7月。きたぜ、祇園祭。
12月のクリスマス、とか10月のハロウィン、とか年間でみんなが楽しみにしているイベントは色々たくさんあるけど、京都の7月はこれ、祇園祭。あたりまえに毎年の区切りというか、なんだったら暦がこっからはじめるくらいのもんですが、2023年は去年よりも本気態勢でこりゃ楽しみだ!
ただ、狭い京都、動線が正直イケてるわけではないのでしっかり安全に開催ができれば、それしかないですね。
祇園祭はEBS KYOTOの場所的には関係がないんだけど、関係ないギリギリの位置にあるので車も通ったりできて、逆に最も混み合い、駐車場なんて全く空いてなく、阿鼻叫喚、な場所になるので、ご相談でご来店されるお客様、ご注意を、です。笑
コインパーキングは徒歩50歩くらいのところに2つあるんだけど、去年の宵山は御所の裏に停めてご来店された、なんて方もいらっしゃいましたね。(I様、まじお疲れ様でした!)
京都観光ついでに自転車オーダー、な変則スタイルが結構当たり前にあるEBS KYOTOは祇園祭開催中はご予約いただくことも多く、たまにばたばたしているので一週間くらい前にご予約いただければ最高です。
本日のご紹介は久しぶりかな、正統派ミニベロロードとしてのHorizontal 451。
カスタムの方向性は色々とあれど、スポーツのミニベロを駆るなら一度はやりたいスタイル、乗りたいスタイルだと思います。
「ミニベロロード」といっても現代ではフロントシングル(実はミニベロ界ではフロントシングルはずっと前に定着しています。)という考え方もあったり、もともと自由なミニベロ、というキャラクターを活かして本来ロード化すべきでないフレームを敢えて魔改造する楽しみもあったりと正直なんでもありの世界だし、僕もそれを楽しんでいます。
だからこそ輝く正統派ミニベロロード。
シンプルに軽くて強いクロモリフレームに軽量ホイール、SHIMANOコンポーネントでグループセット。
ある種、優等生としての組み方なんですが、ミニベロだとあまり存在しないので「お!」ってすぐなるカスタムってそうそうないので輪行系、通勤系ミニベロを考えていらっしゃるお客様にはよくご紹介させていただくスタイルです。
なぜあまり存在しないのか?はこのあと書ければ書きます。笑
そんじゃ、今週のご紹介は…
Engineered Bike Service(EBS)Horizontal 451 SHIMANO 105 Custom!
今日のご紹介のHorizontal 451はフレーム仕様はEBSのスタンダード、105コンプリートという完成車としてのモデルです。
フレームカラーやサドル、ペダル、バーテープなどはお好みで決めていただくオーダースタイルで、コンポーネントやホイールなどは間違いないおすすめ仕様にすることによってご相談にかけている時間をより短縮し工賃をグッと下げてお届けが可能、というオーダー方法の一つです。
工賃、頂かないとやっていけませんが、最も時間のかかる部分は実は使い方、ご予算によっては省く方が良いものができる時があります。
ミニベロだとホイールやチェーンリングの選定などがまさにそれで、僕もミニベロ専門店で長くやってたのである程度「このへん」というおすすめの軸があるので、それをうまく使っていただければ価格もよりリーズナブルになります。
もちろん、1から色々決めていく作業が大好きな方、せっかくの国産自転車、じっくりお話をすすめたい、この際勉強しながら組んでいきたい、という方にはしっかりお付き合いしますのでいつでもご相談ください。
工賃以上の知識と体験、持って帰っていただけるように頑張ります。
今日は久しぶりにミニベロ、というジャンルそのものについてもざっくり語ろうかな。
このバイクのコンプリート販売予約ページはこちら。
そもそもミニベロとは?
ミニベロ、の定義はとっても曖昧で、だからこそめちゃくちゃ良く聞かれる部分。
僕がEBSで自転車のことを書いている時、ミニベロを語る時は
「20インチ以下の自転車のこと」をミニベロとして指しています。
22インチはミニベロじゃねーのか、とかそんなん言い出したら「ミニ」ってなんだ?みたいなところまでいっちゃうけど、上記の20インチ以下、という考え方はメーカーとしても共通認識くらいのラインがあります。
20インチにはなぜか2種類ある。
これもよくわからんよね。
まあ、厳密に語り出せばここはしっかり説明が可能なんですが、覚える必要がないので割愛。
EBSのミニベロは今の所すべて20インチで、この中で2種類ありますがかなり簡単にご説明します。
・20インチ(ETRTO451)
バイクショップでは「ヨンゴーイチ」と呼んでいます。
Horizontal 451などはわかりやすくモデル名にホイールサイズが入ってますが、こうした表記はポピュラーなのでなんとなくわかってる方も多いと思います。
この数字はホイールの直径を指しているんですが、451mmということです。
タイヤのサイズは「WO規格(ワイヤードオン)」というものを採用していて、タイヤの太さは基本分数で表記されています。
例でいうと、「1」や「7/8」、「1-1/8」、「1-3/8」などの表記。
タイヤの種類がちょっと少なくて、あんまり選べないのが欠点だけど、逆に出てるタイヤはほぼ間違いないやつで、失敗することはないレベルで品質は安定してる。
2種類の中では車輪径が大きいので「一周あたりに進む距離」「速度の維持」がこのあと説明する406規格よりも優れているんだけど、めちゃくちゃ突き詰めた話で、もしEBS関係なしにタイヤサイズで悩んでいるなら「長い人生、タイヤサイズで買う、買わないを決めるのはもったいない」です。今が一番若いから、「乗った期間」を長くする方が絶対人生彩ります。
確かに違うんだけど、スポーツバイクによく採用されている、ってだけで451に絶対的な優位性とか、上位互換なんてことはないので悩みすぎないでOKです。
ちなみにEBSで451規格なのは「Horizontal 451」「FLOT 451S」「FLOAT 451R」「LEAF 451」の4車種、これはわかりやすいですね。
・20インチ(ETRTO 406)
こっちが406、「ヨンマルロク」と呼んでいます。
なぜかモデル名に406、と入ってる車種は少なくてこれも混乱を招く要因なんで申し訳ないんですが、EBSでは406の車種は「LEAF LONG」「TURN」「WORK」の3車種です。(表記するべきですね。笑)
こちらのタイヤ規格は「HE規格(フックドエッジ)」と呼ばれていて、こちらも直径サイズが406mm、タイヤは小数点で表記してあります。
例で言うと、「1.00」、「1.75」とか「2.30」とかですね。
451にも「1」はあるけど、規格違いなのでご注意を。互換性ないです。
規格が産まれた国が違うから、色々違って当然なんですが、ここが統一されることはもうないだろうな。。
406タイヤの魅力はなんといっても「タイヤが豊富にある」ということ。
だからこそそのフレームに入るのか?とかスペックは?などもピンキリでちょっと迷うことがあるかもしれません。
タイヤって年間単位のメンテナンスなので、人生でその自転車に一生乗っても100回交換することはない、ですよね?
タイヤの種類はそれ以上で、今回の人生で、406タイヤを全て使い切ることは不可能です。
別にそんなことしなくてもいいけど、地球に産まれて、自転車、ってものに出会って、しかもその中で国産自転車とか、ハンドメイドとかのこだわれるジャンルに響いて、そこからさらに掘って僕みたいなやつが書いてるニッチなブログに辿り着いたのに、知らずに終わることがたくさんある、っての、なんか悲しいよね。笑
406は現行のBMXに採用されているので、本当に色々あります。上記の参考画像なんてVANSの公式ワッフルソール採用してるタイヤだし。
ミニベロのメリット!とか色々書こうと思ったけど、これよく考えたら一本の記事だわ。笑
今は時間的にそうしたことを詳細に書いている立ち位置にない(バイク紹介を週一本入稿)ので、またいつかどこかで。
ちゃんとまとめとか書かないとな。
そんじゃ、ミニベロってなんなのか。
それもちょっと掘れたところでフロントビューを…
軽量クロモリミニベロロード、フロントビュー。
EBSでのミニベロロード製作では最もおすすめな構成が今回のカスタムです。
カラーや細かいところはお好みでオリジナリティ追求してもらって、大切な駆動系や回転系は間違いないおすすめでトータルコーデしてあるコンプリート。
SHIMANO 105に韋駄天ホイールこの組み合わせは誰もが納得できるはず。
ミニベロとの相性抜群なハンドルバーで通勤、ツーリングにバチハマり。
ハンドルバーはNITTOのドロップハンドルで、EBSの別注ハンドルである「EBS-30 bar」。
このハンドルは現在完売していますが、この幅はミニベロに合わせた抜群のフィット感です。
そもそもミニベロ専用なんてハンドルはニッチすぎてどこもやってませんが、ミニベロ専門で製作をしていたこともあるビルダーに輸入していたスタッフ、そして販売していた僕。やらない理由がないのです。
STIレバーはR7000の105。
このコンポで一つの到達点というか、街乗りではこれ以上いらないくらいのスペックまできましたね。
と思ったらアルテグラがやっぱええなあ!ってなるくらい良くなって、コンポの追いかけっこはまだまだ続くんだと感じさせたSHIMANOの想いを感じたパーツでしたね。
新型もどんどん出てくるけど、僕はコンポーネントがどんどん新しくなることにはメカニック的に嬉しくても販売としてはちょっと、、というスタンスです。
コンポってフルセットで入れたいのが当たり前だけど、まあまあの価格になってくる。
105はこなれた価格で抜群の性能なのでここに投資する価値はあると断言はできるものの、いつかは正当進化の新型が出ます。
そうなった時に、長く使えても「古さ」を感じるのはどうなの?って思います。
だからこそ、その他はできるだけタイムレスなアッセンブルを心がけています。
ミニベロ最高おすすめホイールの韋駄天(IDATEN)ホイールでカスタム感抜群。
前述した451ホイールですね。
韋駄天ホイールは406もラインナップがあります。
このホイールの何が良いって、軽量だとか、精度だとかはもちろんあるんだけど
僕が最も推したいのは完成車として手に入るホイールとそう変わらない価格で手に入る、という点です。
今は次回入荷未定(EBS KYOTOに1セットあります)なんですが、前後で3万円台で手に入るし、クイックリリースレバー付き。
これは相当な破格で、他のメーカーには真似できないんじゃないかな。
リアボディもロードシマノボディ、11Speedまで入って必要十分です。
Horizontal 451はミニベロとしてはロングセラーだけに通常ではまずない派生種や系譜がありますが、基本の仕様はこの「キャリパーブレーキ仕様」です。
これがホリゾンの中で最軽量でできる仕様で、交換や修理も最も簡単、基本的にどこでも手に入る安心感があります。
ヘッドマークはバッヂ式。
最近改めてこのバッヂ仕様の問い合わせが増えてますが、Horizontal 451は基本がバッヂ仕様、無料で真鍮プレートへの変更が可能です。
高級パーツを入れてもしっかりついてくる上質さ。ホリゾンタルフレームをサイドから。
この直線と曲線、たまんないっすね。
ミニベロって自転車のなかでは「かわいい」寄りの扱いを受けることが多いけど、これを見ればかっこいいミニベロはとことんなんだなー、ってわかってもらえるかと。なんだったらそれでもかわいさを内包しているから評価され続けるんだろうな。
ミニベロで105を選ぶならこのクランクがおすすめ。
FC-R7000、いわゆる105のクランクを選ぶ時に、105から選べるようになるある歯数があって、それが53T。
大きくても52、なんだったら48Tが最高、ってクランクセットもある中、105はミニベロに欲しいギア比をしっかり取れるようになるのでおすすめさせていただくことが多いです。
48でも46でも問題ないんですが、踏み出すと足りなくなる方、重めのギアをゆったり踏みたい方など街乗りでもツーリングでも関係なく乗り方への理想、ってのがあります。
いままでどんな乗り方してたっけな?って方はイメージしてみると良いかもしれません。
ちなみに、EBSではフロントシングル用のギアでナローワイドの56Tを別に持っていて、これもミニベロ専用といっていいギア比のチェーンリングです。
基本ストックしているのでギア比を上げたい方、ミニベロ乗ってるけどギア軽すぎる!って方はお声かけください!
フレームカラーはメタリックベースのチタンブルー。
このバイクから新色としてラインナップされたチタンブルーというカラー。
もともと、色見本で「チタンシルバー」というカラーが人気でよくペイントしていたんですが、その青色版です。
意外にクラシック系のカスタムに合うカラーでEBS KYOTOではTobiraやGROWNのCODA、HOBOやNEEDLEなんかに良く塗ってます。
今回はオールブラック構成でグッと締まる表現で。
大人のミニベロ感抜群で、何歳になってもしっくりくる長く使えるカラーだと思います。
長距離ライドに輪行旅行まで。通勤仕様でそのまま旅へGO。EBS Horizontal 451リアビュー。
ミニベロはロングライドももちろん可能で、セットアップ次第ではなかなか速く走ることができます。
なにより、輪行へのハードルがめちゃくちゃ低くて、かなり簡単なのでミニベロを所有したからには是非体験いただきたい遊び方です。
前カゴを取り付けたり、ハイセキュリティなおすすめの鍵のお話もしようと思ったけど、これも一本っぽいのでここでは輪行についてざっくりと。
輪行とは?
広く考えると他の移動手段で自転車を持っていくこと、なんですが、「輪行」で指しているのは99%が鉄道輪行で、輪行袋に入れて電車に乗せて、旅行先で自分の自転車に乗ったり、走って帰ってくる時に電車でワープしたり、ロングライド中疲れたら電車に載せるなんて裏技も輪行のテクニックです。
ミニベロの輪行のやり方は「前輪を外して専用の袋に入れるだけ」です。
700Cのロードバイクだと両輪外す必要があり、(前輪だけでいい、なんて人もいますが間違いです。)変速機の調整やエンド金具の必要性をしっかり吟味する必要がありますが、ミニベロはクイックリリースを緩めて、サクッと外して完了。
これを利用しない手はなく、大阪から京都に朝から走りに行って、帰りはもう袋に入れちゃって、サウナ入ってビール飲んで輪行で帰る。
僕は各地の日帰りの温泉施設に行ってよくこれやってました。
ビワイチとかだと、邪道って言われるかもだけど途中で電車乗るのもオツなもんだし、フェリーで四国行って、しまなみ海道通って尾道から輪行で帰ったって良いんです。
ミニベロはその自由度が魅力。遊んで使い倒してください。
センタースタンド台座にラック台座と便利装備もしっかり。
Horizontal 451にはセンタースタンド台座が標準装備です。
ミニベロはここにクリアランスがあるのでセンタースタンドそのものは別に珍しくないけど、ロードクランクだとダブルレッグスタンドと相性の悪いパターンがあるので注意、です。
センタースタンド台座を取り付ける時は軸長、クランクQファクターに注意。
リアの装備も105のフルセットで抜かりなし。
現行のミニベロで、105が入ってるのはかなり少ないので105入ってるだけで「お!」というカスタム感があるし、なによりクロモリのクラシックなミニベロロードでその組み合わせは皆無なのでそれだけで存在感があります。
ちなみに、スレッドステム、アヘッドステムを選んでオーダーができます。
あまり知られてませんがEBS KYOTOではHorizontal 451のカスタムをする時、大きな素材変更などのカスタムがなければヘッド規格の変更が可能で、共に1インチのITAでスレッド、アヘッドと選べます。
どっちが良い、とかはないけど、
・最もクラシックなのがスレッドステム。角度もクラシック。
・軽くて種類が豊富で、締結力が高いのがアヘッドステム。
です。
こう書くとアヘッド軍の「我が軍は圧倒的ではないか」感がすごいですが、スレッドにしかない魅力はみなさまご存知かと思います。
僕も今年新しい自転車を組みますが、スレッドステムです。
今乗ってるのはアヘッドです。
ほんと、どっちがいい、とかないんだよね。
マウンテンバイクに乗る、とかならアヘッド一択、というかもうスレッドは出てないですが、強度が必要なタフなライドスタイルの場合はアヘッド、くらいで良いんです。
昔のマウンテンバイクはスレッドステムだったわけで、ワンボルト、ワンボルトのかなり華奢なステムで、タイヤもホイールもフレームも今より劣る素材で、でも同じ山道を走っていたわけですから。なんだったら道もよくなってるかもしれない。
スマートフォン持ってるけど、物理キーの良さは忘れてないのと一緒です(違うか?)
このバイクの製作秘話。
フレームは早々に製作完了していながらSHIMANOの105がなかなか手に入らないあの時期のオーダー。
チェーンリングの歯数を変更したりしたけど、遅れはない、って表記から急に未定になってすげー焦った記憶。
納車後も調整してもらったりと(あの時僕いなくてすみませーん!)
手間も時間もかけてもらいましたがナイスバイクに仕上がっており、やはりあの頃のバイクは作り手も、乗り手も特別な感情を抱いてるのかな、と思います。
価格的にも色々上がる前のもので、お得感もあると思います。
これからまだあがっちゃうものもあると思うけど、長く使う自転車、この瞬間の値上げは最終的に振り返った時に「よかった」と言えるものだと思うので、ご検討中の方は一度、ご相談してみてくださいね。
Engineered Bike Service/MASN
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