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クロモリのミニベロシングルスピードが気になってきたでしょ?

小さい車輪の自転車、ミニベロ。
なぜか強烈に可愛く見えたり、小さい車輪で走りまわることに興味が出てきたり、コンパクトさに響く実情があったり。

調べていくと、どうやらギア比がしっかり設定されているものでないと漕いでてもしんどい、とか、ちゃんと組めばクロスバイク的な比率でしっかり走れることがわかってきた。

でも、、

「シンプルな自転車が欲しい」という抗えない脳内。
はじめは小さいだけでよかったのに、なぜかワイヤーの本数が気になってきたり、変速機そのものの見え方がなんかなー、って思ってきたりする。全く使わねー、って地域性もあったりするけど、変速機の有用さなど当然わかっているのに、ここまで切って極限までシンプルに収めてみたい。

実際にそれは可能なのか?を調べると「ミニベロシングルスピード」とか「ミニベロピスト」という言葉は存在しており、少数派ながらどうやら可能らしい。

関係ないけど、少数派ってことにも響く。
変な自転車が欲しい、ってわけじゃないけど、しっかりストーリー性のある買い物をしたいし、わかる人にだけわかるモノをわかる人間でありたいと思うことはよくある。

そうして調べていくと、少数派すぎて選択肢が全然ないことも薄々感じてきた。

おおよそ調べた感じではこうだ。

エアロなフレームは格好良いけど、自分にはちょっとヤンチャすぎるかもしれないし、ハードな乗り味を求めているわけじゃない。

安いのは歓迎なんだけど、乗っている人をSNSとかで見ると10代とかだな。。
もっと、大人が乗ってて良い感じになる、カスタマイズにもしっかりついてくる趣味性の高いフレームはないもんか…

お待たせしました。

大人向けに製作している、クラシックな細身のクロモリ、伝統的な手法で作られたミニベロのシングルスピード、ミニベロピストにもカスタム可能な国産クロモリパイプ、シンプルな自転車が製作可能な日本は京都のハンドメイド自転車のご紹介です。

………

……

と、まあ始まりました、Masnのブログコーナー。

冒頭の文章は僕がチームEBSに所属する前に思っていたりしたことです。
実はいまも当時思っていたことも、市場に出回っている現状もあまり変わってないんだよね。
今はそうした想いを持つ大人ミニベロラバーに向けてご提案、発信をさせていただいております。

今日からのご紹介は京都ハンドメイドフレームビルダーEBSのミニベロの中でもちょっと変わった形、しかしながらEBS創成当初からずっと作り続けられている名作フレーム、FLOAT 451Sというフレームです。

目次

Engineered Bike Service(EBS)FLOAT 451S

やたら横文字で読み方というか、これで合ってるか不安になる人もいると思うのでカタカナ表記でも。
エンジニアードバイクサービス、通称イービーエスのフロートヨンゴーイチエスです。

フロート、、まで英語なのにそこからはヨンゴーイチ。なぜなんだ。
D51、みたいな。

この記事ではFLOATってなんなんだ?ってところをざっくり紹介しているよ。
ミニベロシングルの中でもかなりインパクトを残す形なので、エアロなアルミフレームとかも選択肢に入ってる人にもグッと刺さるし、細身なクロモリが好きな人も響くナイスフォルムだと思います。

ちなみに僕はこの形に刺さってこのチームに入りました。笑

先出し画像ギャラリー。

画像だけまずは見たい、って人はここからどうぞ。

何回かに分けてこのFLOAT 451Sを紹介していきますが、全体はこんな感じです。格好良いよね。

なぜミニベロシングルなのか?

メーカーだからできること、僕だから提案できること。

どういう人に向けて、ということは置いておいて、僕がなぜ世の中に出回っていない=需要がないと思われるミニベロシングルを売り続けているのか?ということについてですが、「需要はある」と断言できます。

ただし、ミニベロに於けるギア比率のカバーの広さ、はとても重要で、スポーツ、街乗り問わず変速機ありの自転車が多く用意され、大手メーカーが製作にGOをかける理由ももちろんわかります。

これは、

これに尽きるわけです。

ミニベロシングルは万人受けのパッケージが刺さらない尖ったプロダクト。

ロードバイクなどのスプロケット交換が前提となっているバイクとは違い、多くのミニベロは街乗り用であり、万人受けする必要があります。

こうなると、健脚とか剛脚ではなく、いたって「普通」に自転車に乗ってきた人のギア比が採用され、とりあえずそれに合う7枚から8枚くらいの変速ギアを用意するのが最良でクレームも出にくいはず。

でも、ミニベロシングルを求めている人はそうじゃない。
ここからここまでの人が笑ってくれるネタではなく、この辺の人だけが爆笑するネタが欲しいわけです。(合ってるよね?)
まあ、当然全員爆笑できればそれが最高ですが、一枚のギアでは(重すぎるよ!)って人も(軽すぎんだろこれ)みたいな人もいるわけですね。

上記の理由から、同じ仕様で1000台、2000台と作るマシンメイドではミニベロシングルというものを発売するにはかなり根性のいるお話となります。

それが僕ならばできる、と確信したから推進している、というわけです。

少数製作で欲しい人だけに製作することで大量生産のコストをカットします。

1000台製作する方が当然1台あたりのコストは安い。
でも、売れなかった時のマージンや工業製品だと必ず出てしまう不良品のマージンなどがそれぞれに乗ってきたり、海外からの輸送料、宣伝広告費など全てそこに乗ります。

EBSで製作され、その中で僕がオーダーするミニベロシングルは年間で多くても今の所10台くらい。
宣伝や広報は自社のみのアカウントで発信し、双方のやり取りなど全て僕が行い、必要な分だけそこにコストをかけているので国産の素材、国産製作でも適正な価格で提供ができる、というわけです。

十人十色で製作すればかなり良い相棒ができます。

10人のオーナー様とご相談を重ね、10台製作して乗ってもらう。

ミニベロのギア比では設定が大きくなっていくんですが、54Tを使用する人もいれば、56Tを使用する人もいる。もっと上でもいい。

坂道が多いなら軽くしたり、リアを2枚にしてディングルでもいい。
ツーリングと輪行に特化させるならドロップハンドルかもだし、ストリートユースならブルホーンでも良い。

これは変速機のある自転車でも、ミニベロ以外でも全てご相談のもとにオーダー製作するんですが、シングルでももちろん同じように製作しています。

FLOAT 451Sの基本スペック。

フレーム+フォークスペック。

素材…KAISEI 022ダブルバテッドフルクロモリ(0.9mm-0.6mm-0.9mm)

ホイール規格…20インチ(451)1-1/8タイヤ推奨

ヘッド規格…1インチ(ITA)スレッド ・事前オーダーではアヘッドにカスタムも可能

ステム規格…1インチクイルステム

シートポスト径…27.2mm

シートピン長…19mm推奨

エンド規格…フロント100mm/リア120mmトラックエンド

拡張性…標準ボトルケージ台座なし、フェンダー/ラック台座なし(共にオプションにて可能)

キックスタンド…センタースタンド台座溶接可能

ブレーキ規格…ロングアーチキャリパー推奨

フレームサイズ展開。

S、M、Lの3サイズ展開です。
受注製作でより大きなサイズもたまーにやってます。

 Sサイズ(470)…156〜165cmくらいまで

 Mサイズ(510)…166〜173cmくらいまで

 Lサイズ(530)…174〜178cmくらいまで

身長は目安ですが、だいたいこのくらい。
小柄な方でも乗っていただけるセットアップも可能です。

180cm超える高身長の方はXLサイズでないとちょっと厳しいかな。
常時製作できれば良いけど、今の所受注製作です。

ちなみに、今回紹介しているFLOAT 451SはLサイズです。

フレーム+フォークの価格。(2024/2月現在)

フレーム+フォークセット…税込162,800円

その他、塗装料金やパーツ、工賃などがかかります。

モデル名のお話。

自分で乗る、乗るかもしれないフレームの由来がわからないのはクラウン乗ってるのに(この車、なんで王冠のマークなんやろ…)くらいのお話。

ここでFLOAT 451Sについて知っておきましょう。

FLOATってなんだ?

モデル名について語る、なんてもしかしたらヤボなのかもしれないけど、フロートにはしっかり理由があり、しっかりとEBSのシステムに組み込まれ息づいています。

FLOATには700、とかR、とか色々あって、FLOATシリーズとして長年君臨していますが、これはリアシートステーにあるアイコニックな造形そのものがそのまま名前になっています。

横から見た時にここがクロスしているフレームは「トリプルトライアングル」という名前のフレームになるんですが、通常、トリプルトライアングルにする理由の大きなひとつとして「交点を増やして剛性を上げたい」というねらいがあります。

ところが、FLOATシリーズではこの交わる部分には溶接が行われず、「浮いたような形状になっています。」

そうです、この浮いている部分をEBSでは「FLOAT システム」と名付け、独自のしなりと入力を実現、かなりしなやかな乗り味になっています。

では、剛性的にどうなんだ?というともちろんクリアしています。
実は、「乗り手に優しい」とされるクロモリは素材が確かで、ちゃんと仕事がされていればシンプルに溶接して組むだけで多くの人にとって硬くなってくるくらいの素材。

この良い意味で力の抜けたフレーム作り、やパーツセレクトはEBSの得意分野といえます。
街乗りをするのに、トッププロが作った設計で、完璧な入力が求められるフレームではシンドイですからね。

FLOAT 451Sの「フロート」はこの部分が由来です。

451ってなんだ?

451(日本ではヨンゴーイチ呼び)はホイールの規格です。
ETRTO(エトルト)という周長の規格があるんですが、その数値が451なので「451ホイール」と呼ばれているわけですね。

同じ20インチと呼ばれる中にも406(ヨンマルロク)も存在し、チューブからタイヤから規格が違い共有不可です。
なんでそれが同じ20インチやねん、という話はよくある政治的なお話です。

451が大きい方、406が小さい方、くらいの認識で、基本は共有できないことを覚えておいてください。

451ホイールは主にスポーツバイク、走るミニベロに多く採用されていて、EBSならHorizontal 451、LEAF 451など同じホイール規格(ハブ規格は違います)ですね。

20インチには406という型番も存在します。

406はBMXなどに採用されていて、一回り小さいけど、めちゃくちゃ太いタイヤの設定があります。
最近はそっち系のミニベロも増えてきて、ちょこちょこ見るようになってきましたね。
EBSではLEAF 451の派生系、LEAF LONGやTURN、WORKといった荷重に強いカーゴバイク系に採用されています。

FLOATには700S、700Rが存在し、これは700Cホイールの意味です。

Sってなんだ?

じゃあその最後の”S”ってなんだよ!
というと、「Single」、シングルスピードのSです。

TrackのTがついているモデルが若干数存在したり、Special SingleのSSという限定モデルがHorizontal 451に存在していたりとややこしいけど、全部シングルスピードです。

区別している、ということは他の文字もFLOATにあるわけですね。

Rもあります。

Rは「Road」、ロードバイクのRです。

不敗神話のRではない。

パッと出てきたFLOAT 451Rがロードっぽくなかったけど、ミニベロロードとして絶対組まなきゃいけないわけじゃないです。

ようは、「変速機が取り付けられるFLOAT」と思っていただければ。

今回紹介のFLOAT 451Sのスペック。

フレームカラー。

フレームカラーはParkerizing Clear RAW Finish。
鉄そのままの素地を活かして使ってしまおう、という仕上げ方法で、EBSではかなり人気のカラーです。

ローカラーとか、ロウフィニッシュとかいろんな呼び方をされます。

パーカライジングという防錆処理法がクロモリでは安定して行われている防錆方法なんですが、処理をするとこんな色になります。

そこに仕上げのクリア塗装を艶々で仕上げたらこんな感じ。
マット仕上げも可能です。

溶接時に残る真鍮ロウのあとも楽しめるので、FLOATのようなラグフレームはメッキ以外にもこうした仕上げは人気ですね。

パーツスペック。

ヘッドセット… CHRIS KING Gripnut 1″

ステム… NITTO NPステム

ハンドルバー… NITTO RB-010 ブルホーンバー

ブレーキレバー… Testach Aidarm 先端ブレーキ

ブレーキ… GROWN HUNT純正流用

バーテープ… BROOKS レザーバーテープ

バーエンド… NITTO EC-01 /EBS KYOTOオリジナルアルマイト(ブラウン)

ハブ… White Industries TRACKハブ前後セット

リム… VELOCITY A23 (451)

タイヤ… Panaracer Minits Lite 1-1/8

サドル… BROOKS Canbium C13 Carbon

シートポスト… NITTO S65

クランク… SUGINO SG75クランク

チェーンリング… SUGINO SSG144 チェーンリング 53T

ペダル… MKS シルバンストリームネクスト

チェーン… HKK Vertex NJSチェーン

コグ… White Industries Track 13T

試乗車があります。

EBS KYOTOにはこのFLOAT 451Sの試乗車があります。

Mサイズで、紹介しているブルホーンスタイルのもの。
乗りやすいギア比、シングルフリーで組んであるので誰でも乗れます。

ほんとたまーに、ディーラーショップに貸し出していたり、展示会や試乗会でいないこともあるので、試乗したいぜ!って方はご連絡いただければ待機させておきますね。

お問い合わせはこちらから。

    オンラインストアから登録不要、匿名でご質問も可能なので、下記ボタンから「質問する」もしくは「ふきだしマーク」からどうぞ!

    今回はここまで。

    FLOAT、良いフレームなので良質なミニベロシングル探している方に届けば最高。

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