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クロモリのミニベロシングルで大人の街乗り自転車を製作する。

目次

今回はミニベロ×シングルスピードの自転車の記事、その2です。

細身なクロモリでミニベロのシングルスピードを製作する。

ピストバイク、シングルスピードのジャンルでは700C、いわゆる競輪、NJSをはじめとしたトラックレーサー的なところから入ってきてくれる人と、ミニベロが好きで効率を突き詰めた結果シングルになっていく人、小さくてシンプルなのが好き!と何も知らないところから一気に沼れるところに来てくれる人もいる。

グラベルロードとか、オールロード、マウンテンバイクとか本当にいろんなジャンルがあるけど、実はこのミニベロ×シングルスピードという掛け合わせは他にない、「ずっと日常に置いておける存在」としての優位性があります。

日常、ってなんなのか。

ロードでコンビニまで行けるし、マウンテンでももちろん行ける。
でも、違うんです。

縦にも横にもコンパクトな自転車で、停めやすくて乗り出しやすい。
自分に合わせたギア比を設定しておけばちょうどいいスピードが出る。
パーツの点数が少ないからシンプルにトラブルから遠い。

車でいえば軽自動車、二輪でいえば原付みたいな感じなんですが、僕が紹介しているミニベロシングルは日本製のクロモリパイプを使っていて、京都で一本一本ハンドメイドで製作されている、上質ではあるし、国産の中ではかなりリーズナブルなんだけど安くはない自転車なので、気軽さとちょっと相反してしまう部分があるかもしれません。

1番使っている時間にしっかり良いものを使いたい。

ベンツで言うとAクラスとか、FIATの500みたいなところを僕は目指していて、日常の乗りやすさの中にも小気味良い走りとか、上質さを求めています。

だって、自転車人生の中で最も多く過ごしている時間は「街乗り」や「通勤」だから。

速くはないし、スポーツマンでもないけど、山の中に入っていったりもするし、海辺を走ったりするのも好きです。

人生の3分の1は睡眠、だから良いマットレスを使ったりすると人生の満足度が変わりますよ!とかってあるじゃないですか。

あんな感じで、毎日の通勤とかふらっと街乗りする時に軽くてよく進む自転車だったら、その後の仕事のクオリティが上がってより良い生活に臨めたり、より良い体験ができるはず、と思って推進している。

これはギア付きや大きなタイヤの自転車でも変わりないんですが、今回はこんな激狭のジャンルを発掘、そしてエンカウントしてしまったみなさまに向けてミニベロをシングルスピードで組んだ記事を書かせていただきますね。

この記事のバイクの基本スペックなどは前回の記事で紹介しているのでよろしければそちらも。

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そんじゃ、本日のご紹介は…

Engineered Bike Service(EBS)FLOAT 451S

前の記事で画像は全出ししているので詳細が気になる方はその1をご覧いただければ、というところですが、今回はフロントまわりをご紹介してまいります。

艶ありのローカラーで仕上げられたこのフレームはどこにでも馴染む懐の深さがありながら、ハンドメイド自転車としての魅了も眺めて楽しめるナイスカラー。

ミニベロシングル、FLOAT 451Sのフロントビュー。

このシンプルさたまんねー!
Horizontal 451も派生は色々あれど、基本はシンプルなんですが、シンプルな中にも意匠が欲しい方、前下がりのこのスタイリングにグッとくるかたはやはりFLOAT 451ですね。

ブルホーン+TTスタイルブレーキとミニベロの相性が◎。

ミニベロとブルホーンの相性っていい。めっちゃいい。

これ、なんでなのかはわからないんだけど、2000年代〜からハンドル幅ってどんどん広くなっていて、でもブルホーンはあまり広いとバランスも崩れるし乗りにくくなる(MTBは別として)ので、この400mm幅くらいまでで落ち着いてきた。

実際、ミニベロも極端にコンパクトなハンドルを使うことが少なくなってきていて(もちろん、体格に合わせましょうね。)、ドロップハンドルとかは少しずつハンドル幅は広がっているんだけど、ブルホーンはこのまま。

これってどういうこと?って話だと、「これがひとつの正解」なんだと思う。

自転車のカスタムって正解が何個か存在していて、そこから自分にとっての正解に進んでいくんだけど、ミニベロ+360〜400mm幅のブルホーンバーはこれ、ひとつの正解だと思います。

それくらいたくさん組んでるし、満足度も高いし、実際組んでて「これ感」ある。

正解は揺蕩っているものですが、ミニベロ×ブルホーンのカスタムが浮かんだ時、これはひとつの正解であると確信できる「ハマった感」。

ブルホーンはなぜか今品薄なんだけど、スタイリングとしてこれベースで考えている方はとっても多いです。

オリジナルアルマイトカスタムのNITTOバーエンド。

NITTOのバーエンド、EC-01EC-02
このバーエンドはカラー展開が豊富で、サイズもあるのでまあだいたいのハンドルバーに取り付けが可能なんですが、EBSでよく使うのはシルバーとブラック。

色をカオスに使用したスタイリングは大好きなんですが、クラシックがベースのコンセプトにあるEBSでは僕がそれを前に出て提案することはありません。(やりたい方はガッツリお付き合いします!)

で、欲しかった間のカラー、ブラウン系のアルマイトを別注ではなく、ブート的に僕が独自でやっています。
これは公式じゃないので、ほんとたまに、限られた数だけやっています。

めちゃくちゃ少量でアルマイトかけてるので単価が高いし、正直儲けもないアイテムなんだけど、たまにわかってくれる人のいるアイテムです。

EBSオーナー様のみ、僕からご案内しております。
といっても特別なものでないので、自分でアルマイト加工できる人はやってみてください。

先端ブレーキレバーとブルホーンバーの最強相性。

ブルホーンはフラット部、先端部と二つブレーキレバーの取り付けが可能な位置があります。

フラット部だと乗りやすく、横から見た時によりすっきりとしたルックスに。
このように先端取り付けだとブレーキポジションが1番前に来るので攻めた乗り方ができるし、個人的にはこのスタイリングが大好きです。

大径車だと昔のクロスバイクみたいになってしまう組み合わせがある(フレームに対して長すぎる場合)ので、気を使うところですがミニベロだとまあほぼ100%でOK。

White IndustriesのトラックハブとVELOCITY A23の451リム。

アメリカンパーツの組み合わせの中では間違いない構成ですが、やはりVELOCITYのA23がミニベロのリムを作ってくれている、というところがありがたさしかない。

ホワイトインダストリーズはレトロな風合いにアルミの削りのバランスが秀逸。

横から見ると肉抜きの入った、いかにも昔のラージフランジ、というルックス。
これがたまらないっすね。
トラックハブはラージフランジが採用されているものが多いですが、ホワイトのはトラックハブも例に漏れず。
ただし、超高精度に肉抜きが施されていて、剛健かつ軽量に仕上がっています。

VELOCITYのA23はミニベロ用があります。

これはリアの写真ですが、VELOCITY(ヴェロシティ)のリムにはミニベロ用に設計されているリムがいくつかあり、このA23もまさにそれ。

A23の由来は、23Cのタイヤを履いた時に最も美しいラインが出るように、というリムなんですが、太めのタイヤももちろんしっかりと履くことができます。

ミニベロでは23Cは結構選択肢として選びたくなることが多いので、このA23とミニベロの相性はもちろん抜群なのです。

高精度で、ビードジョイントな分、普通のリムより少し値が張りますが、その価値のあるリムだと思います。

ビードジョイントってなんだ?

リムを製作する時、輪っかにする工程で最後に繋ぐ必要があるんですが、この時に溶接するリムをビードジョイント、同じ素材を挟んで接着するものをスリーブジョイントと呼びます。

安価なリムはほとんどがスリーブで、量産に向いています。

ビードジョイントは作業工程として少し複雑になる分、高価になりますが軽量で重量バランスに優れており、さらに強度も高く、ジョイント付近の精度もスリーブより上であることが多いです。

ハンドル周りに高強度なものを。足元は粘り強いタイヤを。

コックピット、足元共に妥協なし。

しっかり良いもので構成されており、長く使える一台になっていると思います。

CHRIS KING ヘッドセットとNITTOステム。

間違いないヘッドセットの選択肢といえばクリスキング。
ミニベロで、1インチのスレッドヘッドとなればもうこれ一択。

TANGEやSHIMANOも取り付け可能で、どれも長寿命ですが、やはりKINGはチョイスから外せないですね。

文字が嫌だ、って人もいるので、そういう時はTANGEが無地(正確には無地ではないけど)でおすすめです。
レトロなルックスが欲しい場合はSHIMANOのDURA-ACEヘッド、HATTAなんかもいい感じです。

ステムはNITTOを採用。

そのたスレッドステムと違いのわからない、って人が世の中では多数です。
でも、自転車がちょっとでも好きなら避けては通れないNITTO製品。

その中でもこのNPシリーズはとても滑らか。
まるで濡れているかのような奥行きのあるシルバーと白色アルマイトはNITTO製品ならでは。

当然強度、精度とNITTO独自のかなり苛烈なテスト済みで、全ての製品がちゃんと使えば抜群の性能です。

FLOAT 451Sのワイヤーは内装式です。

FLOATシリーズは純正でワイヤー内装式をセレクトしています。
中はフルアウターなので、水分が侵入しにくく一度オイルを入れればある程度中にしっかり残ってくれて潤滑してくれます。

といっても長くいるグリスやオイルは逆にいたずらをすることもあるので定期的にメンテナンスをしましょう。

細部に真鍮を。

細部には真鍮パーツが多用されています。
真鍮、多分クロモリフレームユーザーはみんな好き。

経年変化でくすむ感じも、磨けばすぐに復活するところも最高。

FLOATはラグドフレームなんですが、溶接の部分の金色っぽい部分は全て真鍮ろうが流れたものです。
これが見たいがためにローカラーをセレクトしがちなくらい。

今回はワイヤーのアウターキャップに真鍮のものを。

ちなみにこれも日本製、大阪は岸和田のワイヤー専門メーカーが製作してくれています。

Panaracer Minits Liteでしっかり走る。

451ミニベロのタイヤの種類ってそこまで多くないんですが、その少ない中で確実に名作であると言えるのがこのPanaracer Minits Lite。

23Cと28Cがあって、これは1-1/8サイズ(約28C)のもの。
グラベル全盛のこの時代、28Cは細く感じるものですが、ミニベロでは1番スタンダードなサイズ感で、高圧でスイスイ走れます。

MInitsシリーズの良いところはちょっと粘りのあるコンパウンドだというところ。

かといって転がりが悪いわけではなく、むしろよく転がる。

コーナリング時にしっかり食いついている感があって、さすがパナレーサーと言わざるを得ない。

Minitsには「S」「Tough」「Lite」とグレードがあり、Liteは最も軽量で折りたたみ式タイヤのもの。
どれも良いんですが、もし良いものを、となれば間違いなくLiteをセレクトしますね。

スキンサイドの設定があるのも嬉しい。

FLOAT 451Sのオーダー状況。

FLOATシリーズは受注製作なので、常に受け付けています。
スケジュール次第ですが、最短で3ヶ月〜、ご予約次第、長い時で1年くらいいただくこともあります。

EBSでは創設時からあるマスターピースなので、この10数年間違いのないフレームでいつづけたし、これからも長く使っていけるナイスフレームだと思います。

大きいタイヤの700シリーズ、変速仕様のRシリーズと

・FLOAT 451S…シングルスピード/固定ギア ミニベロ

・FLOAT 451R…変速あり ミニベロロード

・FLOAT 700S…シングルスピード ピストバイク

・FLOAT 700R…変速あり ロードバイク

といったラインナップでの立ち位置です。

このルックスは刺さる人にはとことん刺さってしまい、僕もFLOATにはかなりやられたタイプなので、気になる方はぜひお問い合わせください!

お問い合わせはこちらから。

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