街乗りとして最適な自転車のジャンルの中でもまたがりやすいスポーツバイク、そしてミニベロというジャンルに入るLEAF 451。
長く乗っていただいているオーナー様のバイクの紹介。
今回はダイナモライトを良いものに変えたので、ダイナモライトメインのお話ですが、EBS KYOTOのオーナー様はダイナモライトの導入に対して超ポジティブなので、詳細なデータで語る、なんてことはないんですがおすすめのポイントを書いておきますのでお悩みの方の参考になれば最高です。
Engineered Bike Service (EBS)LEAF 451
かわいいティ○ァニーブルー系(これ、明言したらダメなんだって!笑)のLEAF 451。
この方式で専用フロントラックが取り付けられるモデルはもう製作していませんが、今はバスケットラックの取り付けが可能です。
現行のラックはこんな感じ。
前のラックが良かった!って行ってくださる方もいらっしゃいますが、これはアーリーモデルのみで製作終了しています。
僕も好きだけど、ちょっとクセがあったのは否めないしね!
現行のラックはLEAF LONGと共用していて、ライト台座なんかもオプションで溶接できますのでお気軽にお申し付けください。
思いっきり使い込んでもらってるからそれなりにくたびれていますが、なんでも新しくするのではなく、交換や修理を繰り返しながら長く、大切に使ってもらっているのが触ってすぐにわかりました。
今回はワイヤーやブレーキシュー、ライト周りなどをカスタム&リペア。
現行のライトは新車の頃よりも圧倒的に高効率で大光量なので、かなり夜道の満足度は高まったのではないかと思います。
busch+muller IQ-XS ダイナモライトを装着。
busch+muller(ブッシュアンドミューラー)のIQ-XS(アイキューエックスエス)のダイナモライトを装着。
以下BM社、IQ-XSと表記します。
以前取り付けていたライトはLEDライト初期のもので、悪くはないものでしたが今のお話を伺うと若干光量不足ということと、破損があったのでここは交換、アップグレードとなりました。
取り付けはかなり下、フォークエンドアイレットにマウント。
元々この位置にマウントされていて、お気に入りとのことで継続で。
僕が組付を担当するようになる前のLEAF 451なので、毎日触れているEBSながら新鮮でしたね!
このライトの魅力。
BM社はかなり長くダイナモハブ用ライトを開発、発売しており、今ではさすがにもうないだろう電球式のダイナモなども作っていました。
この項目では今回使用しているダイナモハブ、SP社(シャッタープレジション)のハブのお話も並行してお話しますが、この二社の相性は良いと感じます。
ちなみに「ハイエンド」として比較しているのは「SON」社のハブ&ライトです。
ハブとライトを一社で開発しているというのが最大のメリットですね。
試してみようと思える価格。
割と廉価なライトからハイエンドのライトまで製造しているのですが、スポーツバイク用のダイナモライトではリーズナブルな方に入るのも嬉しいポイントです。
スポーツバイク用の回転効率の良いダイナモハブ+ライトだと、高いものでは組み合わせとしてパーツ価格で10万円を超えてくるものもありますが、EBS KYOTOでよく採用するSP社のハブにBM社のライトだとパーツ価格で42000円くらいから購入が可能です。
同じ性能水準のバッテリーライトを購入しようと思えば12000円くらいするものもあるので、4倍近くの導入コスト。
これをどう見るか?ですね。
ハイエンドに見劣りしない性能。
もちろん、ハイエンドの製品は防水性能、回転性能、発電力、光量と全てにおいて勝りますが、今回のSP×BM IQ-XSの組み合わせは街乗りでは十分すぎるスペックを備えています。
ハブに水が侵入してダメになったという例はこの10年でひとつもないです。
防水性能としては高水準であると言えます。
ダイナモってめちゃくちゃ重くなるんじゃないの?
回転性能としては、もし目隠しして自転車に乗った時、ノーマルハブとの違いは気づかないのでは?というレベルにまできています。
ママチャリの摩擦式と比べると雲泥の差、ですが、これは体験いただかなくても満足いただけるレベルであると言えます。
もちろん、この組み合わせの試乗車もございますのでご来店の上乗っていただくことも可能です。
そしてもっとも大切な発電量、実はこれはどのハブもあまり変わりません。
スポーツバイクと街乗り用のダイナモハブは明確な違いはありますが、SP社のダイナモハブは全て基準を満たしており、かつ高回転車種であるミニベロ用にセットされたダイナモハブのラインナップも豊富です。
光量は後述。
質感が良い。
IQ-XSにはひとつ上にもう1グレード存在し、「IQ-X」がBM社ライトのフラッグシップです。
逆に言えば、10種類くらいあるライトの中で2番目に位置するIQ-XSはハイクラスライトと言える存在で、2万円以下のダイナモライトでは最も質感が良いと思います。
素材としてアルミボディ、仕上げも上質でしっかりしたライトということが感じられます。
2万円を超えるライトでもまだポリカーボネート素材のボディがあり、軽量で扱いやすいですが紫外線による劣化が激しかったり、部分的に割れてきたりもするので個人的にはそれならもっと安いライトでいいのでは、、と思います。
(最近めちゃくちゃリーズナブルなダイナモライトを発見したので、良ければ別の選択肢として採用するかも?)
しっかり光量。
フラッグシップモデルであるIQ-Xが100ルクス、IQ-XSは80ルクスです。
感覚的な戦闘力としてわかりやすいルーメンで表記されるライトが多い中、領域的なお話が入ってきますが、かなり広い面積を照らしてくれます。
上記はBM社が公開している画像ですが、(日本総代理店であるPRインターナショナル様より転載)まあ嘘言ってないね、ってくらいの画像です。
100LUXの画像はかなり良い条件での想定だと思いますが、実際このくらいは照らしてくれます。
京都基準で申し訳ないですが、80LUXで真夜中、冬で最も暗い条件の鴨川を走っても怖くないレベルです。
年間を通して街乗りで暗いな、と感じることはないはずです。
ツーリング的なお話が入ってくるなら、夜は明るければ明るいほど良いので100LUXのIQ-Xの導入も検討に入りますね。
個人的には街乗りでも明るい方が好きなので、僕のバイクはどれも最高に明るいものを採用しています。
なぜこれほどまでに街乗りバイクにダイナモライトをおすすめしているのか?
「ライトを取り付けたくない」「ライトなんかダサい」みたいな人はこの令和の世、さすがにもういないと思いますが、ハンドル周りにごちゃごちゃ色々取り付けたくない、ってのは個人的にわかります。
本当に便利だけを考えたら今ならスマートフォンマウントでナビ起動、なんてこともあってライト、スマホ、ベルなどでハンドルの隙間完全に埋まる、なんてこともあるので、この項目では取り付けに対してシンプルである、というメリットも書いておきます。
スタイリッシュでレトロクラシックやスポーツにも合う、クロモリとの相性の良さ。
軽さ極めるカーボンフレームに重量的に不利なダイナモハブを入れたり、空力的に不利なランプ形を使用するメリットはあまりないと言えますが、構成する全てをミックスし、佇まいが美しく見える、日常の道具として作る街乗りの自転車、今回紹介している中ではクロモリのフレームでは重量面や空力面をあまり気にする必要がありません。
(もちろん軽いにこしたことはないけど)
小型で軽量、砲弾型ライトに近しいルックスはどこに取り付けてもいい感じです。
フロントラックとの相性が特に良いのでフロントラックスタイルもおすすめです。
ダイナモハブ、ダイナモライトのメリット。
街乗り自転車において、ツーリングバイクで用いられてきた発電ができるダイナモハブ、ダイナモライトのメリットは抜群です。
もちろん通常のハブに比べてデメリットも存在するのですが、恩恵に対して微々たるものであると感じます。
1、充電から解放されるということ。
まずは充電の手間から解放されるということ。
これを体験してしまうともう後には戻れません。
・そもそも面倒で充電しなくなった
・充電したけど家に忘れてきた
・ギリギリいつも使ってて意味のない点滅状態
などがなくなります。
自転車のライトを導入するにあたって、現在の主な選択肢はダイナモライトを入れて合計3つ。
充電式ライト
現在、安価なものでは100均のものから大容量、大光量のライトまで様々な形が発売されています。
基本的には価格に容量/光量が比例すると思ってもらってOKです。
街乗りで充電式のライトを導入するにあたって基本的なスペックとして400ルーメンで日常的な通勤/通学で帰路が夜道の場合、2週間に1回くらいの充電ペースであれば及第点でしょう。
ただし、これは後述する「フルパワーの点灯状態」での充電ペースではないです。
本来は400ルーメンくらいのパワーで常に照らしたいところなんですが、これを400ルーメンがMAXのライトで運用すると2時間も保ちません。
1回の充電で40時間以上の点灯!とか書いてあるものもあるけど、これは80ルーメン+点滅で使用した場合、とか小さく書いてあって実際使うと「あれ?」ってなることもあるので注意、です。
もし、充電式のライトを使うなら、800ルーメンくらいのMAXが使えるライトで200ルーメンくらいで運用するのが使い勝手良いです。
電池式ライト
これはもうほとんど存在しませんが、あえてレトロなライトを使うとなればまだまだ現役です。
単三電池や単四電池を2〜4本使うことが一般的ですね。
LEDのものが多く発売されていますが、光量があまりなく、電池の効率もそこまで良くありません。
ONにしたまま家に帰ると次の日切れてたあるあるも。
が、電池を持ってさえいれば急な電池切れにも対応できるでしょう。
この辺は昔ながら、ならではの良さがありますね。
バッテリー式ライトの注意点。
バッテリーライトを否定するわけでは全くないです。
僕もダブルで使ってるものもありますし、小型化できたり持ち運べたり、共用で使えたり、今だとモバイルバッテリーもあったり、ライト自体がモジュール化していて拡張性があったりと現代ならではの使い勝手があります。
これはあくまでダイナモライト側で商業的に語る時の目線ということです。笑
常に充電残量との戦い。
どうしても充電の残量は気にしながら使うことになります。
「充電忘れてた!」なんて時にほぼ点いてないような明るさに調整して帰る必要があったりします。
それはライトとして安全で快適か?というとちょっと違うのかな、と。
充電するたびに脱着。
これが面倒で充電しなくなっていって、気づけば無灯火で走る日が増えてきて、危ない上にいい大人がおまわりさんに停められたり、、はちょっと馬鹿らしいかな、と。
だんだん充電できる量は減っていく。(リチウムイオンバッテリーの劣化)
これは長く使うと仕方がないですが、中身を交換できるライトはかなり少ないので消耗品的な使い方になります。
バンドで簡単に取り付けられるライトは盗難リスクも。
取り付けやすいライトでないと充電が面倒。
でも、そこを追求していくともぎ取られてそれなりの価格のライトがなくなっちゃった、なんてこともあります。
2、常にフルパワーであるということ。
そうなってくると最大のメリットになりえるのがこれ。
充電の必要なし。その上に光量の調整や残量を気にする必要もなし。
最大光量で夜道を安心して走れるということがこんなに快適なんだ!と気づけるはずです。
車で夜走るのとか楽しいじゃないですか?あれ、暗かったらただの怖い行為ですよね。
3、電源のON/OFFから解放されるということ。
そんなの手間でもなんでもないよ!という声が聞こえてきそうですが、人間、楽になったら次の楽を求めます。笑
ただし、楽になって自転車の楽しさが失われるわけではなく、運転に集中できたり、(もうちょっと、、)ってのが解消されるだけで楽しさが増すのです。
一般的な充電式ライトは不意の点灯や消灯を避けるためだいたいが長押しでON/OFFとなっています。
たった2秒。されど2秒。
乗車してから点灯させる危険性などの常識的な範囲だがついやっちゃうことから、押したけど微妙に押せてなくてつかない!やり直し、や消そうと思ったけどなかなか消えない!これもあるあるですね。
走れば勝手に点灯、停まればしばらくポジションランプ→消灯。
この便利も知るとやめられません、これマジです。
ちなみに、今回使っているダイナモライトは外の明るさを検知して光量を調整してくれる機能があり、オートライトになっています。
昼間でも点灯していますが、デイライトとしての明るさで対向でも眩しくなく、使い勝手が良いですね。
4、盗難リスクの軽減。
最後に盗難リスクの軽減。
地球ロックなどで自転車そのものを守ることは必須ですが、ライトはもぎ取られたりして無くなることがたまにあります。
ダイナモライトはボルトでとめてあるのでまず外れませんし、これだけ盗っても意味のないものです。
ライトの説明を熱く語りすぎてしまって今回書こうと思っていた量の2倍がすでにすぎてしまいましたがこれは僕あるあるです。笑
ダイナモハブ、ダイナモライトのデメリット。
まあ、これだけ書けばこれも書かねばなるまい。笑
導入コストが高い。
これは仕方のないことですが、ライトを買ってはい完了、というわけではなく、
・発電ができるダイナモハブ
・それに対応するダイナモライト
・リム(車輪枠)
・スポーク
などを用意して車輪そのものを組む必要があるのでどうしても初期段階での投資が必要になります。
電池代や充電の電気代などで回収、というよりはそれに値する求める夜間走行像があれば初日で回収!と言えるくらいのものですが、なんでもよければ税込110円でバッテリーライトが買えてしまう中、かなり高額であると言えます。
実際どれくらいかかる?
EBS KYOTOではフレームからのオーダーで組む際はご相談料金と組み付けの工賃がインクルーシブなのでここに関してはパーツ代金のみでOKですが、追加のカスタムの場合車輪組、ダイナモ配線、取り付けなど全部で5000円〜くらいの工賃をいただいています。
パーツ代金としては、ダイナモハブで20000円〜60000円くらい、ライトが6000円〜50000円くらいとピンキリですが、SP社のハブ(車種によって価格はさまざまなんですが)+BMのIQ-XSで4万円ちょっとくらいのコストです。
重量増。
これも冒頭で前述したクロモリとの親和性でいうとそこまでデメリットとは言えませんが、スポーツ用軽量ダイナモハブといえど重量はあります。
ミドルラインを計る上でベースとなるSHIMANO 105のフロントハブが165gで、これも種類によりますがダイナモハブの重量が大体390g前後、225gくらいはフロントが重くなります。
クロモリであっても当然少しでも軽量にしたいバイクのジャンルはあり、ロードバイクやグラベルを問わず、使い方によってはダイナモ導入ではないパターンもありますのでこのあたりはお気軽にご相談ください。
LEAF 451のざっくり紹介。
だからといって「ざっくり」なわけではないんですが、全体を紹介しておきますね。
今は製作していないフロントラック。
現行のフォークマウントではなく、フレームマウント。
フロント荷重でハンドル操作が重くなることがないのでメリットもたくさんあるのですが、ハンドル操作にラックが追従しないので駐輪場などで不利なんですね。
そこまで重い荷物を乗せることもない、ということで現行ではフォークマウントがベースです。
ワンオフでフレームマウント製作も行っていますが、フレーム側に加工が必要なのでポン付けできたりするものではありません。
使い込まれたグリップや経年変化した真鍮ベルも味がありますね。
これからのご予定でしばらく来ることができなかったり、ちょっとの間乗っていなかったもの、ツーリング予定があるなどでない限り、タイヤなどは限界ギリギリまで使うのが僕のスタイルなので使えそうなところは積極的にそのままで。
その代わり、しっかり清掃などを行い、これからも快適に使うことができるように仕上げています。
ありがとうございました!
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