※先頭の画像はイメージです。
ホリゾンタルフレームで、フロントカーボン、ラグにフィレットを指定で入れて、リアをスライドでシングルスピードでも組めるようなスタイルを考えていますが、ルックスとしてはこのフレームはかなり近しいと思います。
受注期間というか、来年のOMMをひとつのゴールとするので、オーナー様募集は11月くらいまでです。
現在もテスト中というか、煮詰めている段階ですが、春には完成させて、オーナー様それぞれで色々乗ってみたりしてもらって、7月にしっかり間に合うようなイメージをしています。
この記事を非公開にするまでが受注期間、ってな感じです。
オーナー様には詳細なスペックシートなどをお送りしますね。
最近ね、割としっかりめに走って、しっかりめに考察して、改めてクロモリフレームの可能性、強靭さなどに気づいてきたんですよ。
GROWNではレトロ+モダンに、旧規格やこれまでの自転車史で良かったもの、自転車好きのおじさんの原体験、初期衝動のようなエッセンスを加えてフレームに落とし込む、、という形が多いし、これからもそうなっていくと思う。
OMMではTEAM GROWNとして出させてもらったし、僕もGROWN CODAに乗っているのでその思想には共感しかないし、それが最もお客様のため、乗り手のためになると思う。
では、これからのEBSはどうしていくか?
OMMから帰ってきて、そう考えることが増えた。
GROWNのように露出をガンガンしていくスタイルではない(そもそも箱がひとつ、僕がひとりだから無理)んだけど、できるだけ楽しく発信したいし、GROWNとは違う方向性で、工房として、作り手としてよりハイレベルな部分を目指したくなってきた。
今回の記事では、まだ産まれてもない新作フレームのことを書きます。
体験、アイデア、設計、ネーミング、なぜ?どうする?などはこの数週間(めっちゃ濃密やな。。)で考え抜いて、工房にお願いすればすぐにテスト環境くらいまでは実現する手前だけど、この段階で発言として、発信として出すのは初めてなので、未定というか、言えない部分も多いんだけど、惹かれた人はぜひ読んで欲しいです。
もう完全に僕が必要だと判断した要素しかないけど、このフレームは「私も乗っかるぞ!」という方がいると思ったから。
この開発環境の初手から楽しんで参加してくれるオーナー様も募集します。
2人+僕で3人を定数とした募集で、ここ楽しんでくれるかたであれば遠方やスキルなど全く問いませんので一緒にやりませんか。
僕一人しかいなくてもやっていくプロジェクトになると思うけど、誰かいれば嬉しい。
今回作りたいカタチ。
まずは今の所だしている形を出していく。
フレームスペック。
フレームサイズの真ん中を表すMサイズはシートチューブ535〜545mm、トップチューブは540mmくらいの限りなくスクエアーな形状。
ホリゾンタルフレームにこだわること。(これは性能というより、自分の好みですが)
ヘッド1.5サイズ(テーパー想定)フロントカーボンフォークでオフセット変更が可能なものを入れる。
タイヤクリアランスは700Cで50Cあたりで常用38〜45Cを使って格好良くなるように組めるクリアランスで。
フェンダーの想定なし(取り付けは可能)
キックスタンドの想定なし(多分台座は取り付けません。)
フラットマウントディスクブレーキ
前後12mmスルーアクスル
シングル/ギアードを変更可能なリアエンドスルー規格(これからの10年、20年を考え、UDH規格で製作する予定)
ラグとフィレットをミックスさせたクラシックかつ強度のある構成(ちょいと違った仕上げにしたいね)
ラグを実現しながらシートクランプを取り付けられるように。
こんなところかな。
数値などはまだ出しませんが、具体的にどういう時にどうなれるフレームなのかが見えているものです。
なぜ「こう」なのか?
このあたりは今どれだけ説明しても仕方がないし、わかってくれる人だけ、みたいな感じになっちゃうけど、多分ここまで読んでる人は「わかってくれようとしてる」はず。
なので、シンプルに僕がお客さんだったら。自分でオーダーするなら。という点でお話している中に自分を重ねてもらって、もし響く部分があったら連絡して欲しいです。
めっちゃ良いフレームを確実に作ってくるので、Kamogawaに次ぐ僕のフレームに安心して乗っかって欲しいです。
なぜ「こう」なのか?
OMMで得た気づき
OMMに出てみて初めて分かったことがある。
僕は1日目はGROWN CODA、2日目はGROWN Harvestで走ったんですよ。
ディスクブレーキとカンチブレーキ、クイルステムとアヘッドステム。
いろんな違いはあれど、どちらもしっかり走れたし、満足。
その上で、わがままな要望、そしてGROWNでは採用しない新しい規格を載せていきたいと思っています。
1日目は順調に走れても、荷物を積んだ状態での急坂(まあほぼ担いでたけど)や悪路ではフレームの限界を体感した。
そして2日目、疲労が蓄積した状態での下りや担ぎでは、さらに細かな操作感の違いが浮き彫りになった。
「フレームの形状一つで、こんなにも走りやすさや担ぎやすさが変わるのか」と、体全体で改めて理解する経験だった。
この経験をもとに、新しいフレームは今まで以上に、ライダーの体験を最優先に設計することに決めた。


1、OMM前の設計思想
これまでのフレームは、街乗りからツーリング、時にはグラベルまで幅広く対応できることを目標に設計していた。担ぎやすさや荷物積載時の安定性も考慮し、チェーンステー長やBB高も実用的なバランスを重視していた。しかし、OMMで実際に使ってみると、特定の場面で「もう少しこうしてほしい」と感じる部分が出てきた。
これは、EBSで元々存在しているフレーム(僕が1から出しているのは今のとこKamogawaだけです)を使用してどこまでできるか、ってところと、やっぱり20年近く煮詰められてきた秘伝のタレのようなフレームたちに間違いはなくて、これからはそれらももっともっと強く、有効に使えるようにおすすめができると思います。
例えば、担ぎでの軽快さは良かったが、長い急斜面ではチェーンステー長が微妙に合わず、漕ぎが重くなる瞬間があったり。
また、荷物を多く積んだ下りではフレームの剛性や前後のバランスが気になり、乗り味の変化、体への負担が想像以上に大きいことも分かった。
京都の山を走る時は、かなりゆったり時間をとって、一人でぶらぶらすることが多いから、そうした領域での気づきみたいなのはあっても根性でどうにかしてた。笑
逆に言えば根性でどうにでもなるし、結局どんな自転車でも走れないとこはある。
でも、今ない形でそれぞれにできるだけ対応できる、本当のオールロードみたいなカタチってどんなんやろ?
と改めて考えるきっかけになったよね。
EBSで最もOMMに向いているバイクは今のところ間違いなくSTUFF。
グラベルロードの組み方で、タイヤは40Cくらいが実際に強い(強くなりたいわけではないんだけど)数値感になってくるはず。
具体的なお話では、STUFFよりもヘッド側でもう少しだけ安定感を出し、(フォークでオフセットが調節できるのでやりすぎない、しっかり走れる数値で)チェーンステー長を可変できるようなスライダー式にすることで、乗り手の方向性に合わせたフレームメイキングができるようにしたい。
2. OMMで得た具体的な気づき
OMMを通して明確になった改善点は以下の通り。
- 担ぎやすさの向上
- 急坂での切り返しや担ぎで、チェーンステー長を微調整すると体への負担が軽くなる。
- ヘッド角とフォークオフセットのバランスを見直すことで、直進安定性と操作性を両立できる。
- 荷物を積んでも漕ぎやすいBB位置
- 荷物を多く積んだ状態でのペダリング効率を体感。
- BB高やクランク位置を微調整することで、荷物の重心がライダーに影響しにくくなる。
- 長距離走行時の体への負担軽減
- 長時間走ることで、わずかなフレーム角度や剛性の差が疲労に直結。
- フレーム剛性の最適化とトップチューブ長の調整が必要と判明。
これらの気づきが、新フレームの設計に直接反映されることになる予定。
旧来のロードバイク的な思想、グラベルバイク的な思想、そして現代のパーツとの相性を考えた現代的な設計をミックスさせ、僕的オールロードを製作するということです。
そこにスライダー機構を採用し、シングルスピードをグラベルなどで実現していくことも鉄板の条件です。
3. 新フレームの設計ポイント
OMMの体験を経て生まれた新フレームの特徴は次の通り。
- チェーンステー長の最適化
- 担ぎやすさと登りでの漕ぎやすさを両立
これはスライダーで可変し、それぞれの最適を探せるように。
今までスルーではスライダー機構を敢えて採用してこなかったけど、UDH規格が安定し、よりシンプルに作ることができると確信したため。
- BB位置調整
- 荷物を積んでもペダリング効率を落とさない
その上でしっかり走る、かかりの良いフレーム製作を行います。
- ヘッド角とフォークオフセットの見直し
- 直進安定性と操作性の両立
ヘッド角はできるだけ変更せず(72°前後)、カーボンフォークを前提とし、オフセット値をしっかり体感、実用できる範囲で2パターン(登坂に強い/安定感を出す)を簡単に入れ替えることができるようにします。
フォークのオフセットを可変できる、っていってもそこまでやらないんだよね。
だからしっかり実用できるような設計値にします。
- タイヤクリアランス50C
- グラベルもツーリングも快適
実際に50Cを履くかどうか、は置いておいて、やはり現行のタイヤをしっかり使えて、余裕のあるフレームを製作したいですね。
- フラットマウントディスク、12mmスルーアクスル対応
- 高剛性で制動力の安定
これはもはや当たり前となったことですが、GROWNのHarvestがロードエンドだったりと過去を見ても良かったがレトロな規格を採用していくならEBSではしっかり現行を押さえる、といったねらいもあります。
- トップチューブ長・シートチューブ角の最適化
- 長時間ライドでも疲れにくく、体格に合わせた自然な姿勢を実現
フロントまわりで操作性を変更できる分、トップはすこし切り詰めて、よりぐいぐい走るように。
角度はある程度答えがあるので、できるだけ変更せずにより気持ち良いフレームにしていきます。
当然、疲れにくいフレーム、長く走ることができる数値を狙います。
これにより、OMMのようなタフなライドから日常のライドまでしっかり対応し、これから長く使えるフレームを製作予定。
4. このフレームで乗ってほしい理由。
- OMM経験を活かした設計
実際に走り、担ぎ、荷物を載せた体験が設計に直結。数字や理論だけではなく、体感で検証済み。
今までももちろんこの設計ベースでしたが、改めて「対OMM」とは言い切らずとも、しっかり走れるフレーム製作を改めて狙い、街乗りからはじまる、よりもしっかりとしたグラベル/ツーリングを考えます。
- 汎用性の高さ
街乗り、ツーリング、グラベル、荷物運搬まで、1台で幅広く対応。
ソロキャンを含むライドをしっかり意識し、ビワイチをゆったり泊まりながら旅をしたり、しまなみ海道なども快適に走行できるように。なのでオンロードもしっかり考えています。
- 少量生産・カスタム対応
ライダーの体格や用途に合わせた微調整が可能。
フレームサイズは決めますが、基本はM、Lの2タイプを設計予定。
身長で言うと168cm〜174cm、175cm〜182cmくらいまでの方が適応、です。
Sサイズはこの設計になると一気に難度が上がるので、もう少しテストが必要です。
- 長く使えるクロモリの魅力
乗るほどに味が出るクラシックな美しさと耐久性。
今回は大径パイプにラグを入れる予定なので、とにかく軽量!よりも、しっかりと高級感を出し、それでいてEBSの持つ工業的な側面を出し、細かな造作にこだわる予定。
これは個人的なやりたいことというか、僕が乗るなら、を真剣に考えているので、もし、これに呼応してくれる2人のオーナー様がいらっしゃいましたらやりたいことのご意見お待ちしております。
シングルスピード時には極限までシンプルに見えるように。
グラベルやツアラーの気アードカスタム時にはしっかりと取り回せるように1台でいろんな見せ方ができるようにします。
6. 先行オーダー受付中
この新フレームは僕が乗るフレームが1本を除外するとかなりの少量生産(最大2本)のため、先行オーダーというよりは、お話を聞いてみたい方を募集中。
カスタムペイントや追加工などもちろん可能で、ライダー一人ひとりに合わせた「世界に一台」の自転車を作れます。
詳しくはメールにて。
かなりしっかりお話して決めていくスタイルなので、じっくりめに付き合ってくだされば最高です。
かなり造作をしっかり入れ、それでいて軽量なクロモリフレーム+ENVEのカーボンフォークをフレームセットとし、価格は今の所32万円+消費税を目指しています。ENVEカーボンが12万円くらいになってしまっているので、完成車として組むならばそれなりの価格となりますが、できる限りリーズナブルに組みたい、しっかりこだわって選定したい、まずはシングルで組みたい、など、まずはお声がけください〜!
7. まじで良いものができそう。
OMMで体感した過酷な状況から生まれた新フレームは、単なる理論上の進化ではないです。
「走りやすさ」「担ぎやすさ」「荷物積載時の安定性」という、体験に基づく改善がすべて盛り込まれていて、新たに自転車を始めてみたい人はもちろん、タフに使いたい、それでいて人とかぶりたくない方に乗って欲しい。
日々の変化でバイクのスタイルも変わってくると思うけど、それにしっかりと寄り添うEBS的考えはそのまま。
このフレームで、OMMや長距離ライド、グラベル探検をもっと快適に、もっと自由に体験してほしい。
少量生産のため、今お話を聞いてもらって、もし響いてくださればあなたの手元にあなた仕様の世界に一台の自転車が届きます。
そしてこの思いを共有しているのは3台。
ぜひ一緒に先行者として乗って、作っていってください。
画像など全くない記事ですみません!
まずは「やりはじめたよ」っていうご報告。
そこまで宣伝とかしないので、ここまで読んでくれた方に感謝感激、であります。


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