安物買いはもうやめたい。長く乗れる「ちゃんとした自転車」の話
なぜ、僕がこの話をしようと思ったか。
今日は完全に読み物。
これで迷ってる人がやっぱり多いので、お問い合わせがあれば毎回その人に合わせたご連絡、ご回答をするんだけど、FAQ的に回答を書いておいたらみんな安心かな?って思って書いてみる。
完成車とオーダー、どっちがおすすめですか?という質問へのじっくり回答のため。
この質問はやっぱり多い。
本来、完成車としてメーカーが販売するものはあくまで自転車としての形を成すキットとして徹底的に価格追求したもので、
良いタイヤ履いてる、とか、良いヘッド入ってる、とかはあんまりない。
これがダメという話ではなく、価格追求して、まずはスポーツバイクに触れてみよう、という体験を提供する自転車は必ず必要だ。
EBS KYOTOで製作している「完成車」(EBS KYOTOではスタートモデルと呼んでいます。)は今までいろんなメーカーのバイクを売ってきた僕が、半年くらいで裂けたりパリパリになっちゃってタイヤがダメになってるとか、2年後くらいに店舗に帰ってきて、ヘッドのベアリングがすり潰れてる、その修理は万単位、とか、それって「もう、自転車いいわ…」ってなっちゃうんじゃないの?というものを回避したり、できるだけ長く使えるように工夫したものを入れた価格になっていて、他の完成車とは毛色が違います。
もっというと、海外のいろんな自転車を組み立てる工場で流れ作業でバリバリガリガリ組んでいくのではなく、全てひとつひとつ僕が組んでいる、というのも大切な部分のひとつ。
いつ連絡がきても、僕が選んで、僕が組んで、としたものなので、どれが内部的にどうなってるかわかる。
的確なアドバイスができるので、EBS KYOTOで僕から買っていただいた方はいつでも僕を呼び出せるメリットもあります。
正直、どちらにも思い入れがあって、どっちかを“劣っている”とは思っていない
では、完成車だけを作って売ればいいじゃん、「完成」してるんでしょ?という話なんだけど、そうでもない。
手の長さや足の長さは乗り慣れてきて遠いと思ってたものが近く感じることもあるし、逆もあるので、そのあたりの調整可能な部分は完成車でもオーダーバイクでも関係なく交換ができるんだけど、オーダーの自転車はオーナー様と僕で作っていくので、お話を聞いて、その中でさらに気づく「本当に欲しかった形」みたいなのが具現化できます。
完成車も僕が選んで、組んでいるのでEBS KYOTOで出したい「ニオイ」というか、雰囲気は確実に出ているけど、その人のエッセンスが入ったバイクはその人でしか作れない。
赤色が好きな人でも、フレームに赤を入れる人もいれば、ワイヤーに差し色で、ハブにワンポイント入れたい人もいる。
グラベルっぽい感じが好きだけど、ギアはそんなデカくない方がいい人もいるし、街乗りでもめっちゃ軽いギアが欲しい人もいる。
バッグが好きな人、本来取り付けられない規格をどうしても取り付けたい人、変なことするのが楽しい(わかります)人もたくさんいる。
どっちから始めても目指す方向は同じで、「長く使える自転車」を目指します。
それって素材の強度だけではなくて、「気に入ってるから乗る」「好きだから大事にする」のは愛着があってこそ。
完成車に少しづつ手を入れていくのも良いし、オーダーで自分の入れたいパーツ、高機能なもの、好きなカラー、追加の溶接などを施すのも良い。
好きでい続けられる自転車。=結果的に安く、楽しく、長く楽しめる。ということです。
これは昔はあんまり理解されなかったけど、昨今のモノの値上がりを感じた人は多くて、道具は長く使う方がお得だってことをみんな知って、その分体験や、美味しいご飯にかえて行った方が充実する。ってことが増えたので、みんな知ってるよね。
この記事では、その違いとそれぞれの価値をちゃんとお伝えしたいですね!
「完成車」とはなにか?
そもそも「未完成車」は存在する?
自転車買うんだから完成しているのは当たり前でしょ?
というお話はごもっともです。笑
なぜなら、自転車にはフレームを買って自分で組むバラバラから完成させる、いわゆる「バラ完」という組み方があって、その場合は「フレームセット」というものを購入し、自分でやったりショップにやってもらったりします。
僕も、業界に入る前は「フレームセット」の価格を見てショップに行き、戦慄したことがあるので、できるだけEBS KYOTOではそれがわかりやすくなるように表記しているんだけど、これは輪界独特の風習(車はシャーシだけ買わないもんね)なので、ちょっと申し訳ない気持ちにもなる。
なので、見出しのような「未完成車」は存在せず、存在するのは
・フレーム…フレームだけ。パーツの他に、フォークが付属しないのでフォークも必要。
・フレームセット…フレーム+フォークであることが多い。(ヘッドパーツやBBなどが付属する場合も)
・完成車(コンプリートバイク)…基本的にこのまま乗れます。(ペダルレス表記の場合はペダルが必要)
というざっくり3種です。
完成車にも「ペダルがない(ペダルレス)」というものが存在するのが最高にややこしいけど、「ペダルを買わせてやるぜ〜!」ってわけではなく、「それぞれに合ったペダルの大きさや形式」があるためです。
僕はデカめのスニーカーを好んで履くんですが、これでロード向けのフラットペダルなんて使うとクランクに擦ってロゴも消えるし、靴も汚れます。僕に合うペダルは踏み面の大きいやつ。
これがコンバースなどのスリムなスニーカーの場合はロード向けのコンパクトなものが使えるし、しっかり走る人はそもそも付属しているペダルは必要がなく、SPD(ビンディング)ペダルで、靴と連結して使う方が満足度は当然高い。
その延長線にあるのが、できるだけ全て自分の好みに合わせた「オーダー」や「バラ完」で、いろんな選択肢は理解すればむしろ楽しく、お得に組むことができる可能性を高めるものです。
パッケージとしての完成度
完成車は、僕が使ってきた、いろんな自転車を販売してきた中で「これは安いけど、良いものだな」「5年後開けてみてもなかなかいいじゃん」と思ったものを使用しています。
ホイールなどは廉価な完組を使用することもありますが、ご要望があればチューンしたりして、そのホイールのポテンシャルを伸ばせるような工夫をしています。(チューン=長く使える、ってわけじゃないのも深いとこ。)
パーツは“妥協なし”で選んでる。(まぁまぁ良いパーツで、長く使えるものを基準に)
基本的に、大量生産のマスプロ車は完全なるプロフェッショナルのマーケターなどが所属しており、広告などの全ての費用がインクルードされ、製作台数に対する予算感が先に決まります。
なので、積極的にコストカットされるタイヤ、チューブ、ブレーキ、サドル、ヘッドやBBなど、いつでも中国などで手に入る安価なものが使用されています。
メーカーによって、その分フレームにこだわる(ちょっといい素材を)、サイズ展開にこだわる(いろんな人に合うように)など、味付けがなされますが、それが「一生モノの自転車」か?というと僕の中では違います。どう考えても壊れるパーツが入っていて、それはモノである以上仕方がないけど、最低限のラインを超えてコストカットされてるな〜と感じるものは使いません。
消耗品を交換、修理しながら10年、20年乗れる自転車、長持ちする素材で、買い替えたくない自転車を目指しています。
基本は万人に合うように設計、でも質感や雰囲気はEBSらしさを詰めてる。
昨今はレベルの下がってしまった「普通」という言葉。
でも、EBS KYOTOではどこまでも「普通」を目指し、それを高水準に製作します。
EBS KYOTOの完成車ではちょっとだけ変更ができる「パターンオーダー」的な部分を目指していて、雰囲気はオーダーと同じく、できるだけ低価格を追求しています。
スタートモデルで変更が可能なのは、フレームのカラーやサドルとグリップの色、タイヤの太さなど。
これだけでもオーダーと呼べて、かつ中身はしっかりしているのでシンプルにおすすめできる仕様になります。
完全に僕が独自にセレクトして、カラーから構成まで決めた本当の「完成車」も常時数台用意しているけど、こっちは決められる部分がない分、ちょっと安くしていたり、よりハイグレードなパーツが入っていたりします。
誰におすすめか?
完成車やスタートモデルがおすすめなのは良い自転車を修理しながら使いたい人、安物を買って後悔したことがある人や、自身を初心者だと思っているけど(自転車に初心者なんかないので気にしないで)、自転車にちょっとこだわりたくなってきた人などはとってもおすすめです。
はじめてスポーツバイクを買う人
スポーツバイク、って、見れば見るほど、そして買い増すほどに自分の中での予算が上がります。
僕は1番初めに買ったスポーツバイクは10代の頃の6万円で、それまで中古のママチャリを3500円で使い捨てていた僕は「自転車に6万円だと…?」と思っていました。
時代が移ろい物価も価値観も変わったけど、今は30万円くらいの自転車をまずはおすすめしている立場で、この価格が特別高いとは思っていません。(国産クロモリ、完全ハンドメイド、僕の選定するパーツで組むと多分世界最安)
でも、高いじゃん?だから、後悔せず、ある程度価格を出すからこそ長く乗りたい、長く続けたいと思う人が、数年後にも買ってよかった、と思えるものをご用意しています。
まずは「気軽に自分の生活に馴染むバイク」が欲しい人
僕は、今の所クロモリフレームで、鉄の丈夫でガシガシ使える部分を活かしながら走りは軽快、という部分を目指しています。
傷だって入るし、汚れます。
手入れもできればマメにしてほしい。
けど、これほど日常に馴染むスポーツバイクもないと思う。
10年乗れる自転車って、実はそんなに多くない。
通勤だけ、遊びにもいく、ガッツリ買い物も、そこからロングライドへ。
どこからでも何にでもなれる。あなたの生活にもしっかり馴染みます。
急ぎで乗りたい、でもちゃんとしたものがいい人
僕が組み込み済みの展示しているバイクは最短即日、ご来店いただき、乗ってみて、気に入ればその日に乗って帰ることができますし、「ここだけ変えて欲しい!」みたいな時でも長くても2週間、ってとこです。
スタートモデルは好きな色が決まってから塗装に入るので、工房で溶接されているフレームを磨き直して、塗装して、焼き付けて乾燥させて、その間にパーツを集めて、組み付けて、お渡しするまでが最短3ヶ月〜くらい。
ふわっと行って、「じゃあこれで」って感じでサクッと乗って帰る、、とはちょっと違うんだけど、春に思い立てば秋までには、秋に思い立てば次の春までには乗り出せるので、これからの10年、20年を考えるならこの待ちは「楽しめる期間」だと思っています。
すぐに乗って帰れるバイクも一切妥協なし、むしろ僕が好きな構成でやってるので、サイズが合えばめちゃくちゃおすすめでもあるので、ほんとにすぐ欲しい!って方はぜひ、です!
自転車のオーダーとはなんなのか?
一緒に悩みながら作るプロセス
EBS KYOTOでは、設計図から数値を決めるフレームフルオーダーではなく、「自転車ってどう組めば良いの?」「どうコーディネートすれば良くなる?」という、欲しい仕様を相談して決めていく「フルオーダーバイク」です。
なぜ数値から決めないのか?という理由は今の倍くらいのフレーム価格になってしまうこと、何千本と作ってきて、街乗りで適正である数値や走るフレームの数値のノウハウが貯まっているので、気軽なオーダーでも間違い無いラインに乗せることができるからです。
最初は「何がいいのか分からない」状態から始まる
はじめてオーダーをする方はもちろんですが、乗ってきたかたでも違うジャンルだったり、便利にしたいけど便利ってなんだ?と思うことがあったり、こうはしたくない、という部分があったりします。(便利が良いけどママチャリは嫌だ、みたいな)
それでも、「ずっと使える自転車が欲しい」っていう声、めっちゃわかります。
このオーダーバイクは買い換える前提じゃなく、手を入れながら乗り続けるために作ってますので、使い捨ての時代じゃなくて、“育てる自転車”があってもいいと思うんです。
そんな、ずっと使える自転車が欲しい人へ。10年後も好きでいられる1台の選び方を一緒に探すために僕がいます。
そこからやりとりを重ねることで、本人すら気づいていなかった“好き”が見えてくる
例えばロードバイクが欲しい、と真剣に思っていたとします。
でも、聞いていくと、安心して乗りたかったり、細いタイヤは少し怖かったり、軽量過ぎたり硬すぎる自転車が使い方に合っていないこともあるし、実は荷物も載せたかった、という気持ちに1週間後に気付く、なんてこともあります。
フレームのオーダーさえしておけば、そこから仕様を決める流れは2週間〜1ヶ月くらいあるので、そこで欲しくなったものを追加したり、逆にいらないものを削ぎ落としていけば良いのです。
これは、買う前にはわからない。
買った後にも買う前みたいなフェーズが続くのがオーダーの魅力であり、柔軟性です。
オーダーいただいたバイクには「そのバイクはどんなパーツで構成されているのか?」が書いてある仕様書が発行されます。
仕様書はだいたいA、B、C…と3つ4つ作って価格を追求したり、ロマンを追求したり、少しでも納期を早くするために今あるパーツを探したりと確定仕様の前に改変が続きますが、このやりとりの中でどんどん「自分の自転車のことがわかる」ようになってもらうのが僕の1番の目的です。
BB軸長の数値が何mmで、ここは、、なんて難しいことではなく、見返す時にも便利な「カセットはこれが入ってるからAmazonでスモールパーツを取る時はこの型番だな〜」とか、「ハンドルを交換したくなってきたけど、規格は合うのかな?」など、自転車を楽しむための基礎的な部分からギア比などの応用編まで、組み上がる時の方が自分の道具のことを知っている、という状況を目指します。なので、オーダーした時よりも、納車の日、より好きになる、惚れなおせるバイクになっているのです。(Amazon、安いけどできればご用命ください。一応ね。笑)
なぜ納車のときの方が好きになるのか
人間だって、知ってはいるけど知り合いでは無い人のことはよくわからないはず。
でも、知り合って、何が好きで、何に怒るのか。そんなことを知っていくうちによりその人のことを好きになると思うんです。
自転車もそれは同じで、「なんかわからんけど良い自転車買ってん!」よりも、「こいつはここがこうだから好きなんだよな〜」と、語れる道具にしておくことで、自分に寄り添う道具であるならば、メンテナンス、トラブルの時はもちろん自分も寄り添ってあげて欲しいし、人に言いたい、見せたい自転車になっていくのです。
承認欲求はある程度あった方が僕は楽しいと思ってるので、やっぱ自分のスタイルに合う、ナイスバイクに「いいね!」がいっぱいつく方が毎日楽しいと思います。
色、パーツ、使い方、全部が“自分に向いて”組まれているから
自分で選んだんだから当然なんだけど、全てが自分仕様です。
好きなフレームの色を選んで、使い方に合わせたハンドルバーやサドル、タイヤなどを選び、変速段数やライトの明るさなどを決め、乗りやすく、楽しめるように作られています。
それをEBS KYOTOスタイル、そして僕Masnと作り上げて、ミックスしていく。
僕が得意としているのはシンプルなバイクスタイルからスタートして、ファッションに合うバイクメイキング。
ごちゃごちゃさせるのは後からでもできる(もちろんはじめからも)し、流行ってるからといって、自分の好きなファッションに対して派手すぎたり、カントリーすぎたり、思い切りマーケティングに乗せられているような仕様を避けることで、本当に似合うものを探します。
僕に会ったことがある人はわかると思いますが、僕自身は極限までシンプルなピストから、思い切りマルチなグラベルバイクまで乗りますが、基本はすっきり、そこに自分が好きなものをどんどん載せて、ごちゃっとさせてるのに格好良い、シンプルなのに何故か存在感がある、そんな自転車製作を自身でも楽しんでいます。
「自転車と付き合う」って感覚が育ってるから
自転車って、パンクは運だし、走ればタイヤも減るし、チェーンも放っておけば錆び、ギシギシになります。
使い捨てにしていた僕の10代は、限界までほったらかしにしていた自転車がバーストして、自転車屋さんに持って行って、タイヤの交換費用やその他諸々が購入費を上回り、また中古の自転車(についているのも中古のタイヤです)を買う、、という無駄すぎる行為と、自転車にとって選べない所有者としてこれ以上ないブラックな環境で、水も飲まさない、ご飯も与えないで使い潰す最悪の監督でした。
これを読んでいる方にそんな人はもういない(多分読まないよね。笑)と思いますが、この自転車とつきあっていく、という感覚の醸成にはちょっと時間がかかります。
それを仕様書を交えてお話して決め、ちょっと期間を置くことで、色々調べたり、大切にできる要素を増やしていくことで、納車時にすでに「そうなっている」のです。
2つの違いは、「深さ」と「タイミング」。
完成車は“今すぐ始めたい人”に向けた“軽やかな一歩”
やっぱり、自転車って移動の道具だけど、かなり長く楽しめる趣味でもあります。
なので、始めるタイミングは結構重要。
思い立った時にオーダーして欲しいけど、やっぱり納期は重要なわけです。
フレームが完売したその瞬間のタイミングだと、次回製作は来年、おおよそ1年待ってね、なんてこともたまにあるので、「じゃあいいか、、」となる理由もわかります。
自転車、特にスポーツバイクの選び方は乗る前に悩みすぎるのはあんまり意味がない(合ってるかどうかは専門家の意見を交えた方が圧倒的に近道)ので、できるだけすぐ始めたくて、一歩を踏み出す整えが済んでいる方は、完成車の購入はこの上ないスタートになります。
オーダーは“深く楽しみたい人”に向けた“じっくりな旅”
じゃあ完成車は浅いのか?というわけではなく、完成車は僕が自分の時間を使って深掘りしているので、万人にウケるメーカー完成車より、少なくともEBS KYOTOにたどり着いた方には確実に深く楽しめます。
悩みに悩んだ期間。初回のご相談。そこから決まっていく仕様。待つ時間。納車。撮影なども楽しむ。
1番初めに脳内に刺さった「もう使い捨てない、流行りに左右されたくない」という思いからすでに旅は始まっています。
どっちが上とか下じゃない
完成車だから、、吊るしで買ったから、、という言葉、実際にあります。
僕は、お客さんの期間も長いので、そのちょっと気後れしちゃう気持ちもわかります。
でも、完成車も、スタートモデルも、オーダーモデルも、全て僕が1から組んでいます。
EBS KYOTOに置いてある自転車は全部「吊るしじゃない」です。
なので、完成車スタートだからなんなん?とも思うし、オーダーこそ至高!とも思わないです。
これが数千本を年間で売る大手メーカーなら自動で売れるシステムを作るんでしょうが、年間数十本しか作れない小さな京都のハンドメイド工房のクロモリ自転車です。
できるだけ、一人一人のご要望に合わせた、ナイスバイクを製作したい、という思いは変わらず、どのバイクにも魂が入っています。
どれも「Masnが自信を持って送り出せる一台」
EBS製作のバイクフレーム、ブランドで言うとEBS、GROWN、tobiraは「製作者の意図をできるだけ持たせない」みたいな性格を大切にしていて、オーダーが可能なすべてのバイクショップディーラーの誰が組んでも自由に表現ができるようになっています。
なので、僕もかなり自由に解釈していて、クラシックなフレームでもモダンな組み方を提案させてもらうこともあるし、弩級にそこにこだわる時もあります。
完成車でもそれは同じで、「こういう組み方もおすすめです」という一例の中でリーズナブルに構成を目指しているだけなので、どれもおすすめ、自信ありなのです。
入口のスタイルが違うだけ
僕は昔、踊る方のクラブでバーテンダーをしていたんですが、僕がいた箱は大箱で、オールジャンル開催する場所でした。
マニアックなものを好む方はワックだ、フェイクだと言われることもありましたが(時代的にも、会社的にも資金力めっちゃあって本物しかなかったけどね)、少人数で濃いイベントが良く感じる理由もわかります。
でも、みんな濃いとこから始まりましたか?って話で。
だれもが入りやすい、綺麗で清潔なクラブで踊るうちに、好きなジャンルがわかってきて、指向性の強いクラブやイベントを探すうちに、アンダーグラウンドな場所が好みになったりもする。
アンダーグラウンドに棲むようになったからオーバーグラウンドをバカにしたり、笑ったりするのがシーンとして1番意味のない行為で、僕はどこからどこまでいってもみんなを応援しています。
深く掘ることも、まずは広く開拓してみるのも最高じゃん?どっちも知れた上で楽しめればもっといいよね。
自転車も同じ。デュラエースが偉いわけじゃなく、グラベルルートを知っている数がすごさに繋がるわけじゃない。
それはもちろんすごいことだけど、どうせ人生一回なので、自分だけで追求して、まわりもゆったり楽しめればいいよね。
僕は、オールジャンルも、ゴリゴリのイベントも大好きなのです。
どっちを選べばいいの?
結局、どっちを選べばいい?は連絡してきてもらえれば全員にご返信します。
もちろん乗ってくれれば、オーダーいただければ嬉しいけど、僕も業界が長くなってきて(まだまだだけど)、チームEBSにも長くいて、僕のアイデンティティは「いっぱい売るぞ!」「営業しまくるぞ!」みたいなのはすでに過ぎていて、もし合ってる人がいれば一緒にやらせてもらえれば、って話なので、連絡したからといってしつこく営業なんてしません。なんだったら別のブランド紹介することだってある。笑(ダメだろ)
どなたでも、気軽にご連絡、ご質問いただければ、です。
こんな人は完成車がおすすめ!
散々語ってしまったので、簡単に言うと…(読んでくれた人最大サンキューです)
すぐに乗りたい
僕が真剣にかっこいい街乗りスポーツバイクや、タウンユースにも使えるグラベルバイクを作っているので、最短即日、発送でも2週間あれば手元に届きます。
今まで語った「本当は体験して欲しいオーダーの妙味」みたいな部分をすっ飛ばしているので、その分ちょっと人件費的な部分が安いです。
価格感が明確で安心したい
オーダーのバイクは、突き詰めるとどうしても高額になります。
「40万円に収めたい」「50万円でこだわりたい」などもオーダーの中で可能ですし、絶対守って欲しい価格内で僕がリサーチするので、しっかりご予算内で組んでいただけますが、やっぱ上も見ちゃうのがオーダーであり、趣味というものです。
もちろん、可能であれば良いものを使ってみてほしいですが、40万円、と思っていたものが(あと2万円だせばこれができそうだな〜)とオーナー様が思ってしまうのもめっちゃ理解できますので、そこは全オーダーで注意していることです。笑
なので、表示されている価格で買う、ということも僕は大切だと思っていて、25万円のバイクなら25万円できっちり組める、という安心感もポイントです。
スポーツバイク初心者
一回くらいは自転車に乗ってきた人生なら、ぼくは初心者などないと思っていて、それぞれに合った機材、やりたいことへの希望を満たせて、大人的なお金の使い方をするのであれば良いパーツを選ぶのは充足に繋がると思います。
初心者だから、安くて良いのか?ってのは僕はやらないので、乗り慣れた人でも国産車を安く乗りたい!ならその通りに構成ができますし、はじめてだけどフルカスタムが欲しい!ならそうすることも可能です。
僕は、長く使う道具は良いものを使いたいので、包丁も、文房具も、靴もしっかりお金をかけて、実際に長く使っています。
自転車で必要なヘルメットも、サングラスもそうしています。
仕事で必須になるカメラもそれなりのものを使っていますが、これは上がありすぎて今の僕では無理です。笑
こんな人にはオーダーをすすめたい
自分らしさを1台に込めたい
完成車はどうしても僕の意向が含まれます。笑
それをメリットとしてくれる方もいらっしゃいますが、やっぱり自分のオリジナルが良い!という方はオーダーで一つずつ決めていくのがおすすめです。
こだわりたいけど、選び方がわからない
これはもう絶対オーダーの方が良いです。
中身を知らずに買う、というのは僕が結構後悔してきたことなので、近くにサポートしてくれる人間が一人いるとかなり力になります。知識はAIで勉強できますが、専門的に扱うノウハウを持っている僕が納車後も直接DMでサポートできます。(技術に直結することは詳細すぎることは言えなかったりするけど)
仕様書の中でわからないことを聞くとしっかりお答えしますので、ひとつひとつ理解しながら進めることができますし、わからなかったことが急に線として繋がる感覚は好きになれるポイントだと思います。
ご相談料金や組み付け工賃が入ってくるオーダーだからこそ、料金内のことはフル活用して欲しいし、長い目でみた時、こいつ(僕)に聞きゃいい、って選択肢があることは大量に販売し、毎回いくたびに違うスタッフがいるお店にはない、少数製作=お客さんの数が限られている=できるだけ全員近くで見れるというのはかなりお得ポイントかと思います。
「長く付き合える相棒」が欲しい
完成車でも15年乗ってくれている人もいるし、僕も1986年のフレームを今でも現役稼働、所有しているので、オーダーでなければ相棒にはならない、とは思いませんし、違います。
でも、「あの時こんな感じでオーダーしたんだよな〜」とか、「納車時の写真が眩しすぎるぜ!」とか、「こいつとは長く過ごしてきたから、どうしてもこの日はこのバイクで行きたい」、「自分の自転車でこんなところまできたぜ!」という相棒感はオーダーの魅力だと思います。
長く付き合っていただければ最高だし、そうなっていく期間も全て人生の中のストーリーです。
どちらを選んでも、納車は“スタートライン”
「完成車」も「オーダー」も、納車からが本当の付き合い
完成したその瞬間が100点、ゴールではありません。
特にクロモリは「なじみ」がじっくり起き、育てていく中で「美味しい旬の時期」がかなり長く続きます。
もちろん100点を目指して作りますが、オーナー様が乗り、ガンガン使って汚れたり、サドルが自分の形になってきたりして、その人その人の「オーラ」みたいなのを纏いだし、ずっとそこにあるような存在感を出していく中で「完成」「マイバイク」に近づいていく長く使う、その長い旅を楽しんでいただきたいのです。
その人にとってちょうどいい1台を届けたいという想いは変わらない
ちょっとクサいセリフになっちゃいますが、こういうことです。笑
10年も同じチームで製作に携わると、僕の中に「EBS」という考え方が入ってきていて、どう語ってもEBSの理念が内在します。
プロレーサーでも全くなく、ホビーユーザーとしても足なんか全くない、スポーツとはかけ離れている僕ですが、僕にしか語れない領域があり、お届けできるものもあります。
僕が選んだバイクを選んでくれるのも最高ですし、設定されたご予算の中で全力で組んだバイクも最高だし、「これは絶対におすすめ」というパーツも紹介しながら、選んだり、選ばなかったりするのも自由です。
フレームカラーも自由ですし、そのカラーに合うパーツのカラーもおすすめできますし、逆にゴリゴリのクレイジーカラーにするのも良いです。
どっちを選んだとしても、“ちゃんと好きになれるバイク”を届けます
まあ結局はここだよね。
国産を応援するとか、そういうのを抜きにして、好きな道具を増やす。
大人になればなるほど、その数は増えていって、買い替えが少なくなり、自分で積んだ年月が勝手にビンテージになる。
これに囲まれてる大人ってかっこいいな!って僕が思うので、僕が提案できるのはなんだろう?って考えた時、僕には自転車がありました。
これだけをずっとやってきた専門家があなたに寄り添いますぜ。
まずは完成車も見て欲しいし、いつでも質問して欲しい。
カタログ的に見ることができるオンラインストアはこちらから。
まずはざっくり、こんな感じのバイクがあるよ〜!ってのがわかりやすいよう、カタログ的に作っているオンラインストアがあるので、ぜひチェックしてみてください。
オーダーで相談してみたい方はこちらから
この記事のこのバイクが気になる!とか、Instagramのこのバイクがイメージにかなり近い!とか、こんなんが欲しいけどどれが合ってる?とか、いくらくらいで乗りたい、など、なんでもOKなので、質問いつでも、です。
営業日(金、土、日、月)はまあまあ返信はやめです。
たまにメールアドレスが間違っていて返信できない、、ってことがあるので、メールアドレスはお間違えなく。
あとは、前述したけど連絡したからといって変な営業メールとか、連絡とかしないので、ほんとお気軽に、です。笑
「まずはお話だけでも」という方、大歓迎です〜。
画像もない長々文章、お読みいただき本当に感謝です〜!
ご連絡はMasnまで。ざっくり相談からゴリゴリ濃いめまでいつでもなんでも!!


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