム可能・フレームセット
・オーダー組み付け
¥170,500-オーダー受付中
L(550)未塗装状態カスタム可能・フレームセット
・オーダー組み付け
¥170,500-オーダー受付中

NEEDLEはほぼ確定で値上がりすると思います。
おそらく発表は2023年ですが、税込で20万いかないくらいにはなると思います。

現在のストックとしてはベージュとグレーの間のようなカラーのMサイズが一台、
これは105ベースで組み込むのが最もお得な設定になっていて、
納車も二週間かからないくらいなのでかなりお得です。
もちろんどんな仕様でも組み付け可能なので
いろんなご相談いただければ最高です!

次回製作はまだ未定、おそらく2023年9月あたりかな、と思います。
残念ながら店頭展示車が全て売れてしまったので
フレームしか見せることができないのが難点ですが、
多分このグレーのフレームは12月には組んで展示すると思うので
ご覧になりたい方は待つもよし、
オリジナルで組みたい方ははやめのオーダーよろしくです。

インスタグラムDM、公式メールどちらでもいつでもお問い合わせくださいね。

ではでは。。

MASN


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