2024 Frame making now Online Store

ネオビンテージスタイルで街乗り。拡張性抜群なTobira Model-T!前編。

いやー、9月、はじまりましたね!
まだまだ暑いですが、急にくるふと涼しい風、鈴虫。
こうなってくると急遽開幕、最高自転車日和。

年間、思い立てば毎日が日和ですが、
そのなかでも最高の日、ってのがあります。
酷暑に厳冬、なかなか厳しい天候もありますが、
季節の変わり目に数日だけ訪れるのです。

秋にさしかかるこの今まさに、この時期と
冬から春になってくるちょっとの間。
このふたつはこれだけ天候が変わってきた2022年でも
シンプルに「日本最高!」って言える日。

人生の中でこれがあと何十回あるかわからないし、
そのうち何日楽しめるかわからんけど絶対乗りたい日のひとつ。
一番丁度良くて、この時期に自転車乗り始めた人は
かなり良い体験からスタートできると思う。
僕はスポーツバイクはじめはド夏で汗だくでした。笑
決して走りやすい時期に始めたとは言えないかもだけど、
そのせいか今でも真夏ライド好きです。

あとは、夏が始まる瞬間の匂いのある日。
これは日の出の時間が最もおすすめ。
1日が長いからめちゃくちゃ1日ちゃんと使った感あって、
普段だらけてる僕自身にも良い循環がある。笑

最後に、冬がきた!ってなるほんの数日の瞬間。
紅葉が落葉し、踏みしめて走るその束の間ですね。

これはもうどんだけ走っても汗かかねーだろ!(と思った瞬間にはもう出てる)
って思えるひんやりとした冷気を感じながらも
路面状況良し、景色良し、食べ物の旬が多いともう目白押し。
スポーツの秋、と言われる理由がよくわかります。

この時期は住んでる街で一番イケてる朝市に出かけるのがおすすめ。
野菜がまじでうまいし、コーヒーもうまい。

こんな素敵すぎる時期に台風は来ますが、
台風があるから恵みを感じられる、ってのもある。
もちろん災害には気をつけますが、
こんな最高の日に
休みで、前日晩酌をせずに、よく寝て、早く起きて、
晴れてて、自転車の空気ばっちりで、綺麗で、オイルしっかり入ってて、
ポジションも出ていて、(これを前日にやるのも楽しい)ってところに
「自分だけの自転車」。これだね。

渋いのは間違いないけど、
通り過ぎただけでは何か認識できない、「ただ渋かった」
って思わせる伊藤一刀斎のような自転車が今日のご紹介。

本日のご紹介は…

tobira bicycle (by EBS)
Model-T

うーん、クラシックで、なぜかフランスを感じるカラーパレット。
日本の、京の風景にも合いますね。

tobiraは年一回のストックフレーム製作で
受注販売のようなスタイルなので数としてはかなり少ない。
数が少ない=高額になる
と思いきや、このシリーズはかなり綿密にスケジュールが組まれており、
EBSが展開するフレームのなかでもなかなかのリーズナブルな価格を実現。

もちろん、国産ハンドメイド、ってところで限界はあるかもしれませんが、
コンプリート販売もしているラインであります。

今回はタイヤクリアランス拡張や裏留めの加工が入っていたりと
クラシックなスタイルが光るバイクですね。

フレームワークとしては
完全なクラシック。
EBSは2022年現在、
クラシックやビンテージスタイルのオーダーをよくいただくけど、
このフレームが一番クラシック、それも日本古来、英国、仏古来の
かなり伝統的で実用的な安定感ある設計図はEBSにない感性です。

実用車というと
新聞配達の自転車などが想像されるけど、
あのポータースタイルの前身、ツアラーとしての
長い距離、荷物を積んで直進安定のある作り方、を
現代の思想に合わせて再構築したようなフレームです。

フロントビュー。

いや、やっぱ渋いですね。

ばっちりトータルコーデしても
街乗りに特化させてるので乗りやすい構成。
ハンドルまわりもリバーススタイルで
ゆったりさせすぎない感じもビンテージな空気感。

ハンドルまわり。

コックピットはかなり存在感ありますね。
全体的にしっかりチョイスされたシルバーパーツたちがナイス。
どんどん高騰してるので、今この時点で
アメリカのハンドメイド系ポリッシュパーツ持ってる方は
ガンガン使いながらも大切にしておきたいですね。
10年、20年と使えますが、
このままの値上がり率でいけば
10年後にはもう買う気にならないくらい高額になってるかも。

ハンドルバーはオリジナル。

このハンドルはEBSオリジナル。
NITTOさんに作ってもらった一番初めのコラボモデルで
EBS-10 Barというハンドルです。

上下反転して使えるハンドルで、
ちょいゆったり、ちょい前傾とふたつの絶妙な感じが◎。
変にゆったりさせすぎてママチャリみたいになってしまわないような
ほんの少しだけののライズ、
ドロップしすぎてしんどくなっちゃうことのない
ほんの少しだけのドロップ、です。

どちらも長めのグリップを入れた上でブレーキレバー、シフターが入る長さで設定。
どんな自転車にも使っていただけるナイスハンドルです。

グリップはBROOKS。

長く使えるパーツ、というものの中には
やはり入ってくるレザーパーツ。
そもそも持っている雰囲気が抜群ということもあって
常に人気のBROOKSですが、いよいよ数が少なくなってきましたね。
グリップはサドルに比べてまだ手に入りやすいので
今のうちにゲットしておきましょう。

PaulのCanti Lever。

いろんなレバーあれど、
世界最高クラスのレバーといえばやはりPAULは外せない。
ブレーキ本体はもちろん大切。
でも、レバーそのものの剛性や
かっちりした感じを出すことによる恩恵はめちゃくちゃある。

両方の格を合わせてあげることは重要とした上で
握って感じるかっちりした効きと
スッと馴染む吸い付く質感はさすがでしかない。

この自転車を作り始めたのが2021年のはじめくらい。
この時に比べると正直買いです、と言える価格のレバーでは無くなりました。
特にポリッシュ。
一生もののレバーであることは間違い無いですが、
ちょっと気合のいるレバーになりましたね。

過去のチャートを見ても仕方がないので
もし所有されてる方、今から導入予定の方は大切に。

NITTOステム、クロームベル。

NPの長いステムも今ではレアリティかなり高いですね。
ここに関しての価格は国内企業なのでまだマシ、、だけど上がってる。
なにより、受注停止になってきてるアイテムが何個かあるんだよね。
もちろん、EBS京都で組んでくれるオーナー様には僕たちでストックしているアイテムを
あるだけ全て出してますのでこのあたりはまだ大丈夫。

価格はもう下がらないだろうけど、
はやく元の世界に戻れば良いですね。

ベルは弾くタイプのベルをステムマウントで。
今回はシフターを逆付け。
あんまりしないカスタムだけど、これも面白くてよかったですね。

このシフターはちょっと特殊な使い方で
逆についてます。
使用自体は問題ないけど、左で後ろが動く、ってのは違和感あるかも。笑
ベルがうまくボリューム調整してくれていて、
そこまで多くないスペースを使い切ってると思いますね!

ワイヤー類はALL Nissenワイヤー。

EBSで使用するワイヤーは指定がなければ基本NISSENです。
理由は柔らかくて軽いから。
ある程度剛性が必要なブレーキなどの場合より硬質なものを使用しますが、
このしなやかさはクセになりますね。

ブラケットブレーキの先出しのようなルーティンで。

tobiraはめちゃくちゃシンプルなヘッドマーク。
極限までシンプルなバイクを作りたい時などは重宝しますね。

フロント下部もばっちり。
NITTOラックにダイナモの構成。
ランプホルダーを使わない、というのも独特で良い。

NITTO フロントラック。

形がシンプルだから、別に何載せるわけでもなくつけたいラック。

15年前くらいは
完全なるミニマルスタイルがストリートでは全盛で、
なんだったらブレーキもつけない、みたいな無法者がいましたが、
逆に今は必要っぽいものをガンガン取り付けられるバイクが人気で、
ラックはシンプルに便利なので輪をかけて人気ですね。

もちろん、まずはシンプルに乗ってみる、
軽さそのものを体験する、ってのは楽しいことなので
何もつけない、塩で食す、みたいなのも体験ください。

PAULのカンチブレーキ。


ディスクブレーキなどのより高効率、ものによっては安価に組むことも可能な
優れたものがたくさん存在するこの昨今、
カンチブレーキという
最も原始的なブレーキを現代のクオリティで作った時、
おそらく最高はこれ。

前後で違うタイプのものを使用することが多いのですが、
しっかり精度を上げるとこれだけ効くのか!
という驚きが最も大きいブレーキかもしれない。
今でもレースで使われてたりしますからね。

PAULのブレーキはノーマルがオレンジのブレーキシューなんですが、
今回の車体にこれ以上色を入れたくなかったのでシルバーグレーのシューに変更。
PAULといえばオレンジ!だけど、
このあえて外す感じは最高です。

ハブはSPのものを。

SONのライト使うならSONのハブ、ってところですが、
個人的にSPの方が使いやすくて小型なのでこっち使いがち。
価格的にも多少落ち着いていて
(この一年で倍の価格になりましたが。。)
これからも使うと思う。

ちなみにSPのハブはめちゃくちゃ使うので
値上げ前にそれなりの量ストックしており、
組むなら今です。
これから確実にまだ値上がりするので
これ以上上がると多分僕も紹介しなくなると思う。

本当に、街乗りなら最もおすすめしたい装備ですが、
さすがに初期投資としてここに強く投入するか否か、
最終ラインにきているので、より良いものをさがしてくるか、
完全に辞めてしまうか、これかなり悩んでるので、
ダイナモ前提で検討されてる方はまじで常に今、この瞬間がチャンスです。

車輪径によって使うハブが変わるので
そのあたりもご相談ください。

SONのEdulux2。

BMのライトをよく使うEBS京都では少し珍しいSON。
世界最高とされるライトだけあって間違いがない。

明るさは言わずもがな。
形の好みだけで選んでも全く問題ないです。

リムはH+SON The BOX。

これも今では手に入らない
現行系パーツではかなり渋いレトロなフォルムのボックスリム。

チューブラーリムのような薄さが魅力で
リムとしても良いものです。
ハトメ入りでリムそのものの強度も高く、
テンションばちばちで組んでもついてくる良いもの。

H+SONシリーズは
今市場に流通しているもので一旦最後だと思う。

これは日本にあんまり入ってきてないってことらしい。
いつかまた潤沢に入ってくると思うけど、
それまでは一旦チョイス外になると思う。

次回入ってくる時にはこれも2倍くらいの価格になってそうなくらい
価格に対して物が良かっただけに残念ですね。

TERAVAIL RAMPERT 700×42C。

タイヤは最新のものを。
といってもブラウンサイドでレトロな空気感は持ってるTERAVAIL。
今回のtobiraはタイヤクリアランス42Cなので
現行のグラベルロードタイヤが使えるのが魅力ですね。

グラベルロードタイヤといってもスリックパターンで
街乗りはかなりしやすいです。
というよりオールロードでは現在最強タイヤかもしれない。

いやー、今回もナイスバイク!ですね!
乗っていくうちに年月がたち、
ハンドルポジションなどを変更して
自分のコンディションに合わせて寄りそうバイクになってくれそうです。

僕が、なんですが、過去に腰をやってしまったことがあって
めちゃくちゃ辛い時期あったので、変化に強い自転車大好きです。笑

来週はサイド、リアとご紹介。
カラーもクラシカルに寄せすぎなくてめちゃ良いですね。

ではでは…

MASN

Please share
  • URLをコピーしました!
目次