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フロント・トリプル・グラベルという新語。ランドナーSTUFF後編!

さて、今週も始まりましたね。
最近スピーカーをプレゼントでいただいて、
これがかなり良くてみんなにお伝えしたいところですが
今日もしっかり自転車を紹介したいと思います。笑

僕はおうちじかんも外での密を避けたアクティビティも
割と楽しめてる方だと思います。

気が遠くなるくらいの電車の中の時間。
おうちの中で安全に楽しめる遊び。
そして外で何ができるか。

僕は学生時代から
イン、アウトのハイブリッドを目指していて
色々新企画を持ってくるのが好きだったんですが
やっぱ家の中「だけ」は限界がある。

仕事を思いっきりやるから休日が面白い、
みたいなところと似ていて、
どっちに比重があっても良いけど
やっぱ両方欲しい。

ゲームの新作が出れば
世界を救う勇者として
二週間ほどめちゃくちゃそれに集中していたりもするし、
オンラインで東京のやつらと金を稼ぎながら
電車で駅を目指すゲームをやっていたりもするし、
最近は蒸し料理が気になっていて
やたらと勉強していたり
過去作の映画を1日の終わりにまどろみの中観たりもする。

でも、やっぱそれって
夜にピストで全力疾走していたり
明朝に焼き立てのパンをぶらぶら買いに行ったり、
旬のお野菜を山まで一走りして買いに行ったりしてる
バランスがあるから面白えんですよね。

意外に通勤も楽しいのが自転車の良いところ。
もし、京都で通勤自体が楽しくなる
自転車お探しなら言ってください。
シンプルであればあるほど良いです。
必要な装備はあとからついてくるので。

まあ、アウトドアに関しては
ただ走ってるだけだし、
一人だし。
よく見てくれている方はご存知かもですが
僕は基本孤独に走ります。
これはコロナ関係なしに
自分のペースが遅すぎるからです。笑

本当は海も山も川も好きだし、
自然に密も何もないんですが
我慢できるうちはしとこう、と。

心肺鍛えてこの渦中絶対生き残ってやる、って
真剣に思ってるんで自転車があればとりあえずOK。

生活圏で楽しみ切れるのは自転車の最高のストロングポイントです。
生活圏、って思ってても知らん道、知らん店いっぱいあるので
これまた楽しい。

最近だと
今だけ遅くまでやってるテイクアウトのお店を発見して
(職業的に明朝か深夜しか走れない。笑)
そこがかなり高級なカレーを真空パックで持ち帰りやってて
もう気になりすぎて今日の僕の晩御飯は
追いパクチーキーマを作る予定(買わんのかい)です。

あれ?
自転車の話してねえな。
スピーカーの話したらよかった。
そんじゃ、今日もオーナー様のバイクに
クローズアップしてくぜ!

今週は
ランドナー・スタイルのグラベルバイクなSTUFF、
その後編。

フロント、ハンドル周りがど目立ちな
バイクですが、リアにも魅力たっぷり。
納車式はこれからです。

今週のご紹介は…

Engineerd Bike Service(EBS)
STUFF Disc

改めて。
かなり強い存在感。

ランドナー、って
自転車が好きな人はみんな渋いことを知ってるし、
全く知らない人でもツーリング自転車、ってこんな形だよね?
って知ってる。

昔から憧れの形だけど、
もともとそこまで老若男女乗ってきた車種じゃない。
なぜなら、オーダーで製作されたものがほとんどだったから。
それでも過去の資料を見てると
バブル期なんかは吊るしでかなりこだわったランドナーとか出てて
まじすげえなって思った。笑

で、このフレームの最大の利点は
「ランドナーではない」というところ。
なに言ってんだ、と思うかもしれないけれど、
製作過程で懐古した装備をいくつか減らす、ということを念頭において、
どっちにも寄りすぎない、プラマイ0の立ち位置を意識しています。

なのでポンプペグとかその辺りの良い感じのレトロ感は敢えて排除。
今のポンプで、今っぽいツーリングの装備を使えるようにしました。

STUFFはかなりマルチなフレームなので
こうして世界観を出した仕様もできちゃいます。
これからスルー化していくなか、
「ランドナー」という名前もまた変わっていくけど
このバイクの「ああ、良いな」という感嘆の良さは変わらない。
これもまたEBS京都で表現したい
タイムレスというバイクです。

そんじゃ、サイドビューからいってみよう。

サイドビュー。

露出型アウターブレーキ、Wレバー、フルフェンダー。
前後サポーターキャリア、トリプル、トークリップ。
ディスク、40C、LEDダイナモ。

長く使えるアイテムと、消耗品を整備しやすくした先人の知恵。
そして当時のランドナーで課題であった
雨天時の制動力の脆弱性(これはこれでロマンなんですがね…)
もディスクでしっかりクリア。
ライトも大光量、小型化。

まとめたランドナー・スタイル。
各装備の取り外しも容易で少しの工具でどんどん身軽になるので
ばっちり晴れ!ってわかってる時の日帰りツーリングなどでも
トリプルのワイドなギアレンジでグラベルロードとしても活躍します。

サドルはやはりのBROOKS。

サドルはBROOKSを。
値上げに次ぐ値上げで値段が高くなってしまった革サドル、だけど、
これは今までが安すぎた、と思ってもらってOKです。
ちゃんと使えば10年使えるサドルで、使い切った時のコスパといい、
クオリティといい、前回までの価格ではサスティナブルな取り組み」は続けられないと思う。

やっぱり少数をしっかり作って、お金をしっかりいただいて
作り手も休んで家族とゆっくりすれば良いし、
乗り手も高くなった分より大切にすれば
職人も革の持ち主も喜ぶと思う。

本当の意味でみんなが長く使える良いものに囲まれるための
値上げだと思ってるので
ここは仕方がないですね。

で、今回チョイスしてもらってるのは
B17のSpecial。

なにがSPなんだというと
やはり手作業で打ち込まれた銅の鋲。
そして手作業でカットされたサイド部のシェイプですね。
カッパーメッキレールはもちろん魅力ですが
やはり僕は「手作業」に惹かれます。

イタリアとイギリスのじいちゃんが
一個ずつやってくれてるんだぜ。
大事にするしかないよね。



高齢化、は日本だけの問題ではなく、
BROOKSも同じであんまり後継いないみたい。
誰かに取り変わってめちゃくちゃ
ビジネスのブランドになっちゃうかもしれないし、
めちゃくちゃ熱いやつらがど渋いブランドを守るかもしれない。

どちらにせよ、
今のクオリティで手に入るのは今だけ、だし、
仮にビジネス先行になって、
○○年以前のサドルに価値がある、
とかわけわからんことになる可能性もありますが
結局ものの価値は自分で決める。
使ってきた歴史が最高なのです。

僕はなんせ、革サドル好きとして
世界の「使っていい革」がなくなったりしないよう、
共存したいと思う。

座り心地?
もちろん良いに決まってる。
使い込んで自分だけの形になったBROOKSサドルは
本当に最高です。
それに座ってデスクワークできんじゃないかってくらい。
いや、まじで。

サドルはループがついていて、
BROOKSのバッグはもちろん、
おなじイギリスのキャラダイスなども相性抜群です。

今回は秘蔵のバッグサポーターを取り付けているので
バッグを持たせた旅は是非おすすめしたいところです。

トリプルクランク。

New Albionのクランク。
Suginoと同等のボディを使用しながら
とてもリーズナブルなクランク。

トリプルクランクって、
今はほとんど見かけなくなったけど、
やっぱりその理由は使いこなすのが難しいから。
重さもあるけど、これは正直あんまり変わらない。

特に、入門用クロスバイクなんかによく取り付けられていて、
シフターの精度があんまりなのにまあまあの精度を求められる引き量なので、
正直使わない人は全く使いません。

自転車の変速段数、って
なぜか掛け算で表されていて、
なんだか多い方が素晴らしく思えてくるけど、
それはただのカタログの甘美な響きでしかない。

じゃあ、変速におけるEBS京都のスタンダードってなんだ?


あくまで目安、ですが
・整備が面倒、掃除が面倒、シンプルが良い、平地に住んでる、
坂道は根性だと思ってる、変速機のついてる自転車だけどそもそも使ったことがない、
あなた…(どんなカテゴリ分けだ。笑)

☆1×1の1Speed(シングル)を一度試してみて。
僕がシングル乗りだからここはどうしても推しになっちゃうけど
多段のカセット、ワイヤー、変速機がそもそもない自転車は
メンテナンスが楽、少し安くできるなどといったメリットあり。
デメリットは「変速ができないこと」ただそれだけ。笑

ただ、組み合わせは変えられるので
軽くしたり、重くしたりしてちょうど良いギアが見つかれば一生の相棒になります。

・街乗りベース、坂道あり、荷物の重さで車重に増減がある、たまに遠出もしたい、あなた…

☆1×8〜11Speedがおすすめ。
8段がもっともスタンダードでリーズナブルです。
が、8段が11段より遅い、だめ、というわけではなく
8段も11段も一番スピードの乗るトップギア比率は同じです。(一部例外あり)
ギアが多いほど良いなら僕の乗ってるバイクがだめ、ということになりますからね。
これは環境、スタイルに合わせてOKです。

では、なぜ段数が増えていくのか?
これは、間の空白を埋めるため、です。
シングルを例で言えば700Cだと2.4〜3.2あたりのギア比率が街乗りしやすい。

※クランクを一周漕いで回してホイールが何回転するか、が自転車に於けるギア比。
例えば2.7だと一周漕いで2.7回転分車輪が回るってこと。
一般的なロードバイクのタイヤの大きさだと一周で大体2メートルくらい進むと思ってOK。
だから、ギア比2.7だと一回漕いで5.4メートルくらい進む。
これが大きければ大きいほど踏み込みは重くなる。
だから自分の足にさえ合ってればギア比はいくつでもOK。

で、8段、街乗りだとわかりやすいギア比は
700C(ロードバイクサイズ)で
1段目 4.18
2段目 3.53
3段目 3.06
4段目 2.70
5段目 2.30
6段目 2.00
7段目 1.76
8段目 1.53

このあたりが街乗りもしやすくて、
サイクリングとして50キロあたりまでは楽しくいけるはず。
これは調子も慣れも筋肉もいろいろ関わるので千差万別。
だいたいこんな感じ、ってこと。

これが11段になると


1段目 4.18
2段目 3.83
3段目 3.53
4段目 3.28
5段目 3.06
6段目 2.70
7段目 2.42
8段目 2.19
9段目 1.91
10段目 1.70
11段目 1.53

となります。
より軽いギアを用意することはできるけど、
大きくなれば間が空く。
そうするとギアを変えた時に今まで漕いでた重さが変わりすぎて
ストレスとなり疲れる原因となる。

だから、より遠くにいきたい、となれば
より段数を増やし、間を滑らかにすることが重要というわけ。

これが前にも変速がついてくるとより幅広い変速が使えるという訳です。

で、今回のバイクは3×8の24Speed。
この組み合わせの中から選びながら
常に自分がこぎやすいギア比を選んで走るということです。
慣れはやっぱり必要。

自転車に自分を合わせるのではなく、
自転車を合わせるのです。

この話まじでどうでもいいと思うので、
走りたいエリアなどお伝えください。
常にギアのことを考え、楽しかしたくない僕が導き出した
最高に楽な歯数を選んできます。

ぜひ僕を使って近道してください。


ちなみにこのバイクのギア比は

    F1段目 F2段目 F3段目
1段目 4.36 3.27 2.36
2段目 3.69 2.76 2.00
3段目 3.20 2.40 1.73
4段目 2.82 2.11 1.52
5段目 2.40 1.80 1.30
6段目 2.08 1.56 1.13
7段目 1.84 1.38 1.00
8段目 1.41 1.05 0.76

こんな感じ。
要は3台分の自転車のギア比を一台に収めているような形。
普段の街乗りから完全に旅に出れる仕様で
仮に林道などで突発的なガチグラベルが出てきてもOK。

この中から選んでドンピシャを狙っていくのは
やっぱり使ってなんぼなので
是非旅に出てください。笑
普段はここまでは絶対に使わない、ですねどね。

ちなみにラピッド系の変速だと使わないと凝り固まったりしてきて
そもそも無用になりがちですが
今回はレトロなWレバー仕様なので
そのあたりの操作もメンテも簡単で
引いたら引いた分ちゃんと動いてくれます。

つーかギア比の説明長すぎだな。笑
僕とイニシャルが一緒のオーナー様、使い込みよろしくです。

ギア比はややこしく見えるけどとてもシンプル。
理解は急に深まるし、知ってると
自分がどれだけ走れるようになったかの成長もわかるし、
もうちょいこうしたい!などの交換沼にハマった時も
すぐに抜け出せるのでEBSオーナー様は
ギア比のご相談もいつでもどうぞ。

ちなみにミニベロはよりギア比の資料が少なく
間違えやすいのでミニベロも強いEBSにお任せを。

ペダルはMKS。

ペダルは(裏返しだが)
アーバンプラットフォームという片面踏みのペダルを使用。
トークリップもストラップもMKSで揃えてます。

APFペダルは踏み込む際の食いつきよりも
靴の入れやすさみたいなところに強みあり。
ストラップの革もどんどん馴染むので
今頃良い感じで足形取れててかなり使いやすくなってるはず。

FDはIRDトリプル。

変速機周りは少し魔を含むカスタムをしていて、
ミックス、トリプル、延長リアワイドという多少の改造感が。
8Sという変速のなか
細やか+ファイナルでかめの坂道に強いバイクとして
ここは必須だったので少し挑戦的です。

ボトルケージは2個で。

スリーボトル、トップチューブマウントなど
いろんなことを考えたけど、
STDのSTUFFのままどう表現するか、という部分が大切だったので
追加工は一箇所にしかしていません。

リアビュー。

これまた重厚感のあるリア。
走りも良いし、雰囲気も良い。
STUFFの他の制作例を見ていただければ
このフレームはほんと多種多様、
オーナー様のやりたい感じに寄り添うフレームだなって思います。

リアには少しレアなキャリアを。
このキャリアはフレーム側の加工が必須になってくるので
グッときた方は是非お申し付けください。

NITTO リアバッグサポーター。

多分、取り付けられる市販のサポーターの中で
一番かわいい小ささのサポーター。

キャリアダボだったり
シートステーなどに噛ませたりと
変な目立ち方をしないこのサポーターは
僕はかなりグッときてしまって
かなり気に入ってます。



ただ、
まるで車体から生えてるかのような取り付け方法なので
とてもニッチなとこを攻めていて
取り付けられる車種はほとんどない。
それもそのはず、これはある車種の専用設計に開発されたもので
そもそもEBSには取り付け不可。
(実は1車種あるけど試してない)

でも、このオーダーのお話をしているときから
これは絶対に使いたくて、これから使っていくけど、
今やらなくていつやるんだよ、ってことで強行。笑

自分の自転車にも取り付けたくて仕方ないけど
これは事前の加工が必要なので
いつか塗り替えする時のタイミングに取っておく。

NITTOの刻印が光る。
控えめなのがまた良い。

大きいバッグをただ持たせるのもOK、
小さいカゴもOK、
バンドで縛ってなんか上着とか、なんか持って帰る時とかも役に立ちそう。

そりゃ大きいバスケットがあったりしたらなんでも載せられるけど、
この控えめな感じがええんや!

別に何に使うってわけでもないけど、
欲しくなってきたでしょ?笑

RDはMicro Shift。

RDは10Sまで動くMicro ShiftのRDを8Sで使用。
多分、このコロナ禍で2026年くらいまで(マジです)手に入らない
ロングケージの47ML。
これもともとレアパーツだったけど、
もはや手に入りません。(ショートゲージはあります)

多分、このバイクで新品組み付けはしばらくない、
そしてシルバーのRDでロングのものはもう無いかもしれないです。

先に手に入れたから良い、とかはないけど、
やっぱりこうして無くなるパーツとかあります。
現行パーツでつくるクラシック路線に強いEBS京都も
こうしたシルバー系のパーツがなくなってゆくのはつらいところですが
あまりにもないなら作ろう!とかになってくるのがEBS。笑

これからもご期待ください。

いやー、今回はかなりギア比に偏った回でしたね。笑
フロント・トリプル・グラベル。
誰もそんなことは言ってませんが言うのは自由です。

オーナー様も是非走りに行った時のお写真送っていただければと思います。

納車は結構前ですが、
遠方で発送にとても苦労したり、
でもそのおかげで今は僕とオーナー様
双方とても便利な発送形態ができたりと
夜に電話で話し込んだり、メールでまあまあ
濃い内容を送りつけたりしていてよかったな、と。笑

遠方のオーナー様でも
楽しくEBSと付き合っていける方法は常に模索していますので、
この機会に是非ご相談ください。

これからまた秋に入り
紅葉×自転車×カメラという
世界で見てもあまりない最高相性のホビーが巡ります。

これは桜を代入してもOKだし、
なんでもOKです。笑

でもやっぱ紅葉との相性は最強、走りやすさとか
発汗の具合もちょうど良く、
ほんと気持ちよく運動を始められます。

そのときに、普段使いもしやすい
シンプルなクロモリフレームで
街を山を探索してみませんか。

人に会う方がレアなゼロ密ポタリングもぜひ。
STUFFならどんな組み方もOK。

それぞれの乗り方、それぞれの自転車。
EBSで表現してみてください。

ではでは。。。

MASN

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