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シングルスピードクルーザーカスタム。Kamogawa 2.0を650B化!後編。

今週も始まりました
EBSオーナーズバイクチェックのお時間です。

12月に入って
グッと寒さも増したか?
と思いきや僕も寒さに慣れてきてあんまり厚着もせずで
良い感じで過ごせております。

ぶらっとサイクリングもできてるし、
銭湯もじんわりゆっくりできてリフレッシュも万全。
年末を迎える準備は万全なのであります。

最近はEBSのテストライドも順々に終わり、
今だとGROWNのCODAの試乗車を組んでたりする途中ですが
今はどんどんクラシック、オールド系にかえっていってる。
それを今の考え方、作り方で自転車を組むと
軽くて楽しい。

僕はお買い物バイクとして
OLDなフレームにも乗ってたりしますが
もう、明らかに重いもんね。笑
でも、ジオメトリは今改めて新鮮だし、
形として良い、ってのはとても共感ができます。

そこからインスパイアされて
今のクロモリ、僕たちだとKaiseiのパイプを使って
過去作りスペクト、な自転車を作ったりすることは
よくあるので、なんでも経験、やってみてなんぼだなーって思いますね。

古いものを長く使うことはとても素晴らしいことですが、
僕の考え方は少し違っていて、
「あくまで現行パーツなどで構成する」ということですね。

もはや過去のパーツなどはただの転売対象になっていて、
理解してその年代を手にする以外の意味がありません。
商売として、メーカーが真剣に考えたものを適正な価格で
ユーザーにわたる、という経済的な部分でも破綻しかけてる。

本来は、若い子が「金ねえ!だから自分で作る!」
ためのものだったんですが。
僕はそれでかなり助かったし、今こうしてバイクショップ立ててるのも
あの頃触ってなかったらあり得なかった。
2万円くらいで頑張ったら自転車組めたあの頃。
物価がどう、とかはもう超えちゃってますね。。

誰かがすでにお金を払ったものを
またそれより高く買ってる、というのが不健康なんですよね。
これ、いちユーザーのMASNとして考えれば昔のパーツ好きだし、
そういうのが好きな人はどんどん買おうぜ!ってなるけど、
それって全く日本のためにならなかったりするんだよなあ。

製作、製造と担う僕たちはそこは大切にしたいな、って思う。
あくまで、長く使えるものを買っていただく、ということにおいて
「長く使われてきたもの」を買うことはそこまで良いと思ってないってこと。
これは個人的な意見だけどね。

車も、単車も旧車好きだし、古着も好き。
とても分かるだけに難しいなって思う。


今週のご紹介は後編、
先週に引き続きEBSラインナップのなかで一番スタンダードな構成を目指した
EBS/Kamogawaの2.0を。

前述の「人が積んだビンテージ」みたいなところとは正反対な自転車で、
どっちが良いとかないです。でも、確実に長く使えるのはこっち。

その自転車をちょいとカオスなカスタムで仕上げたのが今週のバイクです。

今週のご紹介は…

Engineerd Bike Service(EBS)
Kamogawa 2.0

SNSにも上げさせていただいてるんですが
海外からのお問い合わせが圧倒的。
はじめの三日は英語でしかやりとりしてないかもしれない。笑

大きさ的にも確かに海外向けだなって思うし、
ハンドルなどがオリジナルパーツなので
形として存在するけどあんまりない組み合わせ!が最高にウケてると思う。

実際走行性能もしっかりしていて、
ポジションめちゃくちゃゆったり、なのにぐいぐい進めます。
自転車って組み方にコンボみたいなのがあって、
この設計のフレームに
これとこれ、これをこの締め付け方でグッと力が通ると
めちゃくちゃ進む!!!!!みたいなのがあるんですね。

食事で言うとマリアージュ的な。
魚介と白ワイン、みたいな誰でも知ってる(だが全てが合うわけじゃない)
組み合わせからティラミスとフランス南部の〜みたいな
ソムリエが編み出したマリアージュも存在する。

自転車にもそれはあって、
「このチェーンリングとこのチェーンめちゃくちゃ良い」とか
このチープなパーツはこれでグッと活きる!みたいなのとか。

このバイクは新たに僕的なコンボとして登録されました。
全体的に挑戦的な内容でしたが非の打ち所がないです。

EBSのオーダーではある程度
このコンボと共におまかせで組ませてもらうことも多いのですが
ふと選んでもらったパーツが全部いい感じ。

逆に相性が悪いパーツも存在していて、
「精度が良すぎるあまりこいつとは合わない」みたいなこともあります。
そんな時はお伝えしておりますので
お気軽にお問い合わせくださいね。

そんじゃ、サイドからいってみよう!

サイドビュー。

やっぱり良いなー。
650Bエディション作ろうかな、って思ったりもしたけど、
やっぱこれはカスタムしたい!って思っていただいた方のみのカスタム、ということで。
いつかこうした形の自転車を作るかもしれないけど、
今のところはやっぱり、あの時オーナー様とお話しさせてもらった時の
ひらめきや想いを大切にしたいので。

が、もしこの形で欲しい!って方がいらっしゃいましたら
是非お声がけください。オーナー様も喜ぶと思います。

サドルはBROOKS。

安定の、しかしすでにレア化しているBROOKSサドル。
長く使えるサドルの代表格ですが、
やっぱり世界中でそう認知されてるのもすごいし、
もう今手に入れとかないと感がやばい。

かといって、無くなるから買うのか?
みたいなのは違うと思うので、
好きなタイミングでインストールどうぞ。
ただ、絶対買う!と決めている人は今です。

今年だけでもグッと価格上がってますので。。

最近またサドルバッグなどのラインナップが変わってきた。
と、同時に大型のバッグ類をお求めになる方が増えていて、
こうした時にバッグループがついてるBROOKSは強いなーって思う。

他のサドルにもバッグは取付けられますが、
やっぱりこのループは便利。
何もつけなくてもアクセントにもなるしね。

GBのシートクランプ。

しれっとGBをインストール。
幅広のクランプ力高めのやつ。
別に特別なことはなにもないんだけど、
ここのボリュームが増えるだけでしっかりして見えますよ。

スモークカーキ。

Kamogawaはカラーオーダーが無料で、
好きな色に塗っていただけます。
今回はスモーク感のあるカーキをグロスで。

アウトドア感もあるカラーですが、
イギリスのラレーなどでもチョイスされたりしたカラーパレットなので
エレガントに組むことも可能な意外に万能なカラーです。
実際、けっこうやんちゃな組み方してるけど、
大人感もあってかなりこのカラーが強く貢献してると思いますね。

クランクまわりはWhite Industriesで。

シルバー、ポリッシュ系クランク最高峰のホワイトのクランク。
今回はENOをチョイス。
BB30規格も良かったんですが、このオールドクランカーなスタイルには
やっぱりこっちだろう、と。

最新が最高ではない、という好例ですが、
これはやはりホワイトだからこその強みだと思います。
タイムレスなものつくり、僕も意識して生きていきたいですね。

10年前に制作した自転車の問い合わせが普通にくる、みたいな。
あれ?これかなり嬉しいぞ。笑
昔の方が評価されてたらそれはそれで悲しいけど、
全てのオーナー様に長く使える自転車考えてるので
間違いなく10年後はそうなるはず。。

ホワイトのクランクキャップは基本が真鍮製。
EBS京都制作のバイクはここが真鍮になってることが多くみられると思うけど、
完全にこいつリスペクトです。笑
僕が乗っているVOKKAもこの組み合わせをオマージュしています。

クランクを抜く時に
クランク抜きが必要ない(ボルトを緩めるにつれクランクも抜けていく)
構造でメンテナンス性も抜群。
この、「メンテしやすい」を重きに置くと確実に長く使っていけますね。

細かな調整を家でする、とかではなく、
一般的にセットで手に入る六角レンチでクランクがサッと取り外せる、ことが最高。
シンプルに掃除のために抜いてもOK。
スクエアテーパーBBで圧入してるから、
週一で抜く、とかはおすすめしませんが、年1のお掃除とかをしとくと
かなり気持ちよく使えるし、BB側の異常にもすぐ気づけます。

僕たちは毎日なにかしらの修理などをやって、
「調子の悪い自転車」を触りまくってきたから
ある種トラブルシューティングしやすい部分はあるんですが、
クランクまわりの異音などは絶妙なものも多く、気づいた時には手遅れ、
なんてこともあるので
ある程度自分で手を入れたい方はこのタイプのクランク、おすすめです。

ナローワイドギア。

今回はナローめなチェーンをあえて使用したので
チェーンリングもしっかり落ちないものを。
シングルスピードなのでまずチェーン落ちとかはないけど、
しっかり食いつくのに歯離れの良い精度はさすがWhite Industries。
ギアは流石に消耗品ですが、そもそも硬いので長く使えます。

グラベル頻繁に行って、とかロードバイクとして思い切り、とかは
5、6年でリングの交換をする人もいますが、
街乗りで使うなら10年はまずいけそうです。

Kaisei 022クロモリをフルセットで。

多分、Kaisei 022が使われている自転車の中で
Kamogawaが一番乗り出し価格が安いと思う。
このプロジェクト自体、今のところ儲け度外視というか、
僕がやりたいプロジェクトなのでこの価格ですが、
狂ってると言われる可能性さえある完成車価格です。笑

むしろそこまでやるならKaiseiじゃなくていいだろ!
というくらい攻め込んでますが
これはカイセイだから良いんです。

初めての自転車でも後悔なく、
知識がついてきても後悔なく、
乗りまくった人が見ても間違いないものにしたかったからです。

長持ちする自転車、とかで調べると
クロモリ!とか重いけど長持ち!とか
小銭稼ぎたいだけのアフィリエイターが謎文書いてますが
あれ、あいつら乗って喋ってないので。
〇〇な自転車何選!みたいな記事参考にするのやめましょう。

自転車乗ってる人ですら
全素材乗ってきた人はなかなかいないし、
そういう人ほど「なんでもいい」とか
言ってたりしてある種参考にならない。笑(これ、褒め言葉です)

クロモリ、って書いてある自転車。
本当に全部クロモリですか?
という問いをこのステッカーが証明します。

牛で言うA5。
そりゃ、偽装が!とかいわれたらもう自転車ぶった斬るしかないけど、
Kaiseiを扱うビルダーしかこのステッカーは持ってません。

019、022ミックスや8630Rなど、いろんな組み方があるけど、
ツーリング車に使われるこのグレードは
街乗りでも、もちろん旅にでも使えるタフさを持ってます。

スタンド台座付き。

もちろんKamogawaにはスタンド取り付けOK。
街乗りだとやっぱりあった方が良いし、
ここのクリアランス攻めすぎて乗りにくくなる(ホイールベースショート)のもあれだし、
なによりそうした自転車にスタンドを取付けたくなった時、
後付け感満載な長く伸びる棒はさすがにきついな、って思って。

しかし、タイヤ幅は攻め過ぎてんな。笑
こっちから見たらまじギリ感ありますが、じつはそうでもないです。
しっかり空気圧を下げても遊べるレベルで。

MKS XC-lllペダル。

ブルーラグ主導でMKSが復刻してくれたペダルを。
三ヶ島の工場に行った時、出てきた
サンツアーのペダルの設計図から起こしたらしい。
このペダル、ベアリングどうこうは今のネクストシリーズと比べると
2ランクほど落ちます。が、かなり良い!
今出てるフラットペダルの中で一番好きかもしれない。

これは僕がボリュームのあるスニーカーが好きで、
その大きさにドンピシャで合うからなのですが、
ゴツめのスニーカー好きな方はこっち系とてもおすすめです。

もちろん、スタイルとして優れてると思うので
ルックスで選んで間違いなし、です。

リアビュー。

とっても重厚感のある佇まい。
けど軽いんだよなあ。ホイール自体をサイズダウンさせて
集まる視線が下がった分、ハンドルがバーンと入ってくる。
色味使いも奇抜でなく、まさに大人の遊ぶ自転車、って感じ。

NITTOアウター受け。

綺麗な造形はさすがのNITTO。
これハンドメイドですからね。
この価格で買えてしまうことそのものに感謝だし、
やっぱり本当に使いやすい。

今は在庫切れになることが多いですが
センタープルやカンチを使うときは是非こうした小物にも
こだわってみてはいかがでしょうか。

Dia Compe センタープルブレーキ。

前編でさっくり触れたので多くは語りませんが
今回のセンタープルはスプリングテンションと
シューケース共にカスタムのものです。

ブレーキ自体の剛性はあんまりないけど、
しっかり効くよう、パワーである程度ヨレる前提くらいのセッティングでセット。
ある種、フレームに負担をかけない優しいブレーキかもしれない。

僕、銭湯行くためだけの自転車があるんですが、
そいつのブレーキ剛性が低すぎて最近ブレーキカスタムしたんですよ。
で、ガッチガチ効くようになった。けど、フレーム設計が古くて次はフレームが傷んだ。
KaiseiクロモリでEBSビルディングのフレームでそんなことはまずありませんが、
全体のバランス、大切にしたいですね。

このバイクは膝とかにも優しくて、
これからの大人に必要かもしれない。

とてもレトロ。
いまだにこの作りが現行であることに感謝です。

大きなタイヤを避けて
ブレーキを確保したい時などによく使われる
スーパーラージアーチサイズですが
別にこのブレーキでなくとも可能です。

でも、、やっぱりスタイルが大事なので、
インストール!!
このパーツがなにも手に入らない状況下、
なかなかの期間お待ち頂いたのですが
こうしてあそび心のあるパーツチョイスは
忘れずにご提案していきたいですね。

早く手に入る!のもめちゃくちゃ大切ですが、
せっかくのオーダーなので、やりたいこと詰め込んでいきましょう!

White Industriesのトライアルフリー。

グリーン系にグリーンのフリーギア。
色の合わせはバッチリですね。
このギアは青、赤、緑とあって、
それぞれ歯数で変わるんですが
これはトライアル用でノッチ数が違います。

普通の(といってもそれ自体が多いんだが)
ホワイトのフリーは36ノッチ。
トライアルは倍の72ノッチです。

他のブランドでもっともっと多いノッチもあるんですが
これは用途に合わせて、ってことで。
ノッチが多いほど「ジージー」鳴るのでシンプルに音が楽しいのもあるけど、
かかりが良くなるのでどこからでも踏んでいけます。

ホワイトのフリーはほんと最高で、これ以外はない、くらいに良いです。
ミニベロだともうちょいギア比あげたい人もいると思うので
そんな方にも裏技的フリーギアありますのでご安心を。

White Industries トラックハブ。

リアハブはホワイトのトラックハブで。
このハブの良い部分はやはり超高精度、高剛性であること。
トラックハブって無駄な機能が必要なく、
綺麗に回り続けること、これだけが求められます。
だからこそ軸がぶれない、とか
単純な強さが求められるのですが
やはりホワイトのハブは強い。

ベアリングの打ち替えもどんとこいって感じですし、
カチッと組んだ時のおさまりも良い。
で、やはり自転車は機能美が大切ですが
しっかり美しく仕上げてくるのも最高ですね。

刻印入ってるだけのシンプルなハブなんですけど、
なんでこんなかっこいいんでしょうね。
独自のスプライン形状だったりもして固定ギアにも対応してますが、
それ以外は思い切りクラシカルなのも最高です。

カラーはこのポリッシュとブラック。
今はどっちも完売なので、次回の入荷を待っていきましょう。
ホワイトをはじめ、自社でがっつり開発しているメーカーは
材料不足という懸念はあれど自己完結してくるので
あまり大幅に遅れたりがありません。

もちろんしっかり待つ必要がありますが、
待ってできる自転車も悪くないと思います。
とりあえず、この状況、全部思い出になれば最高ですね。。

velocity Quilリム。

リムブレーキ、650B、ポリッシュリムってマジレア。
よくこの状況下で手に入ったな、と。
とはいえ、また最近リムブレーキが再評価されてきたり、
26インチもいいんじゃね!みたいになってきたり、
「長く使ってきたもの」と「長く使えるもの」
古さと新しさが渾然一体となって流れになってる。

これ、とても楽しみですね。
いままではメーカーが売るために
「これからはグラベルロードだ!」とか
「バイクパッキングでキャンプ!」といった
ニュージャンルを立ち上げて消費を誘うのが常套でしたが
どんどんそれが自由になってきていて、
誰が何乗っても、何で何しても良い。ってなってきてる。

逆に情報が溢れすぎてて迷う人はとことん迷ってしまうと思いますが
それもスタイルだし、僕たちみたいな人間にご相談いただいても良いと思います。

この700CのKamogawaを650Bで乗る、とかも自由な発想ですし、
何つけても、何乗ってもちゃんと走れて、停まれたらなんでもOK。
流行りに流されず、自分の中に流れる大きな川に沿って、
ゆったり、たまにはばしゃばしゃ泳いだり漕いだりしてみましょう。

できればそれがEBSのバイクで、長く使って、自分だけのスタイルであるように。

ではでは。

MASN

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